ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ヘビギンポ偏愛(19)

[普通種の中に潜む謎。。。]

「珍しい種類が撮れたら送るね〜」

僕が主宰している「ヘビベース!」への写真投稿をゲストや同業者に頼むと、よくこんな事を言われる。

いや。。。別に珍しい種類じゃなくていいです。(-_-;)
むしろその地域で普通種だと思っているヘビギンポこそ、ぜひ見せて欲しかったりする。。。

その代表格がいわゆる「Theヘビギンポ」。
温帯域では一番メジャーなヘビギンポなのだが、実は地味過ぎてこいつが一番難しい!

【ヘビギンポ(伊豆タイプ)】


通常体色のオス / 伊豆・大瀬崎

このコーナーを始めて19種目にしてようやく大将の登場だ。
なぜここまでTheヘビギンポの紹介をしなかったかと言うと、ずばり一番難解なヘビギンポだからなのだ。北海道南部から屋久島までとかなり広い範囲に分布していて、最近、沖縄本島でも普通に見られる事を知った。しかし、これがまた体色等に地域差が激しいようなのだ。

例えば、屋久島と伊豆のTheヘビギンポを比べると、これは別種では?と思ってしまうぐらい見え方に違いがあるらしいのだ。

更に来月に紹介する予定なのだが、八丈島で見られるTheヘビギンポに至っては鱗の数さえも違い、下手すると別種になりそうな勢いなのだ。

こうなってくると屋久島&沖縄で見られるTheヘビギンポも怪しい。。。などとついつい思ってしまう。さらに日本海、東北、北海道のTheヘビは??などと興味はつきない。

まぁ、そうは言ってもヘビギンポの識別をする時のカギとなるオスの婚姻色は、伊豆の子も屋久島の子も沖縄の子もみんな一緒! だから困ってしまうのだが。。。


婚姻色のオス / 伊豆・大瀬崎

現在、鹿児島大学の学生さんが、伊豆・八丈島・屋久島・沖縄のTheヘビギンポの比較検討を行っている。結果がとても楽しみだ♪

写真提供:アクアスペース 松川氏(Diver's High Underwater Photo Gallery
参考:ヘビベース! - Triple-Fins Photo DataBase


原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島

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「森と海」
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