ヨーロッパのお好み
これから繁忙期なんじゃないの? と思われてしまいそうですが、5月下旬から10日ほど旅行に出かけます。
八丈に移り住んで以来、この時期にこんな長い旅行に出かけるのは初めてですし、何よりダイビングをしない旅行と言うのが久しぶりです。行き先はフランス。昨年祖母がなくなって老老介護から開放された両親が選んだパックツアーです。本当は昨年行くはずだったのですが、豚インフルエンザ騒ぎがピークに達していたために断念したのです。
ところが今年はアイスランドの噴火騒ぎ。つい先日旅行会社から送られてきた日程表によると、使用機はオランダ航空、アムステルダム経由です。アムステルダムと言えば、先日も火山灰の影響で空港が一時閉鎖になっていたところ。無事に行けるんでしょうかね? 来月の豪海倶楽部の原稿が帰朝報告となりますかどうか。
ところで、海外でダイビングをしていて時々感じることなのですが、ヨーロッパの人達にとってダイビングってどんなレジャーなのでしょうか。自分が出かけるのは日本人のガイドさんがいらっしゃるリゾートばかりなので、自然と一緒に潜る仲間も日本人ばかり。海の上で、他のボートに乗った欧米の人達の様子を眺めたり、水中ですれ違う程度しか見る機会がありません。
いつも驚くのが、皆さんの格好です。こちらは6半、まるで作業ダイバー? 周りにはカラフルなウェットスーツを着た人達。出かける時期がたいていは2〜3月のせいもあって、フードベストやラッシュガードを着込み、上がってからはウィンドブレーカーなどを羽織っています。ところが、すれ違う欧米ダイバーの皆さんと言ったら、半袖のTシャツに半ズボン、もしくは上半身は裸に直接BCを背負っていたりするのです。いくら体格が違うからって、寒さの感じ方ってそんなにも違うものでしょうか?
そしてほとんどの方が手ぶらのようで、皆でガンガン魚のようになって泳ぎ去っていきます。彼らから見たら、ドロップオフの壁に張り付いて、遠目からでは何を撮っているんだかわからないようなものにカメラを向けている私って、どんな風に見えるのでしょうか。
逆に、ごくたまになのですが、レグルスにも欧米からのダイバーがいらっしゃることがあります。近くにキャンプ場があるため、そこでキャンプをしている観光客が「ちょっと潜ってみようか」と飛び込みでいらっしゃるのです。
ライセンスを持っている場合もありますし、体験ダイビングの場合もあります。そして、そのどちらの場合にも、いつも喜ばれるのはウツボなのです。次にハナミノカサゴ、ヘラヤガラと続きます。こちらとしては八丈島の地域で特に多く見られるユウゼンやテングダイ、レンテンヤッコなどを紹介したいのですが、大きなウツボを見ると、すっかりそっちに関心を奪われてしまうのです。大きいウツボであれば、どんな種類でも構わないようです。別に日本以外の場所では珍しいってわけでもないでしょうにねぇ?
八丈で見られる一番大型のウツボと言えば、ニセゴイシウツボ。必ずしも会えるものではありませんが、絶対喜んでもらえそうな気がします。
私が好きなのはサビウツボ。
この子供が落書きした紙を貼り付けたみたいな目が好きです。こんな目玉で、あっちみたり、こっちみたり、できるんでしょうか? 顔を見ると、いつも笑ってしまいます。
でも考えてみると、海の中のいろんな生物の図鑑、魚やウミウシ、甲殻類の写真がたくさん掲載された本は、日本以上に洋書の方が豊富で充実しているのです。ヨーロッパの人たちの中にもフィッシュウォッチャーのダイバーが大勢いてもおかしくないはず。私が日頃お世話になっている図鑑の著者には、ドイツ人やオランダ人の方がいらっしゃいます。できれば、いつか、そんな図鑑を座右の銘にしているようなヨーロッパのダイバー達と一緒に潜ることができれば良いなあと思います。
今回のフランス旅行、パックツアーですから、またもや現地の人達とふれあう機会は少なく、日本人とばかり過ごす時間が長そうです。
そして、きっと皆、あちこちの観光スポットで写真を撮りまくるんでしょう。水中でも陸上でも、本当に日本人はカメラが好きですよね。私も、とりあえずコンデジだけ持って出かけてきます。とにかく現地にたどりつけますように。まずは、八丈から出る飛行機が欠航しないことを祈ってます。。。
水谷 知世
昭和40年代生まれ
兵庫県出身
一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
〒100-1511
東京都八丈町三根1364-1
Tel/Fax:04996-2-3539
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