ガイドのつぶやき - 伊豆諸島・八丈島からThe Diving Junky Magazine

雨宿り

今年の梅雨は強烈です。

雨がじゃかじゃかじゃんじゃん降り続く今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

ただでさえも、八丈の梅雨は強烈です。南西の風が運ぶ温かくて水分たっぷりの空気が海を渡って八丈島の標高7〜800mの八丈富士と三原山にぶつかって上昇するんですから、裾野から雲が湧き上がってます。島全体がすっぽり白い雲の中。湿度は100%を超えて、雨が降ってなくても、空気から水が染み出してきそうです。カメラを持っている人は、本当に防湿庫が必須。クーラーはいらなくても、除湿機は必須。

そして、空気が真っ白なので、昼間でもヘッドライトを点灯している車が珍しくありません。車で走っていても「見えなーい!」と思うくらいですから、飛行機の乗ってたら、なおさら何も見えないでしょうね。八丈の空港にはレーダーが付いていません。操縦士が滑走路を目で確認できないと着陸できません。だから、ここのところ欠航ばっかり。

南西の風が続いているおかげで海況は安定しています。東側のポイントはベッタリ。しかも、黒潮が近くを通っているので、水温は24〜25度、透明度は20m以上。どう考えても、陸上より海の中の方が遠くまで見えるような気がします。つまり、連日、かなり良い海況が続いているのに、ゲストがいらっしゃらない…いらっしゃれない。。。ごく一部の、10時間以上も船に乗って来てくださった方だけが、八丈の黒潮ブルーを楽しむことができるのです。

話はちょっと変わりますが、雨が降っている中、ダイビングに出かけるのってイヤじゃありませんか? せっかくゲストが潜ろうという気になっている時に口に出して言えることじゃないんですが、私はどうも気が進みません。何だかねぇ、雨に濡れるのがイヤなんですよ。どうしてなんでしょう? どうせ潜れば濡れるのに。雨の水滴が、ピタピタと頭や顔に当たっているのを我慢しながら、器材をセッティングしたり、エントリー口まで歩いていくのがイヤなんです。普段は、傘なんて無くても平気なくせに。

でも、それを我慢して水中に入ると、あー、やっぱり雨の日は海の中の方が快適だなあと思います。水滴がピタピタ当たらないですもんね。魚たちは雨に降られることがなくて良いですよね〜。それになぜか陸上よりも湿度が低いっていうか、ジメジメしてないんですよ。陸上にいるより爽快です。そもそも水中の湿度なんて計ったりしませんけど。

先日、ホントに土砂降りの中、タイドプールへ遊びに行きました。天気が良ければ、海水浴客が賑わう場所ですが、さすがに閑散としていました。こんなに海の中の方が気持ち良いのに、昼真っから穴に潜り込んでいる魚たちが目につきます。雨宿りする必要なんてないのに。しかも、穴の周辺では、穴の取り合いをやっているらしく、闘争が始まってるんです。何をしとるんじゃろ?とのぞいてみると、お腹がパンパンに膨らんだカエルウオがドーン。

お腹ぽっこり、ヒレ全開です。サーモクラインでよく見えないけど。

雨宿りじゃなくて、産卵場所だったんですね。

小さい穴の中じゃよくわからないので、大きな岩の下を出入りしているカエルウオを追いかけてみました。ちょっとカエルウオさんには悪いけど、大きな岩を崩さないようにしながら、手前にあった岩を脇へどかしてみました。

大きな岩の天井にはビッシリと銀色の卵。すごい量ですね。こんなにたくさん産むとは知りませんでした。ふ化したところが見たいですよね〜。ただ外敵から守ってるだけではなく、ちゃんと世話をしているようでした。

いや、まさか、我が子を食べてるんじゃないよね?

ふ化した後の殻を食べてるんでしょうか?

しばらく撮影した後、ちょっとそのままの状態でよそ見していたら、周りにいたメジナやスズメダイ、ハギの仲間が大集合!、まさに、雨・アラレのごとき総攻撃、集団でカエルウオの卵をついばんでいました。もちろん、親は大パニック状態。慌てて、捕食者たちを追い払い、どかした岩を元通りにしておきましたよ。

雨は降っていなくても、雨宿りは必要らしいです。

この原稿が公開された頃には、そろそろ梅雨明けでしょうか?

夏の太陽が待ち遠しい!

水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング

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