歯抜け婆さん
厄介なことに、まだ親不知が3本も生えていて、しかもどれ一つまともに生えていません。
みんな、ほんの少し顔をのぞかせている程度なのです。そのうちの一つが疼き始めました。あっと言う間に、痛みの場所が広がり、顔の右半分が痛くなってきました。
歯医者に行ってみてもらうと、親不知そのものが虫歯になっているわけではなく、歯茎が炎症を起こしていたのでした。手前の歯がぎっしりと奥まで生えているせいで、本来親不知が生える場所が無くなり、仕方なくそれよりも奥から生えようとしているらしいのです。まさに歯茎を突き破ろうとしているのでしょうね。
「抜いた方が良いと思いますよ、炎症がおさまったら」と言われました。まだ抜いていません。
昔、誰かに、人間の体の中には無駄に存在するものは一つもないんだよ、と教えられたような気がしないでもないのですが(何か別の話と混同している可能性もありますが)、親不知だけは、無駄な存在なんでしょうか?
将来歯抜け婆さんになるには目に見えているのに、親不知とは言え、抜くのはもったいない気がして。
ところで、歯抜け婆さんと言えば、八重根というポイントのクマノミ群生地も、遠くから見ると婆さんの口の中のように見えます。高水温で真っ白になったイソギンチャクがポツポツとまだらに生えているのです。
元々は茶色っぽいイソギンチャクが水底を埋め尽くしていて、地肌の部分は見えなかったのに。やはり、ただ白くなるだけではなく、弱って縮小してしまうのでしょうか? 先月も真っ白になったイソギンチャクに埋まる小さなクマノミの写真を載せました。
普通、クマノミというのは、自由に中層を泳ぎまわっていても、ダイバーという外敵が近づくと我先にとイソギンチャクの元へ身を隠します。クマノミの数が多い場合、弱い個体はイソギンチャクから追い出され、外敵の餌食となってしまいます。
ところが、今この群生地でクマノミを撮ろうとすると、イソギンチャクに寄り添っていたクマノミでさえ、中層へ泳ぎ出て行ってしまうのです。一生懸命近寄って撮ろうとしていると、気が付いた時には目の前にあるのはイソギンチャクだけ。もぬけの空。クマノミはどこへ?と振り返ると、自分の後ろに群がって泳いでいるのです。
最初、何じゃ、こりゃ?と思ってしまいました。きっと、クマノミは知っているんですね。イソギンチャクが弱っていることを。彼らにとって、イソギンチャクは防空壕の役目を果たしてくれなくなっているのでしょう。
心配な白化現象ですが、冬の到来とともに水温は徐々に下がり始めて、現在のところ22度。新年を迎える頃には20度あたりでしょうか。
寒いのは嫌だけど、白化の進行は止まっています。私は、こんなにひどい白化は初めて見たので、この後どうなるのだろう??とヤキモキしていたのですが、驚くほど急速に復活してきています。
他の場所のイソギンチャクはずいぶんと色づいて茶色くなってきていますし、サンゴも元に戻り始めています。もうこのまま死んで瓦礫になってしまうのかと思われたものも、どんどん元気になってきています。
早く八重根のイソギンチャクも、元気な状態に戻りますように。
そして、私の歯茎も元気になりますように…。
" 歯抜け婆さん " へのコメント
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44: 2010年12月2日 5:54 PM
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ren: 2010年12月3日 5:14 PM
「み」さん 今日は
私も30過ぎまでは虫歯一つなく 頑固な歯が自慢だったのですが
35ぐらいに奥歯が急にずきずきし始めて
しばらくは放って置いたのですが
ある日 我慢できなくなり 歯医者に行くと
「み」さんと同じように親知らずが悪化していると言われました
おまけにそのせいで奥歯が虫歯になっていました
速攻で抜いてもらうようにしたのですが 顎骨が変形していると言われ
なかなか抜けず 結局ハンマーと鑿で叩き割られました(痛)なのでお早めに抜くことをお薦めしま~す
盲腸と同じで親知らずも痕跡器官なので
心情的なことを除けば不要と言って言いと思います白化へのコメントでなくすみませんでした
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み: 2010年12月4日 9:42 AM
44さん
歯茎はすっかり治ったような気がするのですが、風邪が治らないことには歯医者に行かれないんですよね…。とりあえず咳きが止まれば、いつでも行けるのになぁ。 -
み: 2010年12月4日 9:47 AM
renさん、お久しぶりですっ!! お元気でしたか?
renさんは、ずいぶんと長くガマンしてたみたいですね? 顎の骨が変形するまでガマンしてただなんて、なかなか凄くないですか? 私は痛くなり始めてから1週間程度で歯医者に行きましたが、その時には本当に顔の右半分がガンガンしていました。今では炎症もおさまって、いつでも抜ける状態なのですが、抜く予定だった日に風邪をひいて寝込み、今も咳が止まらず歯医者に行くチャンスを失っているのです。もしかしたら、年を越してしまいそうな予感…嫌なことは持ち越したくないんですけどねぇ…。
水谷 知世
昭和40年代生まれ
兵庫県出身
一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
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