ガイドのつぶやき - 伊豆諸島・八丈島からThe Diving Junky Magazine

イクメン観察 その1

八丈島には、八重根という南西側を向いたポイントがあって、沖合いに大きなアーチがあり、その手前にクマノミの群生があるのが特徴です。その群生地では、もうずいぶん前からクマノミの産卵が盛んです。そこで、いろんな色の卵を見ているうちに、ふと目の前のキンセンイシモチたちも、卵を育てていることに気がつきました。それがまた、妙に多くて、あれ? キンセンイシモチの口内保育って、こんなに見やすかったっけ? と思ったのです。

私のイメージでは、いつも穴の中にいて、見ることはできても写真は撮れなさそうな雰囲気だったのですが、その日のキンセンたちは、クマノミと一緒になってイソギンチャクの上に出てきそうな感じ。撮りやすそうだったので、クマノミそっちのけで、キンセンを追いかけてきました。

オスは、ほとんど皆さん、おたふく顔。カメラを向けると、逃げるどころか「うちの子、撮って!!」状態で、競い合って前に出てきます。特に強力に自己アピールしていたお父さんの卵は、発育ナンバーワン。うわー、きっと今夜あたりハッチアウトするのでは・・・。

キンセンイシモチの口内保育

しかし、残念なことに、その日の夜にもう一度八重根に潜る時間はありませんでした。

日を改めて行ってみると、どうもハッチアウト済み。他のオスたちは、まだハッチアウトしそうな状態ではありませんでした。

ちょっと残念でしたが、よく見ると、イソギンチャクの上では、やたらと二人でビッタリ寄り添っている夫婦が一組。メスのお腹は卵で膨らんでぽっこり。そして、連れのオスの動きをさえぎるかのように、オスの顔の前へ、前へと出ていくので、二人でくるくる回転してしまっています。他のキンセンが近寄ろうとすると、パンパンッ!っとはじけ飛んで追い払います。もう、ほとんどオスは捕らわれの身ですね。でも、メスの横で、健気に卵を受け取る練習をしているようでした。

おー、これは、産卵するのでは!?と、しばらく、ずーっと見守っていました。

ずーっと、ずーっと、二人はくるくる回転し…

気がついたら、一時間。この場所、水深が17m。ダイコン見たら減圧が付きそうになってるわ、エアーは少なくなってるわ。やむなく、産卵確認できず、帰ってしまいました。

その後、吹き続く南西の風と、台風5号の影響で八重根は大シケ。キンセンたちが、今頃どうなっちゃっているのか、わかりません。

そこで、八重根で観察しようと思うからいけないのだ!と考えを改め、底土でイシモチ関係者がいないか探しに行くことにしました。

最初に見つけたのは、すごい沖合い。

ハッチアウトに、あと1週間くらいかかりそうな感じでしょうか?

あまり沖合いだとエアーが心配になりますし、深いと長時間居座っていられません。これは、毎日通えそうにありません。

できるだけ手前の浅いところで、とずいぶん探し回りました。さんざん探し回ったところで、見つけました!

エントリー口のすぐそばですし、水深は3m。2時間くらい見ていても大丈夫そうです。

ここから、私のイクメン観察が、始まったのでした。

もうしばらく底土がシケたりしませんように。

続きは、また来月! お楽しみに〜。

水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング

〒100-1511
東京都八丈町三根1364-1
Tel/Fax:04996-2-3539

www.regulusdiving.jp

レグルスダイビング

バックナンバー
関連キーワード

BabyFinders7OリングPOL-058PT-059RXWRECKWWL-1はえものアオサハギアオリイカアカオビハナダイアカカマスアカグツアカゲカムリアカボシウミウシアケボノハゼアサヒハナゴイアザハタアデイトベラアミメハギアメフラシアヤニシキイサキイシガキカエルウオイソギンチャクイソバナイソマグロイトヒキハゼイトヒキベライナダイバラタツイボヤギミノウミウシイルカイレズミフエダイイロカエルアンコウイワシウシマンボウウチワザメウデナガウンバチウデフリツノザヤウミウシウミウウミウシウミカラマツウミヒルモウルトラマンオオウミウマオオミナベトサカオオメカマスオオモンカエルアンコウオキノスジエビオニヒラアジオパールミノウミウシオヤビッチャオヨギベニハゼオルトマンワラエビカイメンカサゴカシワハナダイカジメカスミチョウチョウウオカマスカンザシスズメダイカンパチカンムリブダイカンムリベラガイコツパンダガイコツパンダホヤガラスハゼガンガゼキイボキヌハダウミウシキザクラハゼキシマハナダイキジハタキツネベラキハッソクキビナゴキミオコゼキリンゴンべキリンミノキンギョハナダイギンガメアジクジャクケヤリクダゴンベクマドリカエルアンコウクマノミクラゲクロキンチャクダイクロホシイシモチグルクングレイリーフシャークゲッコウスズメダイコバンザメゴシキエビゴマフビロードウミウシゴルゴニアンシュリンプゴンズイゴールデン・ロッドサクラダイサビハゼサンゴザトウクジラシコンハタタテハゼシモフリタナバタウオシャチブリショウジンガニシラスシリテンスズメダイシロアザミヤギジンベエザメスケロクウミタケハゼスジキツネベラスジハナダイスナイロクラゲスベスベマンジュウガニセイタカアワダチソウセダカギンポセトリュウグウウミウシセホシサンカクハゼセボシウミタケハゼセンカエルウオゼブラガニソフトコーラルソメイヨシノソメワケヤッコソラスズメダイタカサゴタカノハダイタカベタキベラタコクラゲタコベラタテジマキンチャクダイタテジマヤッコタテスジハタタマギンポダテハゼダンゴウオチュウコシオリエビチリメンウミウシツノダシツノメヤドリエビテヅルモヅルエビテングダイトゲトサカトビヌメリナガサキニシキニナナガヒカリボヤナガレヒキガエルナノハナスズメダイナンヨウイボヤギナンヨウツバメウオナンヨウマンタニザダイニシキウミウシニシキオオメワラスボニシキフウライウオニシキヤッコニジギンポニセハクセンミノウミウシニホンイモリニラミアマダイニラミハナダイネッタイミノカサゴハシナガウバウオハタタテギンポハタタテハゼハチジョウタツハナゴイハナダイハナヤギウミヒドラハマグリハマチバラナガハナダイパラコードヒメエダミドリイシヒメテグリヒメホウキムシヒレナガネジリンボウヒレボシミノカサゴビゼンクラゲピグミーシーホースフィリピンクロミスフクロノリフタスジリュウキュウスズメダイフトスジイレズミハゼフリソデエビフロートブラックウォーターダイブブラックフィンバラクーダブラックマンタブリプランクトンベニウミトサカベニゴマリュウグウウミウシベニマツカサベニワモンヤドカリペアホホスジタルミホムラチュウコシオリエビホヤホンカクレエビホンダワラボロカサゴマダイマダコマダラタルミマダラハナダイマツカサウオマニュアルモードマメダワラマルハナシャコマンタマンボウミカヅキツバメウオミギマキミジンベニハゼミゾレウミウシミッドナイトダイブミノカサゴミヤビチュウコシオリエビムレハタタテダイメガネゴンベメギスSPモンガラカワハギモンスズメダイモンツキカエルウオヤイトハタヤセアマダイユビナガワモンヤドカリユリタツノコリュウキュウキッカサンゴロウソクギンポロープワクロ一期一会交雑種侵略的外来種内部波円周魚眼写真展卵保育台風婚姻色季節来遊魚孵化対角魚眼幼魚放散虫沈船浮遊系海牛海牛杯深海魚渦巻き状灯台生態行動産卵白化胞子嚢軽石魚眼レンズ

イクメン観察 その1 < 伊豆諸島・八丈島から < トップ