ガイドのつぶやき - 伊豆諸島・八丈島からThe Diving Junky Magazine

イクメン観察 その2

先月の話は、どこまででしたっけ?

そうそう、やっと観察できそうなオオスジイシモチを見つけたってところまででしたね。

このオオスジ君。居場所は底土の堤防の壁と岩に挟まれた隙間の部分。向こう側に貫通しているので、穴の中ではなく、トンネルの中で暮らしているような感じ。夫婦仲むつまじく、と言いたいところですが、もう1匹、同居人がおりました。セダカスズメダイのお父さん、セダカ君です。実は彼もイクメンで、壁に産みつけられた卵の世話をしていました。

育児方法は異なれど、体を張って子孫を守る、頼もしいイクメン・コンビだったわけです。お互いに育児をする男として、時には悩みを語り合い、助け合い・・・と言いたいところですが、サカナですから、そんなわけありません。それに、2匹ともハッピーになれない事情を抱えているようでした。

オオスジイシモチとセダカスズメダイ

セダカ君の悩みは、卵をねらって食べにくるウバウオ(和名はないの)軍団の襲来でした。卵が産み付けられている場所の、すぐ近くのクロウニの中に身を隠し、セダカ君がちょっとでもが外出すると、タタタタターッと出てくるのです。

ウバウオ

おかげで、セダカ君はご飯もろくに食べることができず、四六時中卵のことが気になって、気が気ではありません。卵を食べに出てきた姿を見つけると、猛ダッシュで戻ってきて、突っついてやろうと必死です。

セダカスズメダイ

何とかしてやっつけてやりたい、憎きウバウオ軍団。セダカ君は、逃げていくウバウオたちを追いかけ、顔にウニの針が刺さりそうです。

顔にウニの針が刺さりそうセダカスズメダイ

ちょっと、セダカ君はノイローゼ気味なのではないかと思われました。あまりにも激しくトンネルの中を出入りするので、時にはオオスジ夫妻に激突しそうになるほどでした。オオスジ夫人の方は、そんなセダカに突進して来られる度に、自分の亭主を邪険にするので、オオスジ君は、セダカ君と奥方の両方から突っつかれ、ほとんどトンネルの中にいることができません。

だから、私にとっては、撮りやすい状態だったのですが・・・。

特に私がカメラを近づくと、セダカ君がよりいっそう激しく動き回り、オオスジ夫人は旦那を追い出して自分だけ安全な場所に引きこもり。お気の毒ですが、私にとっては良い被写体だったのです。そして、あともう少し・・・というところだったのに。

2〜3日ぶりに潜った時。

オオスジ君は、忽然と姿を消してしまったのです。間が空いてしまったのは、別に、海が時化たからではありません。底土はずっと凪でした。オオスジ君の我慢の限界を超えてしまったのでしょうか?

不思議なことに、同時にセダカ君も姿を消してしまいました。ポツンとオオスジ夫人だけが残っていました。

一体、彼らに何が起きたのか・・・??

そんなわけで、イクメン観察が、妙なところで中断してしまったのです。

しかし、話しは、まだ終わったわけではありません。別の場所で、別のイクメンが奮闘していたのです。

その話しは、また来月のお楽しみ〜!!

" イクメン観察 その2 " へのコメント

  1. じゅんのすけ: 2011年8月2日 11:23 PM

    ウニが顔にぶっ刺さりそうなセダカ君、必死さが伝わってきます。
    結末まで知りたかった・・・

    疲れ切ったセダカ君とオオスジ君が、世捨て魚となって旅立って行く姿が見えるような。(んなこたぁないか)

  2. み: 2011年8月3日 8:05 AM

    写真だとわかりにくいんですけどね、ウニに向かって突っ込んでいく勢いがすごいんですよ。ウニの針の先でピタッと止まれる、急発進・急加速・急停止、かなり大変なんじゃないかと思います。絶対、少しは顔に刺さっているはず・・・と思わずにはいられません。針の太いウニだったから、少しくらい当たっても痛くはなかったのかも知れません。

水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

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