ガイドのつぶやき - 伊豆諸島・八丈島からThe Diving Junky Magazine

イクメン観察 オマケ

ゴンズイって知ってますよね?

あの「ゴンズイ玉」と呼ばれる玉のような状態になって、うじゃうじゃ群れている魚です。ダイバーだけでなく釣り人にもお馴染みです。ヒレに毒のある棘があるため、釣れてしまった場合には針を外さず、糸を切ってリリースします。外道の中でも、ちょっと腹立たしい魚です。そのことを知って、ダイビング中に手を触れないよう気をつけろと言う方がいらっしゃいますが、水中では、触ろうと思ったって、触れるものではありません。玉の中に手を突っ込んでも、ふわっと拡散して、すぐ別の場所で玉になります。

何かの文献で読んだのですが、体内から分泌するフェロモンで互いを引き寄せあって玉を作っているのだそうです。面白いことに、同じゴンズイなら誰とでも玉を作というわけではなく、別の場所にある2つの玉を合体させて大きな玉を作ろうとしても、それはできないのだそうです。つまり、幼魚時代から成魚になるまで、玉の中は同じメンバー。もしかして、皆さん兄弟なんでしょうか?

しかし、一生ずっと玉の状態かと言うと、一時解散する時期があります。

解散の時期になると、あちこちで単独のゴンズイが巣穴を作って守っている様子が見られます。巣穴の主はメスで、その巣穴にオスを誘い込むのだと教わったのですが、残念ながらオスとメスの見分け方がわかりません・・・。例えば、こちらの方は、確かにメスなんでしょうか??

ゴンズイ

これが例年もそれほど珍しくないのですが、今年は特に多く見られました。

そして、あまりにも単独のゴンズイが多く、こんな光景があちこちで見られるようになりました。一体、何をしているんでしょう??

頭突き合いをしているゴンズイ

2匹が激しい頭突き合いをしているのは確かです。

問題は、これがオス同士なのか、オスとメスなのか、はたまたメス同士なのか??

実は、これも何かで読んだ話しなのですが、ゴンズイはとても変わった産卵をするのだそうです。巣穴の中で、メスがオスの精子を口で受け取る??? とか・・・。それで、どうやって受精させるのか・・・?

初めてこの頭突き合いを目撃したとき、もしや、これがゴンズイの産卵の1コマか!?!?と思い、喜んでいました。本当ならビデオを撮りたかったところでしたが、カメラしか持っていないので、その瞬間を逃すまいと、ほとんど連写状態でシャッターをきり続けながら見ていました。しかし、これが産卵のための行為にしては、何だかとても殺気立っていて、頭突きが激しすぎるんです。しばらく見ているうちに、つきにガブッと。

・・・どう見ても、頭に噛み付いています。

頭に噛み付いているゴンズイ

他のサカナたちの求愛シーンでは、よくメスのそばで2匹のオスが口の大きさだの、ヒレの大きさを見せ合って張り合ったり、互いに噛み付きあって戦っているところが見られます。ゴンズイの戦いも、メスを巡るオスの戦いなのでしょうか?? それにしては、噛み付きあっている2匹のそばに、メスと思われる他のゴンズイがいない。いやいや、それよりも、一枚目の巣穴を守っているゴンズイ、メスだろうと思っているのですが、よく見ると頭の皮が剥けて白くなっているではありませんか。ということは、メスも噛み付き合いに参加しているということになります。

そのうち、海の中で見られるゴンズイたち、どいつもいつも、みんな頭が白くなっていっていきました。

一生を共に仲良く暮らしているもんだとばかり思っていたのに、一体何をしているのでしょうか??

弱りきったゴンズイ

そして、この解散の時期が終了すると、弱りきったゴンズイたちで、再び「玉」が再結成されるのです。

たかがゴンズイ、されどゴンズイ・・・。見れば見るほど、不思議な一生です。

外見でオス・メスが見分けられれば、イクメン観察ができるのになあ。

" イクメン観察 オマケ " へのコメント

  1. 18匹のパパ&ママ2011年10月1日 10:48 PM

    普段、何気に見過ごしているゴンズイにこんな深い謎があったんですね。
    この次、ゴンズイ玉を見かけたら、頭が禿げているかチェックしてみますね。

  2. み: 2011年10月2日 2:46 PM

    そうなんですよ。でも、毎年たくさん見られるというものでもないので、場所によっては観察できないかも知れません。玉になっていないゴンズイがいたら、千載一遇のチャンスかも。是非追いかけてくださいね!!

水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

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