ゆうすけと仲間達の輪「The Buddies」The Diving Junky Magazine

海を見たい。と

海を見たい。と、久しぶりの友人からメールがあった。

突然いったいなんだろう?まぁいいか。海ならJUN-Pも見たい気分だし、近場の海でのんびりお弁当でも食べて癒されるのもいいかもしれない。翌朝、愛車のパッソプチプチを駆り友人宅へお迎えに行った。待ちきれない様子の友人は外へ出て待っていたが、何やら大きな荷物を抱えている?えー!釣りっすか?海を見たい。って、、。釣りをしたいってことなん?先にゆーてーや。JUN-Pは秋のおしゃれブーツ姿なんすけど。。

釣りなんて、心の準備は出来ていないし、ブーツが汚れるやん。けれど、そこはNOと言えないJUN-P。行き先は?と聞くと「明石」とのこと。ではカーナビをセットして。友人と釣り道具とJUN-Pを積んだパッソプチプチはナビの言うがままに阪神高速へ上がった。ちなみにJUN-Pの車は阪急電車と同じマルーン色なのだ(ちょっと自慢)。だからといって特急ではない、各駅停車以下のスピードである。なにしろJUN-Pの運転スキルは小心者の典型で、一般道路の走行AVEが37キロ、高速道路のMAXは75キロ、それ以上アクセルを踏むと動悸がして苦しくなってしまう。隣に人を乗せていると、ちっぽけな責任感から動悸は倍増して、まったく生きた心地がしないのである。そんなJUN-Pの心を知らずに、ナビはすました声で、次、分岐、分岐、と、いい気なものだが、人はそんなに簡単に分岐できる生き物ではない。案の定、後方の車にあおられ、横のトラックにクラクションを鳴らされ、あっさりと分岐しそこなってしまった。あらぬ方向に流されうろたえるJUN-Pに、ナビは無情にも、出口の度に、降りろ、降りろ、と言ってくる。まさか、いったん高速道路を降り、また、上がり直して明石を目指せ!とでも言うのか?まったく、融通がきかないとはこのことだ。状況を理解して、臨機応変な対応が出来ないものか?ナビさん、もうアナタを信じられません。黙っていて下さい。海ならこのまま湾岸線を行けばいいと思います。ひたすら南下すれば、そしたら和歌山だから、海に着けると思います。

ほら、着いた!

ほ。

流れ着いた果ては、大阪府と和歌山県の境、多奈川小島という漁港であった。

近くには海釣り公園みたいな施設もあったけど、友人が目をつけたのは、船着き場の漁船と漁船の隙間。着いたのが昼過ぎだったので、既にいっぱい釣っている人がいてウハウハな感じのとこに割り込ませて頂いた。

バケツいっぱいに釣れているのは、ちっこい魚だ。どうやらアジ。なんと?海なら何処でも良かったらしい友人は、嬉々と用意をし始めた。竿に針がいっぱい付いていて、糸の先にカゴがある。そこにちっこいエビみたいなんをいれてアジをおびき寄せるんだとか。JUN-Pは釣りに興味はないし長旅でお腹がすていたので、サンドイッチを食べながら眺めていたら、まぁ、釣れるわ、釣れるわ。釣れるというより、まんまと引っ掛かってくれるみたいで、なんだか申し訳なさすら感じてしまう。けっきょくJUN-Pも、竿を貸してもらって何十匹かを釣って、すっかり名人気分になれた。

アジ

海の中をよく見たら、アジの群れがわんさか廻って来ているので、釣るよりも網ですくった方が一気に捕獲できるのに、と、思わないでもないが、釣りは、いちいち釣ったり外したりしなければ醍醐味がないらしい。そんなもんなんかなぁ〜?

漁港にはいろんな人達が居て、外海に向って釣っている人達は、おっきな鯛とかもゲットしていたし、ある二人組は、一人が釣り専門で、もう一人は釣った傍からアジをナイフで開いて板の上に干す係で、見事なコンビネーションを見せていた。しばらくして海から戻ってきた漁師のおっちゃんが「おー、ネーチャン、今日はハゲばっかりや!」と大声で笑いかけてきたのにはビックリしたが、カワハギって和歌山ではハゲと呼ぶことを思い出して、ほっとした。

とにかく、この日は大漁で、友人と山分けし、その上、ご近所さんに配ったりしても、数日はアジのおかずが続いた。皆さん喜んでくれたし、美味しかった。結果オーライとは、まさにこのこと。

海への道中はこわごわだけど、こんなに釣れるなら、また、行ってもいいかな〜。

JUN-P
JUN-P(仲 純子)

大阪在住ファンダイバー
職業:コピーライターとか

1994年サイパンでOWのライセンスを取得。

宝物はログブック。頁を開くたび、虹のような光線がでるくらいにキラキラがつまっています。

海に潜って感じたこと、海で出会った人達からもらった想いを、自分のなりの色や言葉で表現して、みんなにも伝えたいなぁ。。。と思っていました。そんな時、友人の紹介で雄輔さんと出会い、豪海倶楽部に参加させていただくことになりました。縁というのは不思議な綾で、ウニャウニャとやっぱりどこかで繋がっているんだなぁ・・って感動しています。どの頁がたった一枚欠けても、今の私じゃないし、まだもっと見えてない糸もあるかもしれない。いままでは、ログブックの中にしまっていたこと・・少しずつだけど、みなさんと共有してゆきたいです。そして新しい頁を、一緒につくってゆけたら嬉しいです。

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