期間限定 スペシャルトークThe Diving Junky Magazine

第65回

先日、北側のポイントで、ハコヤンに出会った!!

「ハコヤン」と言うのは、ハコベラとヤンセンニシキベラの雑種と思われる個体で、毎年、新しい雑種を見るものだから僕が勝手に簡略化して呼んでいる2つのベラの雑種の事です。

何か、ヤンキーぽい(?)、古き良き時代を感じさせる言葉に聞こえるのです・・・・・。

今年の8月号に掲載したハコヤンは相変わらず、別のポイントで観察しているのですが、ある別のポイントにいたのを、たまたま見つけたのです。

・・・・・・・で、フリーでカメラを持って入っていたので撮影を始めたのですが、プレビューを見ながらある事に気が付きました。

ハコヤン

見た目より体色が濃いのです。見た目は、今年の夏に見つけたこんな感じの子なんだけれども・・・・・

ハコヤン

写真で撮ると、明らかに濃いのです。・・・・・・、逆なら、解るんです。

ストロボを当てて青被りしてた色彩が表れたのなら・・・・、つまり濃い体色が明るくなったのなら理解できるんですが、「明るく見える体色が、光を当てて濃くなるなんて信じられな〜い!?」・・・・・なんです。

20年前、Nembrotha livingstonei というリュウグウウミウシの仲間をフイルムカメラで撮影した時に、黒い身体に鮮明な赤色の小さな斑点がいくつもあるウミウシを撮影したはずなのですが見当たらない。

当時は、ライトを当てずに撮影をしてた僕はフイルムを無くしてしまったのではと思いましたが、よく確認すると、ポジ内に茶色の身体に濁った赤茶色の小さな斑点があるウミウシを発見しました。

次の機会に再度撮ってみるとそれであった事が判明し、海中生物の持つ色彩の濃さや淡さにとても驚いたものでした。

・・・・・でも、逆は無しでしょう〜!?しかも、魚だし・・・・。

ただ、その種が雑種などではなく、1つの種として確立するまでには、生息していく環境などを考慮して体色も形成されていったのだと思うので、その遺伝子情報はもちろん、その環境や諸々の条件で、例え、同じ場所にいる魚の色が同じような赤色に見えたとしても、別種である限り、その生物の本来持つ色彩の濃さや淡さや質感の関係で、人工ライトを当ててみると、それは、まったく違った色彩に変化するかもしれない可能性は当然あると思うのです。

その種は(生物)の遺伝子は、決して、ダイバーからライトやストロボを当てられる事を考慮して、身体の色彩を形成しないでしょうから!?

・・・・・話が理屈っぽくなってしまいました。・・・・・・でも、逆はないと思うだよなぁあ〜!?

川本 剛志
川本 剛志

1965年4月3日生まれ
福岡県出身
ガイド会所属

久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。

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BY 編集部

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