色違い
先日、八丈島のガイド業に従事している人が数名、居酒屋さんに集まりました。その居酒屋さんの照明の効果もあったのか、日焼けした人は一層黒く、そうでない人は一層白く、とても差がはっきりして見えました。
皆、同じように海へ出かけている人たちなのに、こんなに差があるなんて面白いね〜なんて言っていたのですが、そう言いながらお互いの顔をよく見てみると、黒い人は島の西側に住んでいる人、白い人は島の東側に住んでいる人でした。ちなみに私は東側の人です。ちょっと黒いけど。東側に住んでいると朝日しか当たらないから日焼けしないのかなあって冗談言ったりしていました。
私たちの場合、色が白くても黒くても同じ日本人なのですが、魚の場合、色が違うと別種なのかカラーバリエーションなのか議論になってしまいます。ちゃんとわかってないのが多いですからね。
そんなのの一つに、モンスズメダイというのがいます。
八丈島では成魚は滅多に見られず、多い時でも幼魚ばかりです。ちょっと黒っぽいグレーの身体に黄色い尾びれが目印。タカサゴスズメダイと似て頬に傷の入ったヤクザのように見えますが、この尾びれの黄色が目印なんです。
ちょっと黄色が入るだけで、ずいぶんお洒落に見えますね。少し大きくなって若魚になっても、まだ綺麗。普通、モンスズメダイというと、こんな感じの色合いです。
ところが、ごくたまに、身体の青いモンスズメダイが現れるのです。単純に「青いモン」と呼んでいます。海の中で、これほど青が美しく見える魚は他にはあまり見られません。そのため、他の魚たちと一緒に群れていても、ものすごく目立ちます。グレーのモンスズメダイと同じとは思えないほど輝いています。
親方が出版した「スズメダイ」の本の中では、「モンスズメダイ タイプ2」として載せています。身体の青さが際立っているので、ついつい「青いモン」と呼んでしまっていますが、実は、あまり青くないものもいます。
身体の色合いには個体差もあるので、どちらかと言うとヒレの色の違いの方が決定的です。
普段よく見かけるモンスズメダイは黄色い部分が尾びれだけなのですが、「おおっ!?」と人目をひくタイプ2は胸びれ以外の全てのひれが黄色なのです。
八丈島では幼魚しか見られないので成長過程は途中までしか追えないのが残念です。
皆さんがよく潜っているエリアのモンスズメダイ、どんな色をしているのか、ちょっと見てきて頂けませんか?
水谷 知世
昭和40年代生まれ
兵庫県出身
一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
〒100-1511
東京都八丈町三根1364-1
Tel/Fax:04996-2-3539
バックナンバー
- 2017.12:ご挨拶の季節
- 2017.11:頑張れ!マイホーム
- 2017.10:秋の黒潮
- 2017.9:夏のカメ狂騒曲
- 2017.8:生き残る輩
- 2017.7:花吹雪
- 2017.6:一眼レフでワイド
- 2017.5:いまさら一眼レフ
- 2017.4:春の行方
- 2017.3:初モアルボアル その2
- 2017.2:初モアルボアル
- 2017.1:願い事
- 2016.12:夜のエビをコンデジで
- 2016.11:カメの甲羅
- 2016.10:ひまわり、たんぽぽ、すずめだい
- 2016.9:台風後のチョウチョたち
- 2016.8:水たまりの中で
- 2016.7:遅すぎたショータイム
- 2016.6:ベラ街道を行く
- 2016.5:バカンスは久米島で
- 2016.4:せかされた産卵ショウ(床)の準備
- 2016.3:3度目のパラオ
- 2016.2:その後のクジラ
- 2016.1:年末ジャンボの当たりはクジラ!
ガイドのつぶやき
- 三浦半島・葉山から
- 真鶴半島・湯河原から
- 伊豆半島・伊東から
- 伊豆半島・川奈から
- 伊豆半島・伊豆海洋公園から
- 伊豆半島・大瀬崎から
- 伊豆半島・平沢/静浦から
- 伊豆諸島・八丈島から
- 静岡・三保から
- 紀伊半島・尾鷲から
- 和歌山・串本/古座から
- 高知・沖の島から
- 鹿児島・屋久島から
- 沖縄・本島から
- 沖縄・久米島から
- 沖縄・西表島から