第75回
夏の暑さも和らいで秋の気配が漂っている久米島からです。さて、写真はフチドリハナダイの雄です。
先日、夏本番の産卵期のピークではないのですが、フチドリハナダイの産卵が、今一はっきりと解らないので確認しに行きました。
卵を広く分散させる為にだと思われますが、産卵は潮の当たり方も関係してくるので、午前中に、そのポイントでのフチドリハナダイのコロニーに潮流の当たる時間に合わせて潜った訳です。
ハナダイの仲間では、「産卵=夕方」っという定説みたいなものがあるのですが、ずっと以前に、豪海倶楽部の親分・吉野雄輔さんが話されていた事ですが、多分、キンギョハナダイの産卵が夕方だから、そういう風潮になったのかもしれません。
しかし、実は意外に夕方、つまり日没前に産卵するハナダイの仲間は、ここ沖縄・久米島で僕の認識ではさほど多くないです。
他のエリアとの環境差や条件差は当然あると思われますのでエリアによっての誤差はあると思いますが、ハナゴイやケラマハナダイ、フタイロハナゴイは日没前に多いのですが、アカネハナゴイやカシワハナダイは15時から16時頃に多く、ベニハナダイやスジハナダイ、ミナミハナダイ、スミレナガハナダイやこのフチドリハナダイは午前中に多いと言うのが僕の定説なのです。
定説と言うのは、その時間帯に、はっきりと認識出来るような白濁もある産卵行動を僕自身が確認出来ているからで、あくまで僕の定説なのですが・・・・(^^;)。
ハナダイの仲間は、深い水深の場所に棲息するものも多く、午後の3本目や産卵を見に行くサンセットダイブなどでは、なかなか行かないという事もあるのですが、それにしてもスミレナガハナダイの産卵を確認しようと他のハナダイが産卵している夕方や日没前に何度行っても、僕自身、未だに確認した事もないのです。
僕がハナダイの産卵を観察している幾つかのポイントでは、そのハナダイ達のコロニーに潮流が当たる時間帯が午前中の方が多いという地域的な条件もあると思いますが、他の要因の一つとして、それらのハナダイ達は太陽光が入りづらい深場に棲息しているので、産卵後も卵が見えづらく他の外敵に卵を食べられる確率が低い為に太陽が真上に来ていない午前中でも条件としては夕方とさほど変わらないのでは思っています。
全国のハナダイファンの皆さん、産卵を見かけたら、ぜひ、どのハナダイが何時どんな産卵形態(ペアなのかそうでないのか!?)だったかを教えて下さい。
情報が集まれば、一纏めにして発信しますから・・・・・・!!
さて、写真はフチドリハナダイの亜種、もしくは別種ではないかと言われている胸鰭は黄色ぽいタイプですが、産卵時も他のフチドリハナダイの雄と同様に同じ雌達(下写真)と産卵に励んでいるように見えます。
一つ目は、フチドリハナダイの雌の写真ですが、二枚目は性転換中のフチドリハナダイ・・・・・、いわゆるオカマ(正確にはオナベ)です・・・・・(^^;)。
外見上の事だけで、生態的には立派に雄のようで、しきりに雌にアプローチしてました。
この日は、生憎と白濁を確認出来るような産卵は確認できませんでしたが、雄はメタリックな本気の興奮色(婚姻色)を出して、雌にアピールしてました。
しかし、勝負パンツがメタリックとは・・・・・・・・( ̄▽ ̄;)!?
" 第75回 " へのコメント
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み: 2012年11月1日 6:50 AM
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川本: 2012年11月1日 2:45 PM
みぃさん、そうなんですよ!潮流が、かなり関係しているのですが、緩い潮でもきちんと当たっていれば良くて、久米島ではカシワハナダイの産卵は、僕が見ている限りでは15時半~17時ぐらいまでですね。興奮色は午前中でも午後でも出ますね!雌の排卵を促すためにちょっかい出す時にプチ興奮して出てると思っています。
川本 剛志
1965年4月3日生まれ
福岡県出身
ガイド会所属
久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。
沖縄・久米島
DIVE ESTIVANT
〒901-3108
沖縄県島尻郡久米島町比嘉160-69
Tel:098-985-7150
Fax:098-985-7151
川本氏へメールで申し込めば、代金先払い&送料着払いで送ってもらえるそうです。サインが欲しければこっちだね!(笑)
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八丈島でもキンギョハナダイは夕方ですが、カシワハナダイは日中に元気な婚姻色が見られます♪ 時間帯よりも、水温や潮流に関係がありそうな…めっちゃ潮が速い時に青光りしてブンブン飛び回ってます。