イカ好み
3月になると、八丈島ではイカ床の設置を始めます。昨年と一昨年は、イカ床を設置して、割と早い時期に産卵を始めました。さらに前の年は産卵らしきものが見られず、その理由はイカ床の設置時期が遅すぎたためではないか?という意見があり、一昨年から3月に設置しているのです。設置は、八丈島のダイビング事業者協会で、手の空いているガイド達が集まって行っています。しかし、今年は出現が遅く、4月中旬になってようやく姿を現し始めました。
今までは、島のことだけしか考えたことがなかったのですが、よく考えてみれば、イカ床の設置は八丈島だけのものではありません。伊豆半島の随所でイカ床の設置が行われている、というのは、話だけは聞いて知っていたのです。ところがフェイスブックをやるようになって、日本各地のポイントで設置されているイカ床の話題や、設置作業の写真や、設置されたイカ床の写真を見ることができ、急に興味が深まりました。
まず、各地のガイドさんの近況報告で載せている「今日は、イカ床の設置!!」のタイミング。これが、伊豆半島は、八丈島と比べると、ずいぶんと遅いのです。いや、八丈島が早いのです。四国も早めのようです。しかし、実際に早くしないと、産卵を見逃してしまうかも知れないのですから仕方がありません。八丈島は、産卵の開始時期が早いのです。
次に、産卵床に使っている木材の種類。八丈島ではサカキを使っています。神津島のガイドさんに尋ねたところ、やはりサカキ、他にササも使えるとのことでした。四国では、ウバメガシ、ない場合にはスギやヒノキを使うこともあり、場所によってはヤマモモの木を使っているそうです。所変われば床材も変わるのですね! 八丈島は、サカキは毎年大量に切り倒せるほど多い木ではないので、できれば他の木も使えないものか?と、今年はカポックも使ってみました。カポックはたくさん生えているだけでなく成長も速いので、いくらでも使えます。しかし、どうもアオリイカには気に入ってもらえなかったようでした。どうやら、木なら何でも良いというわけではないようです。
何とかゴールデンウィークには間に合って、大勢の皆さんにアオリイカを見て頂けそうな雰囲気です。私も昨年は写真をいっぱい撮って、このコーナーに載せさせてもらいました。今年も同じもの、というのではつまらないので、今年はムービーにしてみました。
4分程度のものです、是非、実物も見に来てくださいね。
水谷 知世
昭和40年代生まれ
兵庫県出身
一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
〒100-1511
東京都八丈町三根1364-1
Tel/Fax:04996-2-3539
バックナンバー
- 2017.12:ご挨拶の季節
- 2017.11:頑張れ!マイホーム
- 2017.10:秋の黒潮
- 2017.9:夏のカメ狂騒曲
- 2017.8:生き残る輩
- 2017.7:花吹雪
- 2017.6:一眼レフでワイド
- 2017.5:いまさら一眼レフ
- 2017.4:春の行方
- 2017.3:初モアルボアル その2
- 2017.2:初モアルボアル
- 2017.1:願い事
- 2016.12:夜のエビをコンデジで
- 2016.11:カメの甲羅
- 2016.10:ひまわり、たんぽぽ、すずめだい
- 2016.9:台風後のチョウチョたち
- 2016.8:水たまりの中で
- 2016.7:遅すぎたショータイム
- 2016.6:ベラ街道を行く
- 2016.5:バカンスは久米島で
- 2016.4:せかされた産卵ショウ(床)の準備
- 2016.3:3度目のパラオ
- 2016.2:その後のクジラ
- 2016.1:年末ジャンボの当たりはクジラ!
ガイドのつぶやき
- 三浦半島・葉山から
- 真鶴半島・湯河原から
- 伊豆半島・伊東から
- 伊豆半島・川奈から
- 伊豆半島・伊豆海洋公園から
- 伊豆半島・大瀬崎から
- 伊豆半島・平沢/静浦から
- 伊豆諸島・八丈島から
- 静岡・三保から
- 紀伊半島・尾鷲から
- 和歌山・串本/古座から
- 高知・沖の島から
- 鹿児島・屋久島から
- 沖縄・本島から
- 沖縄・久米島から
- 沖縄・西表島から