ヘビギンポ偏愛 – 外伝(1)
非常にご無沙汰しております!
記事を書くのは昨年の6月以来ですから、1年以上サボってしまった。。。(・・;
あれから日本初記録として標準和名がついたヘビギンポがいるのでご紹介。
ただこの「ヘビギンポ偏愛」シリーズは、1種につき1記事と決めており、現在vol.37まで進んでいるので37種を紹介した事になる。
その標準和名がついたヘビギンポは前に”赤ヒレ(クロマスク属未同定種)”として紹介したヘビギンポなので、今回は「ヘビギンポ偏愛 – 外伝(1)」という事で紹介する。
【モミジヘビギンポ】
前にヘビギンポ偏愛(37)で“赤ヒレ(クロマスク属未同定種)”として紹介したヘビギンポに今年5月、新しい標準和名がついた。
その名も「モミジヘビギンポ」だ。
このヘビギンポはずいぶん前から一部のダイバーの間ではよく知られていて、「赤ヒレ」というニックネームで呼んでいたヘビギンポ。
僕が把握する限りでは石垣島、沖縄本島などで割と普通に見られているようで、もしかしたら良く似ているヨゴレヘビギンポなどと混同しているダイバーも多いのではないかと思う。
今回、沖永良部島と沖縄本島の水深0.5〜1 mから8個体が採集され、それを元に標準和名が提唱された。
ちなみに新種ではなく、これまでフィリピンとマリアナ諸島のみに分布すると考えられていたHelcogramma aquilaだと同定されたので日本初記録ということになる。
これはこれまでの北限を1000 km以上更新したことになるみたい。
このヘビギンポはこれまで色の抜けたアルコール浸けの標本しか知られておらず、生時の体色が不明だった。しかしダイバーの写真などから、オスの婚姻色やメスの体色も明らかになった。
ダイバーの撮る写真はしっかり魚類分類学の役に立っているのだ。(^^)
写真提供:
沖縄ダイビングセンター 片野猛氏
原崎 森
(はらざき・しげる)
1970年8月26日生まれ
山梨県出身
八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。
鹿児島県・屋久島
屋久島ダイビングサービス もりとうみ
〒891-4205
鹿児島県熊毛郡屋久島町
宮之浦2473-294
Tel:0997-49-1260
http://mori-umi.net/
http://harazaki.net/
バックナンバー
- 2020.9:激しすぎる求愛
- 2020.8:14年経っても進展なしって。。。^^;
- 2020.7:夫婦で、親子で別種扱いされる魚たち(2)
- 2020.6:夫婦で、親子で別種扱いされる魚たち(1)
- 2020.5:海でも陸でも同じ習性(笑)
- 2020.4:自慢の出っ歯
- 2020.3:ヒドロ虫の図鑑
- 2020.2:「屋久島ならでは」の光景
- 2020.1:あけましておめでとうございます!
- 2019.12:20年前の曖昧すぎる記憶 – ピグミー発見時の顛末記
- 2019.11:今年のマイブーム被写体(^^)
- 2019.10:15年越しの日本初記録「ヤクシマダテイシモチ」
- 2019.9:屋久島は「ウミガメの島」
- 2019.8:ハナビラ ユキバナ
- 2019.7:そろそろ夏だね。。。
- 2019.6:平和過ぎる顔
- 2019.5:犯人は誰だ?
- 2019.4:まさかの5mm!! – ノンダイバーが驚くこと
- 2019.3:ノンダイバーに説明しても通じないこと。
- 2016.10:さぁ、TG4を持って海に行こう!(4)
- 2016.8:さぁ、TG4を持って海に行こう!(3)
- 2016.7:さぁ、TG4を持って海に行こう!(2)
- 2016.6:さぁ、TG4を持って海に行こう!(1)
- 2014.10:標準和名の重要性
ガイドのつぶやき
- 三浦半島・葉山から
- 真鶴半島・湯河原から
- 伊豆半島・伊東から
- 伊豆半島・川奈から
- 伊豆半島・伊豆海洋公園から
- 伊豆半島・大瀬崎から
- 伊豆半島・平沢/静浦から
- 伊豆諸島・八丈島から
- 静岡・三保から
- 紀伊半島・尾鷲から
- 和歌山・串本/古座から
- 高知・沖の島から
- 鹿児島・屋久島から
- 沖縄・本島から
- 沖縄・久米島から
- 沖縄・西表島から