ガイドのつぶやき - 伊豆諸島・八丈島からThe Diving Junky Magazine

初めての3ミリ

原稿の締め切りを過ぎた今頃になって、急になんだか涼しくなりました。秋雨前線がうろうろして、風向きがころころ、雨がじゃんじゃん降っています。そこに台風までできちゃって。

それにしても、今年の夏は暑かったですね。私は実家が埼玉なので、埼玉で地震や気象の注意報や警報が出ると携帯にメールが来るように設定してあるのですが、毎日のように熱中症に対する注意を呼び掛けるメールが来ていました。家に電話すると「外に出ると暑さで気分が悪くなったり頭が痛くなったりするので、用事があっても出かけられない」と母が嘆いていました。

私が八丈に来たのはそれほど昔ではありませんが、その頃は「八丈島ってめったに30℃を超えることがないし、朝晩は風が涼しいからクーラーいらず」と言っていたのに、今年は32℃を超える日が数日、夜中も暑苦しい日が何日か続きました。

日中は紫外線が強く、素肌に直射日光が当たると、なんだかチリチリと感じます。テレビで見る、砂漠で生活をしている人たちのように、ふわっと全身を覆うような服装でないとダメなんじゃないかしら?と思ってしまいました。

おまけに海水温も高く、31℃まで上がり、今でもだいたい28〜30℃。ぬるめのお風呂みたい。

実は、今まで夏でもロクハンのワンピースで過ごしてきたのですが、ついに今年は耐えられなくなりました。特に講習や体験ダイビングでは、波打ち際でブリーフィングをしている最中に熱中症で倒れそうです。思わず、古いロクハンを引っ張りだして、自分で袖を切り落としノースリーブにしてしまいました。

しかし、それではあまりにもみすぼらしいので、急きょ夏仕様のウェットスーツを新調。どうせなら…と、生まれて初めて3ミリで作ってもらいました。しかもノースリーブ。下には長袖のラッシュガードを着て、快適そのもの。

関東、東海近辺の海水温の情報は、神奈川県水産技術センターが毎日発表しています。

8月28日の速報を見ると、八丈島だけでなく、広い海域で30℃…地図が真っ赤に染まっています。

関東、東海近辺の海水温

このままだと、まだサンゴやイソギンチャクが白化するのでは?と心配していたのですが、たまに冷たい潮が入ってくることもあるので大丈夫そうです。

それでも、年々南国化してきそうな八丈島。季節もののイロブダイの幼魚も、昔と比べてずいぶん成長するようになりました。ちょっとでも大きくなると、なんだか可愛くなくなってしまいますが、今年はどこまで成長するのか? ちょっと楽しみでもあるのです。

イロブダイの幼魚

水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島
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