いい季節がやってきた
今日は快晴。空と海が青い。夏の雨季に入る前、パラオは乾季で最高のコンディションとなる。ちょうど今がその辺り。今年はラニーニャの影響で台風がまだ一つも出来ていない。台風が来ないと海が混ざらず、それはそれで問題だけど、おそらくこの素晴らしい天気は6月末くらいまで続くハズ。
今年の前半は雨不足の水不足で国家非常事態宣言が出るほどパラオは水に困った。どの家も水道が出るのは朝と夕方2時間づつの計4時間。僕も家の水が出ないので適当に桶に溜めたりして凌いでいた。まあ体は海に入るし、夕方に水浴びるので何とかなる、とタカをくくっていた。
しかし水が出ないのはやはり不便なもので、少しずつ毎日の生活が水の出る時間中心になっていった。つまり、水の出る時間に基本生活をするのである。ご飯を作る、食べる、食器を洗う、は当たり前。同時に洗濯とシャワーと掃除など、水を使う可能性のあることはすべてその間に行わなくてはいけないから大変。2時間という時間はあっという間に過ぎて、次のチャンスは10時間後となる。やり切れればこれ以上ない達成感を感じることができるが、途中で水が止まったりするとそれはそれは気持ちが悪い不達成感に打ちのめされるのでした。
そんな大変な水不足だったので長期化するのかと思いきや、さすが飽きっぽいパラオ、5月に入ってから急激に雨が降り出した。その降水量は例年の3倍だったそうだ。あっと言う間にダムには水が溜まり宣言は解除された。それにしても今年はおかしな天気だったなぁ。
そんな天気のおかげで、ここ数日は風が弱く海況がとてもいい。風が弱いと水面に波がたたず鏡のようになる。いわゆるベタベタの状態ってやつだ。こういうときはPLフィルターをかけないと水面が光ってしまってテッカテカな写真になってしまう。フィルターを付けて水面を撮っていたら、ハシナガイルカのコロニー脇をボートが通過した。ボートの波遊びが好きなハシナガはすぐに寄ってきて我先にと舳先の波に乗ろうと遊ぶ。PL付けてたのに水面が光ってしまったのはご愛敬。ゲストと一緒にキャッキャ言いながら写真を撮った。
パラオにいい季節がやってきた。どうか夏までこのままで。
秋野 大
1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身
ガイド会所属
パラオ在住25年。パラオ現役ガイドで最古参。「データ」が大好物で、なんでもかんでもすぐに分析したがる「分析フェチ」。
だいたいの魚は好きなのだが、やっぱりブダイのことだけは苦手。とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。
洋酒より焼酎。肉より魚。果物と酸っぱいものは見て見ぬふりをする。最近甘党。人生ビール党。
ミクロネシア・パラオ
DayDream PALAU
P.O.Box 10046 Koror Palau 96940
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