カメの甲羅
やっと認知度が上がってきたかと思うのですが、八丈島ではアオウミガメがいたるところで見られます。
ダイビングをしない人でも、海水浴やシュノーケリングでも見られます。
もちろん、八丈島を訪れた人たちは、海でカメに出会えれば大喜び。サークル合宿でやってくる学生ダイバーも大喜び。
多い時では1ダイブで20個体以上見ることができることさえあります。
そんなダイビングの後に「次のダイビングはどうします?」とリクエストを伺うと、「次もカメで!!」とおっしゃる方がいるほどアオウミガメは永遠のアイドルです。
八丈島のアオウミガメは、怖いくらい大きなものから、とても可愛い小さいサイズまで、根の上で海藻を無心になって食べていたり、中層をのんびり泳いでいたり、根の隙間に頭を突っ込んで寝ていたりと、いろいろです。
ダイバーが周りを取り囲んで、ぱちぱち写真を撮っても意に関せず。
「八丈島のカメって、どうしてこんなにフレンドリーなんですか? 全然逃げないですよね??」と聞かれますが、理由はよくわかりません。
昔、昔、島の人にとってカメは大切な食糧で、私が八丈島に来た頃には居酒屋のメニューにカメ料理が載っていました。
しかし、ものすごく美味しいというわけでもないので人気もなく、食糧だって他に豊富に手に入るようになり、カメを取って食べる人はいなくなりました。
カメは食べるものではなく、愛でるものになったのです。そんな人間の勝手な事情を、もしかしたら察知しているのかもしれません。
このカメの甲羅、八丈島に黒潮が当たっていて水温が高い時期が続くと、とても綺麗な状態が保たれます。
ところが冷水塊が当たって水温の低い時期が続くと、あっと言う間に藻で覆われ、もしゃもしゃのヌルヌルになってしまいます。アオウミガメ自身が動かなくなってしまうせいもあるようですが、お掃除部隊の人手が減ってしまうせいもあるようです。
実はアオウミガメは、人間だけでなくサカナたちにも愛されています。
根の隙間に入って寝ていると、いろんなサカナたちが集まってきて、甲羅をお掃除。よくレンテンヤッコがついばんでいるのを見かけますが、この日はノコギリヨウジたちが集まっていました。
ノコギリヨウジなんて、普段はすぐ暗がりに引っ込んでしまって写真なんて撮れないのに、今日はみんなカメの甲羅掃除に夢中のようでした。
目が覚める頃には、つるつるぴかぴか?
さぞかしさっぱりしていることでしょう。
水谷 知世
昭和40年代生まれ
兵庫県出身
一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
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