ガイドのつぶやき - 伊豆半島・伊豆海洋公園からThe Diving Junky Magazine

先月(2月)の話題

皆さんこんにちは。まだまだ寒い日もありますが徐々に春らしい温かい日も増えてきました。伊豆の桜は河津桜がほぼ終わり、現在大寒桜が丁度満開を迎えているところです。今月末には染井吉野も咲き始めることですし、是非花見がてら伊豆の海にお越し下さい。

さて今月のコラムは前回と同じようにここ一ヶ月の海での話題を、あくまで私・個人的な視点になってしまいますが、魚やその他の生物たち諸々取り混ぜて御紹介しましょう。

ミナミフトスジイシモチ

ミナミフトスジイシモチ   2月1日 於:伊豆海洋公園

季節来遊のイシモチ類(テンジクダイ科)は毎シーズン各種見られますが、色合いが地味なのと岩陰に単独でいることが多いためか、あまり見つからずご紹介する機会が少ない種類です。オオスジイシモチなどの温帯種と見比べるのも興味深いテーマなのですが・・。

ヒトデヤドリエビ

ヒトデヤドリエビ   2月3日 於:伊豆海洋公園

このエビも季節来遊ものですが、これまで年末に水温が下がり始めると早々に姿を消してしまい、記憶している限りでは頑張っても12月半ばぐらいがせいぜいのような気がしていましたので、2月まで居てくれたのはこれまでで最長不倒になるのではと思います。

ツリディラ・バイエリ

ツリディラ・バイエリ   2月6日 於:伊豆海洋公園

ミドリガイ系のウミウシはこの時季各種数多く出現しますが、たまに定番以外のこんな珍しいものが現れることが・・。ハナミドリガイだと思い込んで撮っていて、あとで写真をよく見たら“ハナ”には無い蛍光ブルーの斑点があり、初めての出逢いとなりました。

クマドリカエルアンコウの幼魚

クマドリカエルアンコウの幼魚   2月8日 於:伊豆海洋公園

今シーズンは人気者のクマドリがエリア内の近場で複数個体現れ、しかも長期間居てくれてダイバーを楽しませてくれました。我々ガイドにとっても大変ありがたい存在でした。この欠伸をするような仕草は捕食する時のための顎の準備運動とも言われています。

ヒラメの部分黄化個体

ヒラメの部分黄化個体   2月9日 於:伊豆海洋公園

数年前から話題になっていた黄金ヒラメが一時姿を見かけないな〜と思っていたら、どうやら一旦ほぼ正常な色に戻り、再び部分的に黄色に変色し始めたようです。別個体の可能性も無くはないのですが、現地ガイドの勘で同一個体と言い切ってしまいましょう。

ミスジスズメダイ

ミスジスズメダイ   2月13日 於:伊豆海洋公園

ミスジリュウキュウスズメダイ(伊豆に出たことは多分無いでしょう)によく似ていてよく間違えられます。ミスジリュウキュウやフタスジリュウキュウのように群れることはなく、やや深い転石の周りに大抵単独で棲んでいてなかなか出会うことの無い種類です。

スミツキベラの幼魚

スミツキベラの幼魚   2月13日 於:伊豆海洋公園

季節来遊系のベラ類の中では本種を含む同属(タキベラ属)の数種類は比較的寒さに弱い印象があり、2月の半ばまで見られるのは異例のことかもしれません。生息環境から類推して他のベラ類のように砂に潜って暖をとることは殆ど無いのでは、と思っています。

アカネコモンウミウシ

アカネコモンウミウシ   2月21日 於:伊豆海洋公園

この手のド派手系ウミウシは逢えると嬉しくなりますね〜。今回見つけたのは全長1.5cm程度の小さめの個体で、たまたまクマドリカエルの脇にいたので運良く気が付いたようなものの、通常なら見逃していたことでしょう。クマドリ君のお陰です。ありがとう。

横田
横田 雅臣

1961年11月生まれ
神奈川県横浜市出身

ダイビングとの出会いは学生時代。在学中に伊豆海洋公園ダイビングセンターにアルバイトに来たのがきっかけで卒業後同センターに就職、インストラクター・ガイドとして10年の勤務の後、1994年に独立しGO TO THE SEAを開業、現在に至る。

伊豆半島・伊豆海洋公園
ダイビングサービス GO TO THE SEA

〒413-0231
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