続・いまさらTG-4
先月は「TG-4の顕微鏡モードは被写体から離れて撮ろう!」というお話をさせてもらいました。
ものすごく近寄ってもピントが合う顕微鏡モードですが、ストロボの光が被写体全体に当たった明るい写真を撮りたいなら、むしろピントが合う範囲内ギリギリまで遠ざかって撮った方が良いというお話です。
それをウミウシフィギュアを使って机上で説明し、今月はいよいよ水中撮影を実践…という予定でした。
しかし、その前に。
つい先日、ゲストとお話ししていて、気になったことがあったので。もう少しだけ、ウミウシフィギュアでお話しさせてください。
先月、ウミウシフィギュアは、机の上に置いて撮影しました。
でも本物ののウミウシは、海の中で机の上にいるはずがなく、机のような平らな場所にいるとも限りません。八丈島は火山が噴火してできた島ですから、水中の地形もダイナミックです。
ウミウシは、水底や岩の上を這っていることもありますが、垂直に切り立った壁に付いていたり、オーバーハングやくぼみやアーチの天井に逆さに張り付いていることもあります。
それをこんな風に撮ってしまうと、被写体から遠ざかる努力をしても、ストロボの光は全体にあたりません。
TG-4のストロボは、カメラの上端についています。そのストロボを壁や天井にひっつけた状態で構えて撮ると、光が遠くまで届かないのです。
水中でウミウシを撮ると、こんな風に手前だけが明るく、背景は暗くなります。
もちろん、こういう写真の方が好きだわ!と思うのでしたら、それはそれで構いません。
でも、例えばこういう写真が撮りたいとすれば?
答えはとっても簡単で、ただカメラの向きを逆にすれば良いのです。
カメラが逆さになると利き腕でシャッターが押せなくなるので撮りにくいかも知れませんが、それは自分で何とかしてください。
要は、カメラを被写体から遠ざけるのは、ストロボの位置を被写体から遠ざけたいからなのです。
これはTG-4に限った話ではなく、他のカメラでも同じです。ストロボの位置が離れれば離れるほど照射範囲は広がります。
さて、ここでやっと実践編です。
被写体はこちら。ズームをかけていない水中マクロモードで適当に撮ると、こんな感じのユビウミウシの近似種です。
これを顕微鏡モードで撮ると、こんな感じ。
半分くらいズームして撮り、編集時に少しトリミングしています。
せっかくですから、ここでもアートフィルターで遊んでみました。
適当にズームして撮っていますが、編集はリサイズしかしていません。
ちょうど八丈島は冷水塊で、ウミウシがどんどん増えていきそうな雰囲気です。
しばらくは顕微鏡モードが大活躍かな〜?
水谷 知世
昭和40年代生まれ
兵庫県出身
一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
〒100-1511
東京都八丈町三根1364-1
Tel/Fax:04996-2-3539
バックナンバー
- 2017.12:島の祭り
- 2017.10:天空の道
- 2017.9:花火の写真
- 2017.8:光るキノコの風景
- 2017.7:水無月のお出かけ
- 2017.6:星空ランキング
- 2017.5:八丈島の夜
- 2017.4:続・いまさらTG-4
- 2017.3:いまさらTG-4
- 2017.2:2度目の写真展
- 2017.1:山男の仕事
- 2016.12:降るのは雨の八丈島
- 2016.11:モノクロ八丈
- 2016.10:ハイビスカス
- 2016.9:スマホで花火
- 2016.8:お願いポケモン
- 2016.7:スマホでワイド
- 2016.6:スマホでマクロ
- 2016.5:夜遊び
- 2016.4:ブダイの旅
- 2016.3:次はベラとブダイ
- 2016.2:いまどきの水族館
- 2016.1:新年は「みんなの写真展」
- 2015.12:八丈富士の山男
ガイドのつぶやき
- 三浦半島・葉山から
- 真鶴半島・湯河原から
- 伊豆半島・伊東から
- 伊豆半島・川奈から
- 伊豆半島・伊豆海洋公園から
- 伊豆半島・大瀬崎から
- 伊豆半島・平沢/静浦から
- 伊豆諸島・八丈島から
- 静岡・三保から
- 紀伊半島・尾鷲から
- 和歌山・串本/古座から
- 高知・沖の島から
- 鹿児島・屋久島から
- 沖縄・本島から
- 沖縄・久米島から
- 沖縄・西表島から