ジメジメ・ドロドロ!?な梅雨の物語
雨の日が多い季節になりましたね。
ジメジメした日はつづきますが、あじさいの花がまた一段と綺麗で季節を感じます。
この時期を抜けたらようやく夏が始まりますね。
大瀬崎の海はゆっくりと水温が上昇してきて動きが活発になってきている生き物が沢山です。
昨年ひたすら、追いかけたホンべラやカミナリべラなどのベラ類の産卵は常に見られる状態が続き、岩の間ではマツバスズメダイなどのスズメダイの仲間が卵を張り付けるように産卵するシーンやネズッポの仲間やカレイの仲間は砂地でペアになっている姿も頻繁に見られます。
そして今回は、6月に入ってから私がひたすら追いかけている魚にスポットを当てていきたいと思います。大瀬崎の湾内では普通に見られる魚のハオコゼ。
日中はそこまでウロウロと動かなのですが、今の時期のハオコゼ達は夜になると繁殖行動を行うため、こんなに行動するのか!というくらい出歩きまわります。
動きまわるのは少し体の大きい雄で雌の方まで鰭を使い歩いているような感じ移動していきます。私が見た個体は最初は2匹で雄が雌にアタックをしていました。
このまま問題なく産卵にまで持ち込むのかっ!と見ていると急に横から別の個体が割り込んできました。
2匹の邪魔をするような感じで別の雄が割って入ってきたのです。
急に割り込んで入ってきた雄にびっくりしたのか、慌てて、枯れた海藻の中へと雌が入っていってしました。今まで求愛してた雄は雌に枯れた海藻の中に向かい再びアタックをするも「今日はそんな気分じゃなくなったの!!」みたいな感じで威嚇され、周りをウロウロしだしました。
当然、数十分その個体たちはウロウロはしていたのですが、その晩の恋は終わったようでしたね。
また、その日に別ペアを見つけました。
ひたすら、求愛している雄がいたのですが、雌は無視を続けていました。
残念ながら雄は諦めましたが、スタスタと別のところに行くのです。
実はすぐ近くには別の雌の姿があり、「えっ!?」っと思いカメラを向けてファインダーを覗きました。
すると、すぐさま近づいて求愛を始めたと思った瞬間には産卵浮上していきました。
結局は誰でもいいのか!っと突っ込みを入れたくなりましたね。
魚の世界はドロドロの恋は知っていたのですが、一晩でのこれだけのドラマが見られるとはですね。
魚のパパラッチで、おススメですよ!!っとは言えないですが…夜の海でこんな生態行動する生き物達を観察して行くと面白いですよ。
堀口 和重
1986年5月22日生まれ
東京都中央区出身
専門学校で海洋生物の勉強をしながら伊豆の海でダイビングを始める。
卒業後、2年間鹿児島県の屋久島でガイドをスタート。その後どうしても、大瀬崎で働きたく伊豆の海へと戻ってくる。
現在は大瀬館マリンサービスのチーフインストラクター。
伊豆半島・大瀬崎
大瀬館マリンサービス
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