夏のカヤンゲル
先日、カヤンゲルに潜りに行ってきた。
僕がパラオに来てから20年が経つが、8月にカヤンゲルに来たのはおそらくこれが初めて。夏は貿易風が弱まり反対の南西の風が吹くことが多いため、外洋の外れにあるこの場所にはオイソレとは来ることは出来ないのだ。
しかし、今年は風の弱く(もちろん吹く日もありますが)海面のコンディションが良い日が多い。
大瀬崎でサービスを営んでいる先輩からの紹介のゲストから「カヤンゲルに行きたい」と言われたのは半年前ほど。夏の天気なんて読めないし、なにも確約出来ません。と言い続けて来た。
ゲスト到着の数日前から風が落ち着き始め、約束のその日、海況はベストに近い状態になった。神様に感謝をしながらボートを北へと走らせた。
途中、スコールはあったものの、島に着く頃には青空が回復し素晴らしい天気。
このゲストは9年前、写真でカヤンゲルの風景を見て一目惚れしたのだそうだ。しかしそれからはなかなかチャンスがなくパラオへ来れなかったのだそうだ。
ボートを降りてビーチへと上がる。「うわあ・・・本当に凄いな・・・」と言うゲストの言葉。
他に聞こえる音はアジサシの鳴き声、そして小さな波の音だけ。丁度 干潮の時間と重なり、長いビーチは更に長く青い海と空の中に白い帯を作っていた。自信をもって今日ここにご案内出来たことが本当に嬉しくなった。
「圧倒的な綺麗さでしょう?」と問いかけた僕に、「9年間ずっと来たかったんです。この場所に。」そのゲストが口にした言葉になんだかちょっとグッときた夏のカヤンゲルだった。
秋野 大
1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身
ガイド会所属
パラオ在住25年。パラオ現役ガイドで最古参。「データ」が大好物で、なんでもかんでもすぐに分析したがる「分析フェチ」。
だいたいの魚は好きなのだが、やっぱりブダイのことだけは苦手。とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。
洋酒より焼酎。肉より魚。果物と酸っぱいものは見て見ぬふりをする。最近甘党。人生ビール党。
ミクロネシア・パラオ
DayDream PALAU
P.O.Box 10046 Koror Palau 96940
Tel:680-488-3551
Fax:680-488-2199
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