ローガンズとウミコチョウ
水温が例年よりも高いせいか、昨年からトウモンウミコチョウがよく見られる。
ウミコチョウの仲間の中では大きい方だが、20mmもある巨大サイズもいるので、何気なく海藻に似たカイメンを見ただけでローガンズの私でも余裕で見つけることができる。本当だったらとても珍しい種なのに、こんなに見られてしまうと、もはや普通種だ。
たくさん見つかると少しありがたみが減ってしまうようだが、色彩が奇抜なのでゲストの受けはとてもよく、見つければ必ず紹介するウミウシのひとつである。
人気のあるウミウシが、みんな大きなサイズだと良いのだが、世の中そんなに甘くない。できるだけたくさんの種類のウミウシを見たいと思えば、数mmのものまで探さなくてはならない。
ローガンの眼で、どれだけ見つけることができるか? もう眼で探すことには限界があるので、経験と勘、心眼で探すことになる。その経験と勘を研ぎ澄まし、心眼を鍛えるのに役立つのがウミコチョウの仲間たち。
トウモンウミコチョウ以外はみんな小さい。5mm前後が主流かな。5月に入ると、いろんなウミコチョウの季節がやって来る。まずはこのウミコチョウ探しで小さいウミウシが見つけられるかどうか試すわけだ。
心を静め、じっと水底を見つめると・・・オレンジ色の粒を発見!
今年も大丈夫。まだまだ衰えてないみたいだ。
加藤 昌一
横浜出身、獅子座
昭和30年代生まれ、気分は昭和50年代
1992年にレグルスダイビングを設立する。フィッシュウオッチングの草分け的存在。
飽くことなく潜り続け、水中生物は分け隔てなく撮り集めているため、膨大なフォト・ストックを有する。
ガイド業も第一線で活躍しているが、写真家としても注目され、「エビ・カニガイドブック」「ウミウシ 生きている海の妖精」「スズメダイ」「海水魚」を出版する他、さまざまな水中写真を図鑑や雑誌に多数提供している。
水中生物だけではなく、陸の生き物も大好き。特に爬虫類が大好き。
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
〒100-1511
東京都八丈町三根1364-1
Tel/Fax:04996-2-3539
バックナンバー
- 2020.12:ガイドの楽しみ
- 2020.11:生態写真に点数を付けたら、負けてしまったという件
- 2020.10:常時携帯
- 2020.9:告白
- 2020.8:圧を感じたい時もある
- 2020.7:拍子抜け
- 2020.6:対象物と寄り
- 2020.5:しばらく振りのお魚さん
- 2020.4:ウミウシは続くよ、どこまでも
- 2020.3:先が見えたら・・・
- 2020.2:メガネと透明度
- 2020.1:改訂版のウラ話
- 2019.12:訂正のタイミングと一発勝負
- 2019.11:人間も騙される凄い奴
- 2019.10:「旬を逃す」 それステータス
- 2019.9:体験ダイビング中の楽しみ
- 2019.8:訂正
- 2019.7:羊
- 2019.6:毎日少しずつ
- 2019.5:ローガンズとウミコチョウ
- 2019.4:60マクロレンズと105マクロレンズ
- 2019.3:オヤジ撮り
- 2019.2:被写界深度との闘い
- 2019.1:経験と勘
ガイドのつぶやき
- 三浦半島・葉山から
- 真鶴半島・湯河原から
- 伊豆半島・伊東から
- 伊豆半島・川奈から
- 伊豆半島・伊豆海洋公園から
- 伊豆半島・大瀬崎から
- 伊豆半島・平沢/静浦から
- 伊豆諸島・八丈島から
- 静岡・三保から
- 紀伊半島・尾鷲から
- 和歌山・串本/古座から
- 高知・沖の島から
- 鹿児島・屋久島から
- 沖縄・本島から
- 沖縄・久米島から
- 沖縄・西表島から