季節来遊系まだまだ
皆さん、こんにちは。今月も前回に引き続いて季節来遊系の特集です。
前回の“続々”では6月後半から7月でしたが今回の“まだまだ”は8月に見られた種類を御紹介します。
今年の8月は台風が立て続けに発生し、特に稼ぎ時のお盆の期間には10号に居座られて、当店のメインフィールドのI.O.P.は長期間に亘りクローズの状態が続き『凪のお暇』となってしまいました。
それでもお隣の富戸は一度もクローズになることなく皆勤賞で、我々ダイビング事業者にとっては強い味方でした。
“続々”にもたくさん登場してもらいましたが、定番で出ていなかったものや「こんなの出たらいいなぁ〜」という魚たちが満を持して出番を待っていました。
“まだまだ”では最後のウミウシ一種を含めた15種類をとくとご観賞ください。
次はそろそろ『あなたの番です』!
ツノダシ 8月1日 伊豆海洋公園
証拠写真程度の酷い画像ですがお許しを・・。このサイズ初見です。半透明で着底直後と思われますが、多分翌日にはしっかり色が付いて普通のツノダシになったことでしょう。
クログチニザ 8月8日 富戸ヨコバマ
よく似ているモンツキハギとは背鰭・臀鰭の後端と尾鰭との間に隙間が無いこと(尾柄部が不明瞭)で区別します。モンツキハギに比べ出現頻度が極端に低いです。
フエヤッコダイ 8月10日 富戸ヨコバマ
口先が極端に伸びた独特な形と鮮やかな黄色の体色で、逢えると嬉しい魚です。
ツノハタタテダイ 8月11日 富戸ヨコバマ
富戸では毎年のように出る定番ですが、I.O.P.ではほとんど見たことないです。
コクテンフグ 8月12日 平沢ビーチ
こ、こ、これは地味ですけど大物です。伊豆半島での観察例を聞いたことがありません。知り合いの紀伊半島のガイドさんも見たことないとのこと。紀伊・伊豆での過去の観察情報を御存じの方がおられましたら、是非コメントして頂ければと思います。
クダゴンベ 8月13日 井田ビーチ
沖縄や海外などサンゴ礁域の魚というイメージが強いですが、日本初記録はI.O.P.から。
キリンミノ 8月13日 井田ビーチ
東で見るものより体色が濃いような・・。環境の違いかサイズ(やや大きめ)なのか?
ヒメテグリ 8月14日 富戸ヨコバマ
地味ですがよく見ると美しい魚で、特にオスが背鰭を立てると見応えがあります。
ハワイトラギス 8月16日 富戸ヨコバマ
一度も行ったことがないのですが、太平洋のど真ん中に位置するハワイという場所には昔から密かな憧れを抱いています。名前にハワイが入るだけでスペシャルな感じがします。
ミナミハタタテダイ 8月17日 富戸ヨコバマ
11日のツノハタタテダイと同じく富戸の定番。毎年ほぼ決まった場所に出ます。
ミヤケベラ 8月21日 伊豆海洋公園
ベラ類はこれまで数多くの季節来遊系にお目に掛かっていて、出そうな種類はほぼ網羅されていると思っていたのですが、これは今シーズン初めて目にしました。
ニシキフウライウオ 8月24日 伊豆海洋公園
季節来遊系の中でも人気の高い魚です。一度出現すると暫く居てくれる有難い存在。
ヒバシヨウジ 8月24日 伊豆海洋公園
この魚は特に思い入れが深いです。1990年から2004年まで刊行されていたI.O.P.DIVING NEWSという雑誌の創刊号の表紙を飾った魚で、当時富戸で初めて出逢って以来なんと30年ぶりの再会でした。まだ大きめの幼魚ぐらいのサイズですが、大きく育ってほしい!
ヒレナガネジリンボウ 8月29日 富戸ヨコバマ
以前は専ら西伊豆でしたが、このところ毎年のように富戸に出現してくれています。
マダライロウミウシ 8月30日 伊豆海洋公園
以前海外(多分バリ)で見た記憶があり、殿塚さんのバリの図鑑で探したらありました。表記されていた学名から辿ると和名の付いている種類であることが判りました。
・・という訳で“続々”と“まだまだ”の対決は、数では20:15で“続々”が勝るものの、レアものや話題性のあるものが続出する“まだまだ”もなかなかの健闘で、甲乙付けがたく痛み分けの『ノーサイド・ゲーム』ということで・・・。
横田 雅臣
1961年11月生まれ
神奈川県横浜市出身
ダイビングとの出会いは学生時代。在学中に伊豆海洋公園ダイビングセンターにアルバイトに来たのがきっかけで卒業後同センターに就職、インストラクター・ガイドとして10年の勤務の後、1994年に独立しGO TO THE SEAを開業、現在に至る。
伊豆半島・伊豆海洋公園
ダイビングサービス GO TO THE SEA
〒413-0231
静岡県伊東市富戸912-29
Tel:0557-51-7878
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