人間も騙される凄い奴
魚についた寄生虫を食べてくれる掃除屋さん、ホンソメワケベラ。
この食性のおかげで、みんなから愛され、どう猛な魚たちからも襲われることがないので、食事に困ることがないだけでなく、無敵の防衛手段を備えています。
厳しい海の中で、こんな楽な生活を送れるだなんて。よし、姿・形をそっくりにして、自分も悠々自適に暮らしてやろう!
そんな輩が現れても不思議ではありませんね。そうです。それがニセクロスジギンポです。
さあ、どっちが、どっち? そっくりでしょ??
はっきり言って水中で見分けることができません。ちなみに私は分かります。プロのガイドですから。
上の写真がホンソメワケベラ、下の写真がニセクロスジギンポです。
違いは何か?って?? プロのガイドですから教えません。笑
まぁでも、図鑑や魚の本などで紹介されているので、ご覧になればわかるでしょう。
ホンソメワケベラとニセクロスジギンポ、成魚の姿が瓜二つなのは、よく知られていることなのです。
でも、幼魚は?? 調べてみてください。
成魚と比べて、あまり紹介されていない、写真撮られていない、ひょっとして知ってる人少ない。
ちなみに私は知っています。写真も撮っています。なんたってプロですから。
どっちかがホンソメワケベラで、どっちかがニセクロスジギンポです。
違いは何か?って?? プロのガイドですから教えません。笑
でも、上の写真がホンソメワケベラ、下の写真がニセクロスジギンポです。
それにしても人間まで騙してしまうニセクロスジギンポって凄いですね。
ホンソメワケベラに擬態し、無敵の防衛手段を手に入れ、近づいてくる魚の皮膚をウロコごとかじり取って食べて生きていくだなんて、人間の詐欺師だってびっくりでしょ。
人間も魚も騙されますが、ホンソメワケベラだけは騙されません。
自分たちのテリトリーの中にニセクロスジギンポを見つけるともの凄い勢いで追い払うのです。
彼らにはどうしてわかるんだろう。不思議だなあ。
加藤 昌一
横浜出身、獅子座
昭和30年代生まれ、気分は昭和50年代
1992年にレグルスダイビングを設立する。フィッシュウオッチングの草分け的存在。
飽くことなく潜り続け、水中生物は分け隔てなく撮り集めているため、膨大なフォト・ストックを有する。
ガイド業も第一線で活躍しているが、写真家としても注目され、「エビ・カニガイドブック」「ウミウシ 生きている海の妖精」「スズメダイ」「海水魚」を出版する他、さまざまな水中写真を図鑑や雑誌に多数提供している。
水中生物だけではなく、陸の生き物も大好き。特に爬虫類が大好き。
伊豆諸島・八丈島
レグルスダイビング
〒100-1511
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Tel/Fax:04996-2-3539
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- 2019.11:人間も騙される凄い奴
- 2019.10:「旬を逃す」 それステータス
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- 2019.1:経験と勘
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