南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

ペリリューの風景

ペリリューにはいろんな風景がある。最近は夕景とか星空の夜景を撮るのが僕のお気に入り。

太陽が沈んで空が焼ける頃、同じように水面も焼ける。実際には太陽が沈んでからの30分くらいがオイシイ時間。意外と勘違いされているのは、太陽が沈むまでと思われていること。実は本当の勝負は太陽が沈んでから。シャッタースピードを上げて写し止めたりしてみたがあまり面白い写真ではなかった。わざとシャッタースピードを落とし、少し流したほうが夕方のまどろみのような感じが出て好きな色になった。

ヤシの木は南の島の定番。とりあえず夕景にもどっかに入れておけばそれなりに絵になっちゃったりすると思う。とりあえず昼間とかに自分の気に入った場所を見つけておいて、時間になったら出かけていくのがいいみたい。空の色が変わり始めてから場所を探すのは至難の業だし、探している間に夕焼けが終わってしまうこともある。夕景は下見であるロケーションハンティング、通称「ロケハン」が命なのである。

星もその日の空の条件によって雰囲気が変わる。雲や大気の水蒸気、月齢や季節や撮影時刻etc、etc・・・。ある程度「撮り慣れ」が必要な相手かなと思う。基本的にシャッタースピードを開けっ放しにするバルブ撮影となるので三脚とリモートケーブル、そして虫除けは必須。デジタルならその場で見られるから簡単だけど、スチールの場合は使うフィルムによっても違うし、感度が変われば絞りも開放時間も変わる。どこかが変わるだけで随分印象のちがう写真に仕上がる。何度も撮り直しをしながら自分の好みに近い写真を作り上げていくプロセスが楽しい。

夕景はその日によって雲の形も空の染まり方もちがう。その違いを見ているのは面白いものだし、色合いが数秒ごとに変わっていく様はとてもドラスティックだ。そんなペリリュー島に、この号が更新される4月の頭に雄輔さんが来る。沖縄本島・本部の肇と伊豆・川奈の八木ちゃんもだ。3人にいったいどんなペリリューを見せることができるのか。どんな写真が撮れるのか今から楽しみで仕方がない。


秋野
秋野 大

1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身

カメラ好きで写真を撮るのはもっと好き。でもその写真を整理するのは大キライ。「データ」が大好物でいろんなコトをすぐに分析したがる「分析フェチ」。ブダイ以外の魚はだいたいイケルが、とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋性一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。日本酒より焼酎。肉より魚。果物は嫌い。苦手なのは甘い物。

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