デジタル談義 その2 | 豪海倶楽部 |
【ゆ】 | 今月から、こーすけさんにも、登場してもらいます。ユースケの書きまちがいじゃないっす。まずは、こーすけさんの、機材など紹介!! |
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【こ】 | 自分は2年弱前から、
今年頭からワイド用として
というセットで撮っています。あと陸上用に20Dと10本程度のレンズを用意しています。 で、自分は完全にアマチュアなんですが、先月号の「デジタル談義」を読みまして、少々突っ込みどころが目に付いたんで、ゆーすけさんにメールしてみたわけです。 |
【ゆ】 | 何回か、メールのやりとりをしていて、コースケさんが、まじにデジタルを研究?している方だと、わかりました。気軽にやるのもよしですが、もっと、よくなりたい、うまくなりたいと、思う人向けにいきます。 |
【こ】 | 銀塩とデジタル、どちらが優れているか、というような「不毛」な議論ではなく、これからデジタル一眼を水中に持ち込みたい人、フィルムからの移行したもののとまどっているかた向けに、「必要なもの」「ノウハウ」「発想の転換」などをお伝えできれば、と思っています。 あと、「写真をうまく撮る方法」とはちょっと離れたスタンスですね。デジタルならではの撮影方法などには触れていきたいですが。「フィルム→現像→銀塩プリント」から「デジタルデータ→パソコン→デジタルプリント」と変化しているワークフローにどう対処していくか、というあたりが中心になると思います。またカメラの特性の変化による撮影手法の変化なども。 そういったスタンスの対極として、カメラを直接プリンターにつないで印刷する、ということも今は簡単にできるわけです。 それはそれでありだと思いますが・・・。 |
【ゆ】 | 所詮、文ではニュアンスは伝わらない部分もあるので、大事な部分を読みとってください。難しい専門用語も、わかると意味のない部分ではないですが、もうワンステップよく知りたいと思う人は、どこに、注意してこれから見て、考えていけばいいのかだけでも、わかればいいと思う。 僕自身が、デジタルカメラの能力をわかってないので、自分で買った場合の注意点を知りたいわけですから。だけど、僕プロですから、20数年くってますし、デジタルデータとは、ずいぶん前から、印刷関係、プリントや広告で、最前線の人とつきあってますのでそれなりに、意見は言えるようになってきたと思います。 それから、僕の銀塩プリントは、うまい人に時には、特殊な作り方をしてもらってます。プロラボにだしても、そう簡単にいいのはできませんね。普通のプリント屋にだしてがっくりした人も多いでしょう。その点、プリンターのほうが、簡単にいいのできるというメリットもあります。プリントしたい人はネガで撮った方がいいんですけどね。ネガだと、オーバーにとっとくと、プリントできます。そういう意味で、露出の狂いに強いです。2段ぐらい平気だからね。 |
【こ】 | 現状すでに「フィルム→現像→銀塩プリント」から「フィルム→現像→スキャン→パソコン→デジタルプリント」へと部分的にデジタルに移行しているわけですよね。 ただ効率を考えると入力:アナログ・出力:デジタルよりも一貫してデジタルのほうがいい、というのは理解いただけると思います。もちろん効率が最優先する分野ではないんですし、入力装置としての銀塩カメラとデジタルカメラが同等でなければ、ですけどね。 またここを読めばすべてがわかる、というものではないですので、参考になる本やサイトは適宜紹介できれば、と思います。 とにかくまずここは読んでおいてください・・・ゆーすけさんも(笑)。2002年に書かれたとは思えないくらい今もって通じる内容ですし、考え方も自分とはほとんど同じですね。 |
【ゆ】 | 効率と質のばらんすですし、どっちか一つだけつかわなくちゃいけないわけでもないですし。昔、PKRとベルビアと並行してつかってました。KMまで……なかなか、よく書けてる文でした。 ただ、デジタルがいいなら、もう全部買い換えてます、僕。なんで世の中のプロが、買い換えないの? 理由はあるんですよ。ではなぜ買い換えるプロがいるの?それも理由ありですけど…。1番は業界全体のコスト、スピード、便利さですね。 ま〜そのへんはいいや、、アマの人だと、チビデジ育ちで当たり前って人と、フィルムから、変えた人、フィルム代かかんないだけでもメリットだしね。 ただ、難しいのは、一般のアマチュアの人になにが必要かです。これは、個人個人ちがいますので、自分にあてはめておくれ。デジタル知識が「写真をうまく撮る方法」と、将来リンクしないと意味はないですが。 |
【こ】 | まぁ、ゆーすけさんのように「メーカーの色がついていないカメラマン」のほうが少数派ですから(笑)。 |
【ゆ】 | 僕、ニコンには20年以上、超世話ななってますし、ペンタックスも個展で2回、キャノンも使ってるので、色だらけです。はは! |
【こ】 | これからいろいろと書いていくものをすべてそろえようとすると、プロでもいっぺんにはありえないくらいの 投資が必要になります。優先順位を自分なりに組み立てて構築していってください。 もちろん最終的にはすべてが必要、というわけでもありません。ちょっと待っていればもっと安くていいものが出てくる世界でもありますし。 |
【ゆ】 | このあたりはまず、次の問題に象徴されます。 モニターの問題 フィルムでも、色評価用のビュアーを使っている人は少ない。3〜4マン。ルーペもけっこういいかげん。これは、世間の写真うまいといわれる、カリスマガイドでもおなじです。それだけのせいじゃないですけど、結果として、オーバー目の人が多い。実は仕事してるとこでも、いいかげんなんだけど。プロ用に売ってる、大型の奴も、そういう意味ではダメですから…。 オーバー目の写真とかを、意識して撮ってる人は、もち、いいんですよ。 ルーペも安いのじゃ、いまいちです。1マンぐらいのがいいです。4倍でみてると、ピントあってても8倍でみると、ダメなのね。でもさ、4倍であってれば、捨てる必要はないかも、個人の考え方です。雑誌見開きでもきついけど、小さくならいける程度のもあるし…。 8倍でも、安いのじゃ、だめ。あと、目そのものが鍛えられるから、ずっとやってると、きびしくなる。 普通に売ってるビュアーは、暗い。色は白いのが多い。だから適正露出も、色もわからない。色評価用ってのは、ま〜印刷とか、プリントとかのために、業界のラインなわけです。 もっと、くわしくいうと、フィルムの性能を正しく引き出すための、明るさ(適正露出)などですね。 で、デジタルでいうと、、、、モニターですね。 |
【こ】 | まず、きちんとしなくてはいけないのがモニターの精度と調整なんです。同じデータがモニターによって違って見えること自体が最初の問題なんです。 みなさん結構、自分のモニターで見えているものが「正しいもの」と勘違いされているんですよね。何台か並べてみれば同じデータがたいていはすべて違って見えるんですけど。 未調整のノートパソコンの液晶モニターなんていうのはほとんどが論外で、ある程度以上のモニターをきちんと調整(キャリブレート)して初めて画像を扱えるものになります。 かつては液晶は駄目でしたが、今は決してそんなことはないようです・・・というより、ブラウン管(CRT)モニターの製造自体が極端に減っていて、ハイエンドのCRTモニターはどんどんカタログ落ちしていっているのが現状です。 ただ液晶とは言っても、ノートパソコンのものはまだまだ範囲外ですね。 まぁ、ブラウン管というものは巨大な真空管の一種で、アナログ機器以外の何者でもないですから(笑)。液晶モニターも現状ではまだまだ大部分がパソコンからアナログ信号を送ってますし。 |
【ゆ】 | プロの現場でも、ここ1〜2年で、液晶になりましたね。 |
【こ】 | また、突き詰めていけば、ビューワーの色温度管理と同じように、モニターだけではなく、環境光(室内の明かりですね)の色温度も管理しなきゃいけない、ということで、色評価用の蛍光灯なんかも実際に市販されています。色評価用のビューワーに使われているバックライトはこれと同じものでしょうね。特にプリントしたものを評価する場合は環境光の色温度管理は必須ですね。 |
【ゆ】 | これは確かにそうですが、印刷の色校正でも、そんな環境ばかりじゃないですけどね。実際本をみるのは太陽光だったり、蛍光灯だったり、いいかげんなわけですよ。 |
【こ】 | 自分の場合中心は自宅でのプリントですが(現在の家庭用ハイエンドプリンターは雑誌などの商業印刷(4色)に比べてはるかに色域は広いです)、モニターとプリントを一致させるためにモニターのキャリブレート(色などの調整)機器だけでも5万の投資が必要でした。自分にとっては満足の行く投資でしたが。 安上がりのキャリブレーションはこちらを参考にしてみてください。 で、その上できちんと調整したデータを、きちんとした姿でデザイナーや製版屋やプリント屋に出さないと、あるいは家庭用プリンターに渡さないと、モニター上の「絵」をそのまま「紙」に乗っけることは不可能です。(またこのカラーマネージメントには「フォトショップ」がある意味必須です) |
【ゆ】 | というわけです。フィルム用のビュアーなら、一般用でも、ま〜うるさいこと言わない人ならいいかな、とも思う。僕らは、例えば、他人のそういうビュアーで見ても、想像はできるので、アドバイスとかしやすかったんだけど…。 デジタルはな〜1台1台、ぶれかたもちがうし…。 例えば、自分がHPを作るので、好きな色に作っても、みんな見え方いろいろなんですね(涙)。 ま〜印刷だって、考えれば一緒だけど、、、ポジにくらべたら、普通相当おちますね。 そもそも、透過光でみるのと、ちがうわけだから、しょうがないけど、訳してるわけだし。 で、使えるモニターはいくら? これは、デジタル談義なんて読んでも、関係ない、、っておもわれそう。ま〜事実だけでもしっといてくださいな。役にたつこと、満載だから? |
【こ】 | 満載のはずですが(笑)。 ビューワーの場合は、極端に言えば全体の色味と露出が崩れて見えるだけですけど、モニターは部分的に色が崩れたり、コントラストが全く違ったり、ということも頻繁に起こり得ますから。 今、それなりにまともで、かつ大きな液晶モニターが10万円程度で買えるようになってきました。つまり15万円程度で、とりあえずモニター周りはいい感じになります。それをつなぐパソコンの問題がまだ残りますが。 フィルムでの露出、デジタルでの露出 >デジに移行してストロボはマニュアル調光っていうのが大方の現状ですし、 撮った画像がヒストグラム・白とび警告つきですぐに見れるデジタル、マニュアル調光で十分対応できるし撮影データすら要らんのじゃない?・・・というのが自分としげる君との意見の一致どころです。 |
【ゆ】 | う〜む、白飛び警告ってあるのですか?おしえて!! |
【こ】 | カメラ本体であれば、液晶のアフタービュー(撮った後に液晶に出てくる画像)に飛んだところが白くピコピコ点滅するんですが・・・10D・20Dの場合、アフタービューは3種類選べて、そのうちヒストグラムとの同時表示のパターンのみ白とび警告が出ます。 フォトショップにも同様の機能はありますし、さらにRGB別の画面にすれば、おのおのが飛んでいる(色が飽和している)ことがわかるようになっています。 |
【ゆ】 | こりゃ〜便利で、使いやすいかもな・・・てことは、ピコピコしたときに、ワンタッチで、1/2絞りとか、簡単に落とせるのがいいな。ストロボか? |
【こ】 | 自分の場合は、カメラ本体のダイアルとストロボのダイアル、どちらが操作しやすいか、という比較やら、やっぱり絞り値というのは作画意図の反映でしょ、という観点から 結局ストロボの光量を落としていますね、特にマクロでは。 |
【ゆ】 | といっても、データがあれば、結果の確認をするにしろ、はやく正解に到達できますね。 さて、ここで、大事な話ですが、じゃ〜適正露出ってなんだ?ってことですね。 前にも書いたけど、フィルム(データ)の性能を正しく引き出すための、明るさです。単純化すると、白が白でなくてはいけない。オーバーを白っておもってないですか? 白いTシャツには、白の生地の質感があるわけです。それぞれの白の質感が出てればいいと思います。で、白を押さえると、フィルムで撮ると黒は、つぶれちゃう場合もあります。だから白オーバーにしても、黒出したいときもあるわけですね。どっちを妥協するかの選択ですから、適正露出もいろいろ、あるわけです。 で、デジタルは直せるとおもってるでしょ、、そうでもないんですよね。あ〜〜字でかくと、難しい。ま〜Hpとか小さいやつとか、普通のモニター上とかでは、けっこうなおせるといえば、確かに、このレベルでは。 でも、そうでもないんですね。今印刷でもなんでも、ポジをデジタル化してやりますから確かに昔以上ですけど…。 |
【こ】 | 直せる範囲には限界はありますけど・・・実際に直していると、結局はまずきちんと撮らなくては、という結論にもなりますね。ハイライトの話しになると、デジタルだと白く飛んだものは階調が失われている、つまりそれをレタッチで暗くしてもその部分の質感は戻らないわけですよ。 のっぺりとした灰色になるだけ。階調が残っているものなら、暗くしていっても階調が残るので、質感が保たれるわけです。このあたりはデジタルでもフィルムでもまったく同じですよね。 ただ面白いのが、jpegでそのままでいいとする場合と、レタッチ前提では露出や彩度・コントラストの設定はかなり違ってくるんですよ。レタッチ素材としては彩度・コントラスト・シャープは比較的押さえなくてはいけません。(レタッチの段階で例えば「高彩度のものの彩度を抑える」ことは「低彩度のものの彩度を上げる」ことに比べて劣化が激しくバランスが崩れやすいんです。) 露出はとにかく「飛ばない、かつ、つぶれない」ようになんですが、デジタルの場合「暗部の階調は豊富だけど、明部の階調は貧弱」というのも事実ですね 。たから安全策は「アンダーめ」。 また、コントラスト・彩度・シャープが高い画像って、ぱっと見、きれいに見えるんですよね。Vで始まるフィルムなんかもそうですけど(笑)。 |
【ゆ】 | 確かに、ベルビアは派手ですね。で、遠くから撮って青かぶりには、その発色が強い分有利ですね。近くで撮ると派手すぎで、水中ではえらべないですから。 ここは肝ですね〜デジの人は、どちらか選ばなくてはですね。RAWかJpeg。そうそういまのは、同時にとれるんだよね。普段つかうにはJでいいもんね。 |
【こ】 | ですからデジタル一眼でも初級機・入門機のデフォルトのjpeg画像はそのあたりのパラメーターがかなり高めです。つまりレタッチの素材としては不適格なものが多いです。逆にプロ機に近づけば近づくほど、一見眠い画像が出てきます。後からいじること前提ですから。 レタッチ素材としては、彩度・コントラスト・シャープは比較的押さえなくてはいけません。 |
【ゆ】 | おさえなければ、、、といっても、どの程度かが、難しいです。 コースケさんに、じゃ、その押さえたデータ見せてよって、いってもモニターばらばらだしね〜〜〜あははは!! どうすりゃいいんだい? |
【こ】 | データでやり取りしても無意味、ということになってしまうんですよね、こうやって突き詰めると。ただ、そのデータを決められた方法できちんとプリントして見れば、ある程度の意味は出てきますけど。 あと、上で言っている「彩度・コントラスト」などのカメラ自体の設定ですけど、RAWで撮れば、 後から決定できるので、何の問題もなくなります。 それから、jpegというのは8bitデータなんですよ。RGBそれそれの階調が2の8乗=256段階なんですね。これは人間の目でなだらかに見える最低限に近い数字らしいです。つまりこれをいじるとすぐになだらかに見えない=トーンジャンプが起こってしまうんですね。 一方、RAWデータは一般的に12bitデータです。さらに現像後フォトショップに16bitデータとして渡して(渡した時点で階調が増えるわけではないです)、そこからいじるとなると、画質の劣化はjpegとは比較にならない軽さに抑えられます。 RAWで撮るのはほかにもたくさんの利点があるんですけどね。それはまた次回以降かな。 |
【ゆ】 | 今月の肝 フィルムもデジタルも、結局、最初の撮影が肝心、露出オーバーは、厳禁なんですね。 今月の思い で、結局おんなじじゃん…。でもね、器械がちがえば、使いこなし方がちがってくるのは、あるよ。それを、わかりたいってのが、デジタル談義、それをやっていくと、写真ってなんなんだってとこまで、さかのぼると思う。露出の決め方も微妙には違ってきますね。といっても、今撮れる人ならかんたんです。 ちょっと、単純化しすぎなんだけど、オーバー目の写真とかってさ、今、あとから作りやすいんだよね。アンダー目もいっしょ。だから、暗めとか、明るめとかのイメージ写真って、明るさとかの問題じゃなくて、光の使い方とかさ、違うことなんだよね。デジタルの時代では…。アナログで撮っててもね。 今他人のデジタルの写真をみていると、イメージを作るのが、かえって難しいかもとか思う部分もあるんだ。きれいに、写りすぎる部分があるんで。(他の回でいずれかきます) フィルムで撮ってると、デジタルにしたら、今までできなかった、あんなこと、こんなことできるかな〜〜とかもある。これは、両種の利点と弱点がちがうから。 考えていくと、利点は欠点、欠点は利点なんだけどね。 |
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