デジタル談義 その5 | 豪海倶楽部 |
【こ】 | このコーナー、回を重ねて、いろいろと反響も増えてきています。相変わらず「難しい」というのが多いですが・・・どういう点がわかりにくいのか、ということを伝えてもらえれば、改めて解説しますし。 |
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【ゆ】 | そうですね、でさっそくですが、今回は、八丈島のミーがデジカメをかったんですね〜 ま〜いろいろな疑問にぶつかったので、今月は少し具体的にいきましょう! |
【こ】 | 「専門用語でつまづく」、という声も多いんですよ。ただ、デジタルカメラを扱うにあたって、また撮ったものを現像なりレタッチする時に最低限の「用語」(とその理解)は必要ではないでしょうか・・・フィルムで撮るにしても「絞り」「シャッタースピード」「露出」「オーバー・アンダー」なんていうのは、写真を全く撮らない人が聞けば「専門用語」ですけど、やはり理解していないと前には進まないですよね・・・とりあえず撮れても。 デジタルでは「ISO感度」「RGB」「補色」「ヒストグラム」「彩度」「補色」「解像度」「色温度」「コントラスト」などの言葉は理解していないと停滞してしまうと思います。 |
【ゆ】 | それはそうだ。専門用語はネットで調べられるし、例えば彩度を例にあげるとすると、フォトショップなどで、実際の彩度ってなんだろう?といじって体感していかないと無意味ですね。言葉自体は、なんの役にもたたないんだし。 |
【こ】 | 「用語辞典」みたいなのを作ればいいんでしょうけど、ものすごい労力がかかりますし、このネット時代、いろんな人がいろんなところで作っていますから検索してみてください・・・ただ理解不足の方が作っていることもままあったりしますが。 あと紹介たつもりでしたけど、こちらは本当に熟読してください。自分も本当に参考にさせてもらったサイトですが、かなり早くから本質的な理解をされた上で作られています。 |
【ゆ】 | 用語ぐらいしらべて、1個1個体感していかないなら、全Jpgでとって、そのままでいいのじゃないかな。 |
【こ】 | さて、掲示板に前フリがありましたけど、レグルスの親方こと加藤さんと水谷さんが暮れにデジタルカメラ(KissDN+ジリオンハウジング)を導入、水谷さんはまだ水中に持ち込み始めたばかりですが、いろいろと壁やら疑問にぶち当たっています。今回は水谷さんも交えての対談にしたいと思います。 レグルスの場合は、フィルムスキャン→フォトショップで加工→webにアップ、という工程で今までデジタルデータには親しんできているわけですが、それでも勘違いも多々あるようです。 |
【み】 | EOS KissDNでJpegで撮ると、一番良い画質(?)で撮っても、解像度が72しかなくてビックリしました。最近、コンパクトデジカメで撮っても、もっと大きな解像度なのに。。。 フォトショップで解像度の数字を上げると、サイズが小さくなっちゃうし、何だか騙されたような気分・・・。これって、何とかならないのですか?? |
【こ】 | これは解像度に関して根本的に勘違いされていますね。少々難しいですがこちらをご一読ください。とりあえず「印刷」「入稿」に関してのことは読み飛ばしても大丈夫です。フィルムのスキャン、フィルム・デジタル共通でのリサイズ、より良いプリントにはこのあたりの解像度の「概念」は必須です。 上でリンクしたサイトの解説はちょっととっつきにくく多岐にわたっているので、少々噛み砕いて説明すると、
ということになります。逆に言うと撮った写真を画面で見ている限りでは全く理解の必要はないんですが。 具体的に実際のデータで見てみます。 フォトショップで画像データを開いて、「イメージ」→「画像解像度」を開いたところです。ここで画像の再サンプル(黄色い線)のチェックは外します。チェックを外すことによってピクセル数つまり「絶対解像度」が固定されます。(上の状態) この場合EOS10Dのデータなんで、KissDNよりも少ない3072ピクセル×2048ピクセルの約600万画素のデータですね。 で、下の紫で囲ったところの「解像度」が「相対解像度」です。単位は「dpi」(=dot per inch→1インチあたりの点=ピクセルの数)になっていす。 「240」という数字は自分のフォトショップでデフォルトで入っている数字です。上の「幅」「高さ」は、「3072ピクセル×2048ピクセルのデータを、1インチあたり240ピクセルの密度で印刷した場合、何センチ×何センチの画像になるか」ということを表しています。 |
【ゆ】 | この両方で重さ、バイト数がきまってくるのですね。そんで、2つをごちゃまぜに、日本語のサイズ、大きさでつかってる人がおおいですね。俺もなんかわからんかった。 |
【こ】 | ここで、雑誌などの商業印刷で必要とされる(相対)解像度「350dpi」を入力してみます。 上の「240」を手入力で「350」にしたものです。(赤線部分) すると「幅」と「高さ」の数字が変わりました。(緑枠) この数字が「600万画素のカメラで撮った写真を(デジタル的な拡大なしで)商業印刷にする場合の大きさ」です。A4が29.7cm×21cmですから、それにははるかに足りない、ということですね。 実際にはほとんどの場合で「画像の再サンプル」にチェックを入れて「デジタル的な拡大(縮小)」をするわけです。このあたりは「いかに劣化させないか」ということでまたあらためて解説します。 で、水谷さんの「72」という数字なんですが、これは一般的なパソコンモニターの解像度なんですよ。つまりweb用にリサイズ(ほとんどは縮小ですが)する場合、(相対)解像度を72dpiでリサイズすると、web上にアップしたときに見れる「幅」「高さ」がわかります。(・・・というか、モニターで見る限り常に72dpiで見ているんですけど) レグルスのパソコンにはその数字がデフォルトとして残っていたようですね。 「モニターで見る限り72dpiでしか見れない」というのは、「画像の再サンプル」のチェックを外した状態で、「解像度」にどんな数字を入れても、画面上での大きさは変わらないことでわかります。 さて、次ですか・・・。 |
【み】 | やっぱり一番ショックだったのは、持っているPC(元・こーすけさんの)では、RAW画像を見ることはできても、現像することはできないんだ・・・ということを知った時。カメラの性能については、いろいろHPで見比べて研究してたけど、カメラにくっついてくるソフトの推奨環境まではチェックしてなかった。店にハイスペックのPCがあったから良かったけど、私が普通の個人ユーザーだったら今頃途方にくれていただろうなあ。。。 ・・・・・・・・ |
【こ】 | 実は今の彼女のノートパソコン、もともと自分のパソコンだったんですが、自分が買い換えるときに買い取ってもらったんですよ。 その時点で、彼女はカメラのデジタル化などは念頭になかったと思いますし、自分はノートパソコンはほとんどダイビングに行く時にしか使わないんですが、デジタル一眼に移行して、少々パワー不足を感じていたのと、バックアップにCD-Rではどうしても容量が足りないので、DVDが焼けるノートパソコンに買い換えたわけです。 ただ、「現像ができない」というほど非力ではないと思うんですが・・・まあ「快適な(スピードの)現像」は難しいでしょうね。 |
【ゆ】 | デジね、カメラ以外で金かかるんですね。フィルム代はないといえばないんですが。 あとPCなども含めてカメラなんだよな〜 |
【こ】 | なかなかパソコンから買い換える、というのはいっぺんにはハードルが高いでしょうけど、画像処理の快適さに関してはメモリーの量に大きく依存するんで、メモリーだけでも増やすと全然違ってきますよ。今、メモリーはものすごく安いですし。 買い替えの際の基準としては、やっぱりフォトショップが快適に動くもの、でしょうね。 アドビのサイトで調べると、ウィンドウズの場合
なんてかなり甘めに並んでいますけど、Pentium IIIでは少々苦しいと思いますし、メモリーは512MBでも大量の画像を処理するにはちょっと力不足でしょうね。 |
【ゆ】 | ですよね、僕が買い替えたのが、デュアル2GのCPU、メモリ2.5Gですから。 |
【こ】 | さて、3つめです。 |
【み】 | 私は、ストロボはINONのD2000を購入しました。既に使用しているゲストの評判がよろしかったので。S-TTLとやらを使いこなしてやろうと楽しみにしています。親方は、今まで使用していたSEA&SEAのストロボを難なく使っています。ストロボの光量ではなく、シャッタースピードと絞り値で露出を調整しています。 もちろん、今撮っているのは図鑑写真ばかりで、思いっきり絞りを開けた写真を撮りたい時はどーする?? という点については、まだ試していないようです。 |
【こ】 | ストロボに関しては、彼女のハウジングは「内蔵ストロボを発光させて、それをトリガーにして光接続で外部ストロボを発光させる」という方式になっていますので、D2000でいいんですけど、将来的にシンクロコードで接続することを考えると、新しく出た「D2000W」は光接続とシンクロコード接続両方使えますので、一般的にはこちらをお勧めします。 「S-TTL」に関しては、自分は使っていないですが、かなり優秀な調光システムのようですね。ただ最大の欠点は「内蔵ストロボをトリガーとして発光する」、つまり内蔵ストロボのない機種、5Dなどでは使えない、ということです。少し試してみての感想はどうですか、水谷さん。 |
【み】 | D2000のTTLって便利でしたよ。遠くから撮ろうが、近寄って撮ろうが、白いもの撮ろうが、黒いもの撮ろうが、全部うまく調整してくれます。 |
【こ】 | 「十分減光できないから使えない」というのは、「どこまで絞るか」ということとほぼ同義で、デジタルになって、特に撮影素子サイズの小さいAPS-Cサイズで顕著に出る「回折現象(小絞りボケ)」をどこまで許容するか、ですね。実際webにアップというような使い方では全く影響ないというか、わからないですし。 ただINONのストロボ、買ったときについてくる減光板は「-0.5」ですが、もっと落ち幅の大きい「-3」も売っています。実際、自分の経験では最短撮影では、最小発光(-0.5減光板つき)では・・・F5.6くらいまでしか開けられないですね。 小絞りボケに関してはレンズによっても違いがありますし、説明すると長くなるのでとりあえず今回は深くは突っ込まないですが、「絞り込むほど画質が良くなる」というのはほとんど「迷信」で、APS-Cサイズのカメラでの有効最小絞りはF11〜F16程度ではないかというのが定説になっています。 マニュアルでの適正露出のとりかたの問題ですが、
とあるわけですよね。 どちらも一長一短がありますが、「S-TTL」の場合、なにも悩まなくてよくなっているみたいですね。 |
【み】 | ファインダーは、二人ともノーマルのままにしています。ピックアップだの、マグニなんとかだの、いろいろ装着できるものが用意されていますが、あれって、付けるとかえって見えにくくないですか?? ゲストもノーマルの方が良いっていって、外している人が結構います。なんで、あんなの付けるんだろう・・・? と疑問です。 |
【こ】 | もともと大きさがフィルムよりもまた更に小さくて、奥のほうにあるものを見るわけですから・・・周囲のケラレなく全体を見ようとすると(ピックアップファインダー)ファインダー像全体が小さくなってしまう、拡大して見ようとすると(マグニファイアー)全体が見わたせなくなってしまう・・・結局、素通しぐらいがちょうどいいかも、ということですね。 |
【ゆ】 | フィルムですが、僕も昔からつかってません。暗くもなるし、賛成。 |
【こ】 | F4のアクションファインダーの場合、ペンタ部からの「根本的解決」ですから全く種類が違う、ということですね。 まあ、ピックアップファインダーにしろマグニファイアーにしろ、長所と短所を理解したうえで付ければいいんですけど、そのあたりかなりいい加減な説明で売っていたりしますね。 さて、最後です。 |
【み】 | 元々レンズが60mmなので、いくら1.5倍の90mm相当で撮れるとは言っても、絞りをF8というのは、絞りすぎだったかも。背景にもみんなピントが合ってしまって、あまり気に入った写真は撮れませんでした。次回はもっと絞りを開けようっと思いました。どうせ光量調節はストロボがやってくれるし。 |
【こ】 | 正確にはキヤノンは1.6倍ですが、それはさておき・・・。 「元々60mm」とはいえ、フィルムでの60mmよりも、撮影素子の大きさがより小さいため、さらに被写界深度が深くなっています。だから図鑑的なカチッとした写真を撮るには逆に有効ですよね。 ただこのあたりはフルサイズの感覚が染み付いていると大変でしょうね・・・デジタルもフルサイズであれば同じなんですが。 あと、水谷さんは理解されていますけど、「1.5倍」とよく言われますが、決して焦点距離が伸びたわけではなく、「60mmのレンズの周囲にマスクをかけて90mm相当の画角になった」だけですから、被写界深度やパースはもとの60mmのままです。 |
【ゆ】 | 一見、有利だけどね。フルサイズに比べると、最初からトリミングしてるようなものだね。 ただ、そのデータ量で十分かそうでないかは、ある。俺らは迷う部分だけどね。まぁ一見被写界深度は増えるので、易しいというのはある。 |
【こ】 | 水谷さん、どうもありがとうございました。続報もお待ちしています。 |
【ゆ】 | 今月のまとめ |
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