南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

西表島とパラオって

皆様こんにちは。先月に引き続き今月もアウェーからお伝えしてまいります。今月は西表島。要さんの庭にお邪魔させていただきました。

実は学生時代に合宿やら丁稚奉公やらで何度もお世話になっていて、僕がこの仕事に入るきっかけを作ってくれたのがこの西表島でした。なので僕にとっては第二の故郷。アウェーはアウェーですが僕にとってはホームも同然。パラオに行ってから気づいたのですが西表島とパラオって雰囲気が似ているんです。陸の感じもそうですし、海の中も似た感じの場所があちこちに・・・割とすんなりパラオに馴染めたのもそんな環境だったからかもしれません。

西表の見どころは外洋から内湾、果ては川までと広範囲にわたっていますが、今回は普段ペリリューで潜っているお客様向けのツアーで訪れたので、外洋中心のダイビングとなりました。

で、訪れたのは仲ノ神島(なかのおがんじま:通称“オガン”)。西表島の西に浮かぶ無人島でカツオドリ始めアジサシなど海鳥の楽園です。

島に近づくにつれ頭上を旋回する鳥の数が増えてきます。最も近づいてくるのはカツオドリ。翼を広げると1mを超える大型の海鳥で、どうも相当好奇心が強いようです。船に近づいてくるのはしょっちゅうですが、ダイビング中も安全停止していると水面から顔を突っ込んでじっとこちらを見つめていたりとなかなかお茶目な一面を持っています。島には高木は無く、草原のような部分と岩肌が露出した部分だけで構成されており、無数の鳥達が羽を休めたり子育てを行っています。

そんな島の周りで潜るんですからそりゃもう手付かずの海で大物ガンガン出そうな雰囲気満点ってもんでしょう。

実際30匹以上のイソマグロの群れや数百匹のテングハギモドキの群れなどが迎えてくれ、今回は逃げられましたが数千匹のカスミアジの群れなども現れるポテンシャル。今年はよくイタチザメも姿を現しているようです。

更にはペリリューと同じく千匹近くにもなるようなロウニンアジの群れが何度か目撃されています。

まだまだ開拓の余地がありそうですね。楽しそうだなぁ・・・

また、今回一つ気づいたのが魚のサイズ。オガンに限らず西表島周りでも平均サイズで見てパラオと比べて一回り大きな魚がほとんどです。その魚の生息範囲の北限、南限に近づくほど、サイズが大きくなるという話を聞いたことがありますがまさにそんな感じなのでしょうか? 大振りなキンギョハナダイがオガンの棚の上一面に広がっている様子は大物にしか興味がない人でもちょっと感動しちゃうくらいすごいですよ。

まだしばらくは海況が安定していてオガンも狙えるはずなので興味がある方はぜひ西表島を訪れてみてくださいね〜

あ、今年は夏場もパラオの天気がいいようなのでもちろん9月から再開するペリリューでもお待ちしてますね。


遠藤
遠藤 学

1973年生まれの東京人

学生時代に所属していたダイビング部のOBである現オーナーにサラリーマン時代の1/8の年俸でヘッドハンティングされ、パラオに移り住んで早9年目。

七色の技を繰り出す怪しいガイドで独自の地位を築くも、年々ハードルが高くなるお客様のリクエストに応えるため日々技の開発にいそしんでいる。

次の目標はバショウカジキ。うまく魚が技に反応すると「来た〜」と、言うより「食ったぁ〜」と叫んでしまう釣りバカでもある。

ミクロネシア・パラオ

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