南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

年の瀬です

年の瀬です。いや、この号がアップされる頃はもう新年ですね。パラオにとってはいよいよシーズンインと言う時期です。

何がシーズンかって、そりゃいろいろあるんですが冬から春にかけて多く見られるのが産卵に伴って大きな群れを作る魚達です。ペリリューで産卵行動といえばそりゃもうイレズミフエダイの群れとバラフエダイの群れなのですが、これらはほんのここ数年の間に急速に成長してきたネタですね。どちらも巨大な群れを作りますがいつ産卵しているのかはこれまでは謎に包まれていました。それがふとしたきっかけから産卵シーンまで狙えるようになったのですが、彼らに続く産卵モノのネタはないかと探している真っ最中です。

メジャーなところではツノダシの群れやミヤコテングハギの群れが昔から有名ですね。これら小型の魚の産卵行動はどちらかと言うとペリリューよりもコロールの管轄になるゲメリスエリアの方が有名なのですが、ゲメリスエリアはペリリューからは目と鼻の先。近い利点を生かして普段狙えないようなタイミングで入ることも多いんです。

例えばこのツノダシの群れ。昼間の群れは有名ですが彼らを見ているうちにふと「いつ産卵しているか調べたいな・・・」と、思いついた翌日夕暮れ時を狙って入ってみました。暗くなるにつれて激しさを増すネムリブカやロウニンアジのアタックをかわし続けるツノダシ達。オジサンやミナミハコフグが産卵しだし彼らもいよいよ産卵かとテンション上がりまくるものの、そのまま真っ暗になってツノダシは夜の体色に。それでもまだ襲われ続けて逃げ惑うツノダシ達。普段だったらもう寝てる頃でしょうに・・・ それからもかなり粘りましたがついに決定的な産卵の瞬間は見られませんでした。結局夕暮れ時に産卵しているのではないかと言う推測はどうも怪しいものに・・・

と、まあ、こんな失敗なんてしょっちゅうですがこうやっていろいろ試せる環境にいるという事が大事なんでしょうね。今度は夜明け前だな・・・


遠藤
遠藤 学

1973年生まれの東京人

学生時代に所属していたダイビング部のOBである現オーナーにサラリーマン時代の1/8の年俸でヘッドハンティングされ、パラオに移り住んで早9年目。

七色の技を繰り出す怪しいガイドで独自の地位を築くも、年々ハードルが高くなるお客様のリクエストに応えるため日々技の開発にいそしんでいる。

次の目標はバショウカジキ。うまく魚が技に反応すると「来た〜」と、言うより「食ったぁ〜」と叫んでしまう釣りバカでもある。

ミクロネシア・パラオ

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