ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ヘビギンポ偏愛(2)

[ダイバーの力で!!]

昨年6月、あるヘビギンポが新種として記載された。このヘビギンポはかなり前から、伊豆や伊豆諸島を潜るダイバーの間では有名なヘビギンポで、その特徴から「黄ヘビ」と呼ばれていた。

その特徴とは尻ビレが黄色い事。。。そしてオスの求愛時には体が真っ黒になり、蛍光ブルーのラインが顔に入る綺麗なヘビギンポ。。。僕がこの仲間に興味を持つキッカケとなったヘビギンポだ。

伊豆や伊豆大島を潜るダイバーからの情報を元に、八丈島(当時は八丈島でガイドをしていた)にもいないかと探してみたところ、そこら中にいたのでビックリ! そう。。。今まで気にしていなかっただけで、実は普通種だったのだ。しかし、未記載種(まだひとつの種類として認められていない名前の無い魚)。。。

ヘビギンポの仲間はまだまだ不明な点が多く分類が進んでいないので、こうした例がとても多い。ダイバーにはずいぶん前から既知の種類でも、実は未記載種だったり、和名が無かったり。。。つまりこのヘビギンポの仲間は、素人である僕らダイバーの観察や目撃例がイニシアティブ(主導権)を取って解明されていく種類だと思う。

これがヘビギンポの面白さのひとつだ。

【キビレヘビギンポ】
この新種として記載されたヘビギンポには「キビレヘビギンポ」という和名がついた。尻ビレは本当に鮮やかな黄色でこれはメスやオスの平常時でも見られる。上の写真はオスのバリバリの婚姻色だけど、顔の蛍光ブルーのラインは普段から見られ、体の縞も赤っぽかったりするので、なかなか綺麗なヘビギンポだと思うけど。。。(笑)

メチャクチャ気の強い魚で、繁殖期に間違ってオスの産卵床に手を着こうものなら、飛びかかって来て噛み付いてくる!小さな体で恐ろしいヤツだ。。。

そんなキビレくん。。。
蛍光ブルーのラインは夜の闇に映え、就寝中でも美しい♪

ヘビベース! - Triple-Fins Photo DataBase


原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島

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