ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ヘビギンポ偏愛(13)

[ヘビギンポの種類の多さ]

この「ヘビギンポ偏愛」も今回から2年目に入る。

と言うことは1ヶ月に一種紹介する形で、これまでに12種のヘビギンポを紹介してきた事になり、今回で13種目となる。ヘビギンポの仲間には意外にいろいろな種類がいる事に驚いたかもしれない。市販の図鑑にはせいぜい5-6種が載っている程度なのだから無理もない。

しかも、これまで紹介してきた種類は僕の住む屋久島に生息するヘビギンポだけで、温帯域でよく目にするような種類や逆に沖縄以南で普通に見られる種類などはまだまったく紹介していないのだから、ヘビギンポという種類の多さが分るだろう。

つまり「屋久島」という一地域で普通に見られるヘビギンポだけで、12種に達してしまったのだ。

更にこれまで紹介してきたヘビギンポの中に珍しい種類は一切入っていない事を付け加えておきたい。極めて浅い水深ではあるが、どれもごくごく普通に見られるヘビギンポばかりなのだ。

屋久島で見られるヘビギンポはまだまだいるが、そろそろここら辺で伊豆のダイバーの多くが知っているようなメジャーなヘビギンポも紹介したい。

【ヒメギンポ】

ヒメギンポは通常体色から派手で綺麗なので、特別ヘビギンポに興味のないダイバーでも目にした事があるかと思う。ヘビギンポの中でも最も美しいとも思えるこの体色はとてもフォトジェニックで、ヒメギンポを被写体とした素敵な写真もよく見かける。婚姻色よりも通常体色の方が綺麗だと感じるのはこのヒメギンポぐらいなのでは。。。


通常体色のオス

ところが。。。

これだけヘビギンポに打ち込んでいる僕なのに、このヒメギンポは過去に数回しか見た事がない。現在、自分のフィールドとなっている屋久島ではまだ一度も見た事がなく、古巣の八丈島でも決して多い種類ではなかったのだ。

つまり、この種類は完全な温帯種。

屋久島のお隣、種子島では見られるようなので、屋久島で見つかれば間違いなく南限記録になるかと思う。


婚姻色のオス

なので今回、写真はすべて泣く泣く(笑)伊豆の同業者からお借りした。
早く自分のフィールドで見たいよぉ〜!!

写真提供:井田ダイビングセンター 片野 猛(てつ!)氏


原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島

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