ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ヘビギンポ偏愛(23)

[今年もまだヘビギンポが続きます。。。]

あけまして、おめでとうございます!
今年も淡々とヘビギンポを紹介していきます♪
どうぞよろしくお願いします。。。

前に目の下にブルーのラインが入るクロマスクの仲間で、共に大型でよく似た2種類のヘビギンポを紹介した。婚姻色が赤くなり、鹿児島より北に分布するヨゴレヘビギンポと婚姻色が黒くなり、鹿児島以南に分布するアヤヘビギンポだ。

これまでヨゴレヘビギンポと呼んでいた魚が、鹿児島を境に北と南では別の種類だったという事が分かって、もの凄くスッキリしたのだが、また新たにこの2種類とよく似たヘビギンポがもう1種、石垣島にいるらしい。。。
(-_-;)

【赤ヒレ(クロマスク属未同定種)】


オスの婚姻色 / 石垣島

これがそれなのだが、写真はオスの婚姻色。

ヨゴレヘビギンポやアヤヘビギンポと明らかに違うのが、オスは婚姻色時、胸ビレが真っ赤に染まる事だ。

僕が主宰する「ヘビベース!」でも最初は単純に沖縄方面で見られるからという事で、アヤヘビギンポとして登録してあったが、ある海外の研究者の方から、「これは胸ビレが赤くなる事からHelcogramma randalliHelcogramma steinitzi(共に日本では未記録)ではないか?」という指摘を頂いた。

他にも婚姻色時の赤に透明感があったり、体にブルーの斑点(網目模様?)が入るというのも、同じ赤い婚姻色を呈するヨゴレヘビギンポにはない特徴だ。種類は特定できないけど、アヤヘビギンポとは別の種類である事は間違いなさそうだ。


オスの通常体色 / 石垣島

これはオスの通常時の体色なのだが、この婚姻色時に見られるブルーの斑点(網目模様?)も薄っすら出ている。目が慣れてくるとこの時点ですでにヨゴレヘビギンポにもアヤヘビギンポにも見えない。。。


メス / 石垣島

さすがにメスはヨゴレヘビギンポやアヤヘビギンポとはまったく違いが分からない。という事は屋久島にもアヤヘビギンポに混じっていたりするのかな?と思ったりもしたが、どうもこのヘビギンポはある特定の環境にのみ生息しているようなのだ。

このヘビギンポを教えてくれた石垣島のダイブマン・内田氏によると、このヘビギンポは石垣島の御神崎というポイントの浅場でのみ普通に見られるらしい。そのポイントがどんな環境なのか非常に気になる。

写真提供:
浅専 okeiさん
LOVE BLUE ゆっこさん

参考:ヘビベース! - Triple-Fins Photo DataBase


原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島

屋久島ダイビングサービス
「森と海」
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