南国通信 楽園からのらくがき | 豪海倶楽部 |
孤高の道を進め!ROCKなヤツよ・・・ いつの時代にも、どんな世界にも、“一般的”とか“普通”と言われる生き方・考え方・ファッションなどのいわゆる「スタイル」と言うものがある。それがその時代の、その世界の、秩序であり共有の価値観であり、ゆえに“社会”と言うものが存在し、我々人間が属する「人間社会」という大まかな漠然とした集合体が形成される。な〜んてな感じで偉そうにそれっぽく語りだしてみたが、その一般的社会秩序からやや(かなり?)外れていると思われるオレがそのような事を説いても何ら説得力が無いか・・・。とは言え、そんなオレですら生きて行くうえでは必ず最低限の“社会”に属していないといけない。つまり、こんなオレでも税金払ってるとか、年金納めてるとか、敬語を使うとか、挨拶をするなどの社会性は持っている。 さて、元来“ROCK”たるものは、その社会秩序や一般社会に弓引くモノであり、そこからの脱却のための手段・方法だったはずであるが、今はどうだろう?社会性を伴わないアーティストと言うものが存在出来るのであろうか?最近では履歴書の職業欄に「ロック・ギタリスト」と記入する人もいるらしい!?それを見た面接官が「どちらのバンドに所属されていたのですか?」と聞くと「○○バンドに3年ほどおりました」、「おぉ、それは大手ですねぇ〜!!」という会話が普通に聞けるらしいが・・・。 さて、話は一気に水中世界へと飛ぶ。水中世界こそ完全なる秩序とシステムの行き届いた社会なのではないだろうか。そんな世界ではいわゆる人間界で言うところの“ROCK野郎”的なヤツは存在しないと思われる。しかし、本人がそう思っているかどうかは別にして、オレにはそう見えるタイプの魚、「なんだコイツは?」「どこから、どうやって現れたんだ?」というヤツが存在する。いわゆる“水中社会には属しているものの、一般的でないヤツ”つまり「水中世界における元来のロック・スター的存在の魚」である! 何のこっちゃ!?!? と言うことで登場するのは、某国営放送の番組にて紹介され一躍有名になった謎多き魚「コンビクト・フィッシュ(別名コンビクト・ブレニー)」で、現在スズキ目に属してはいるもののニシキギンポ科に近いが違うと言う1科1属1種、まさに“孤高の道を突き進む魚”なのである。実はリロアン周辺地域にはスゴ〜く多いんだよね〜!!コイツ。 上の画像は幼魚で体長約50ミリ、ゴンズイに擬態しているとされているが詳細は不明。口の周りにヒゲがないことで容易に見分けることが出来る。 そんな彼らには巣穴があり、通常朝巣穴から一斉に飛び出しその後は巣穴周辺をゆらゆらと泳いでいる。そして夕方になると一斉に巣穴へと帰って行く。ちなみに上の画像は朝の出勤風景(?)で、この状態が約20分ほど続く。また、時には時間に関係なく巣穴から激しく出入りしているといった光景も見られるが、その理由に関しても不明である。 そんな朝夕に関係なく幼魚が激しく出入りしている時にじっくりと腰をすえて観察していると、時折巣穴の中から幼魚とは似ても似つかない巨大な成魚が“ニョロリ”と顔を現す。何も知らずに観察していた当初などは死ぬほど驚いたものである!?ちなみに画像の成魚の顔は直径40ミリほど。 成魚が顔を覗かせるときは決まって巣穴を掘っている時である。砂やサンゴ礫を口いっぱいに詰めて、注意深く巣穴から顔を外に出し、危険が無いことを確認してから巣穴入口からやや離れた場所に向けてブワッと砂やサンゴ礫を勢い良く吐き出す。この行動は岩礁域やサンゴ礁域に生息しているタイプよりも、砂底域や砂泥底域に生息するタイプの個体に顕著に見られる。おそらく、砂地に巣穴を掘った場合巣穴の内壁が脆く、日常的に巣穴内の補修工事が必要となるからであろうと思われる。 根気良く観察を続けていると次第に警戒心も薄まり、ビロ〜ンと長い体を顕わにしながら巣穴から遠く離れた場所にまで砂・瓦礫を捨てに行くようになる。この画像の個体は巣穴から出ている部分だけで約500ミリはあろうか!? 画像Bの成魚に比べ体側の横縞模様が明瞭であるが、成長に伴い全身が黒味を帯びてくるようである。つまり、コイツはまだ若い成魚なのであろうと思われるのだが・・・。 また、非常に稀なケースだが、中には2匹の成魚がひとつの巣穴を共有しているところも観察されている。おそらくペアを形成しているものと思われるのだが・・・謎である。とにかく、謎、謎、謎なのであるっ!!! と、今月は「“コンビクト・フィッシュ”と“孤高の道を歩むロック・スター”との因果関係!?」をコンビクト君に見られる生態を説明した上で追求してみるつもりだったのだが、無駄に長くなってしまったうえ、語り始めの部分と全く関係なく話が進み始め、当初の狙いが散漫になりつつあるので続きはまた後日!?もう少し考えがまとまってから発表するとしよう・・・(何やねん!それ!?)。 ところで、こんなこと考えながら魚と付き合ってるのってオレだけ・・・?ということでまた来月。 |
五十嵐“Garuda”一規 1968年11月29日生まれ 横浜市出身 射手座 申年 RH+O型 バンドマン、大道具、そしてダイバーへと転身した変わり種。昆虫・プロレス・甘い物が大好きな現役ハードコア・パンクスだが、バーボン片手にロックを聞きながら毎夜繰り広げられる魚談義はいたってマジメとの噂・・・。秘密結社「赤い魚団」代表。 フィリピン・セブ島 リロアン VILLA TROPICAL PARADISE Lower Lo-oc, Lo-oc, Santandesr, Cebu 6026 PHILIPPINES Tel/Fax:+63-(0)32-480-9035 villa-tropara.com blog.goo.ne.jp/1wgp-liloan garuda@villa-tropara.com |