期間限定 スペシャルトーク 豪海倶楽部  

エビ・カニインサイドストーリーから続く海の事色々! 第8回

ゼブラハゼ・・・・・Ptereleotris zebra

久米島では、北側のポイントの棚上5メートルぐらいから、たくさん見られるこの子達ですが、何せ、撮影しづらい!!ガイド中などのカメラを持っていない時に、ふと横をみると、すぐ側で、僕の急接近に穴に逃げこむタイミングを見失ったこの子達が、緊張のあまり全てのヒレを全開に広げながらオタオタしている姿を見かけると、「あぁああ〜、ガイドなんてしている場合じゃなかった!?(ゲストの皆さん、ごめんなさい)」っと、よく思うぐらいなかなか近寄れるチャンスが少ない。その点、人間の眼は素晴らしく、観察するだけなら下顎下辺にある皮弁や全てのヒレを広げた場面もはっきり確認できるが、撮影するとなると更に寄らなければ駄目なのでもの凄く難しい。以前にカメラを持ってる時に、このシチュエーションに出会えた事がある。焦る心を抑え、「君らなんか、眼中にないよ〜!?」ぐらいの柔らかい動きでカメラを構え、シャッターを押した。ストロボの光に驚いたこの子達は、すぐさま穴に入った。1チャンスだったが、そこそこのものは撮れた。でも、そんなじゃあ、納得できない僕は、この子達の弱点をつき、するどく追い込んで撮影するというしぶ〜い手段(どこが!?)を取る事にした。魚達にはそれぞれ、テリトリーがあり、この子達も例外ではないのである。もっと浅い方に、じわりじわり追い込んでいくと、ギンポ・カエルウオの仲間から「こっちに来るんじゃねぇー!!」とばかりに攻撃を受ける。その手前の辺りまで追い込めれば、元の場所には戻りたいけど、僕の身体が壁になる為に戻れず、その辺の穴に逃げ込むかと言えば、他の魚達のテリトリーなのでそれも出来ない・・・・っという何とも四面楚歌のような可哀そうな状態になるのである。僕は、生物好きガイドであるという自分の倫理観をあっさり薙ぎ倒し、その策を決行したのである・・・・・。

・・・・・っで、今までに撮れてる写真の一枚がこれです。もっと良いのもあったはずだけど、ポジ探しも大変なので、今回はこれでご勘弁です。しかし、いつも思うのだが、あの下顎に付いてる皮弁は何の役目を果たすものなのだろう!?以前、タコに襲われてる場面に出くわした時に、タコを追い払ってみたら身体下半分が食べられて上半身だけが残って死んでる状態で出てきた。モンガラカワハギ系の魚なんかの尻ビレとかと同じように、あの皮弁のとんがりで穴に入った身体を固定させるような事でも出来るのであろうか!? いやいや、読んで字の如く皮弁とは柔らかいものだから、それは、無理か〜・・・・!?じゃあ、やっぱりコミュニケーションの一つか・・・・!?

注)
ゼブラハゼは追い詰めても、必ずヒレを開げてくれる訳ではありません。ですから、無理な追い込みはやめましょう。が、しかし、But(古〜い)、数匹をまとめて追い詰める事が出来れば何とかなります・・・・。


川本
川本 剛志

1965年4月3日生まれ
福岡県出身

久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。

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BY 編集部