期間限定 スペシャルトーク | 豪海倶楽部 |
エビ・カニインサイドストーリーから続く海の事色々! 第17回 ザトウクジラやハンマーヘッドもまだまだ見られ、最近マンタの遭遇率も格段にアップしている久米島です。今回は2月のザトウクジラの撮影船での出来事をお話します。 朝から快晴、波も穏やかな日の出来事でした。メイティングしている2頭のザトウクジラに1頭の雄ザトウが加わり面白い展開になっていきそうな雰囲気でした。繰り広げられる水面での彼らのパフォーマンスに一喜一憂しながら撮影してるとスタッフのアツオさんからの声が聞こえました。「サメだ!」・・・・僕はハンマーとかマンボウ・カジキとかじゃないの!?っと思っていると、「ヨゴレだ!!」っという声が続くではありませんか!!ボートの周りをうろうろと泳いでいるその姿はまさしくヨゴレザメ!! 船上からその姿を撮影していると、同乗しているカメラマンの一人が「水中で撮影してぇ〜!!」と叫ぶ!! 僕は彼に「入る? 俺は入るから一緒に行く?」と何人かのカメラマンに呼びかけながら水中で撮影する準備をする。誰も入らないらしいので一人でドボン! 紺碧の海中に鮮明に見える彼の姿!! サイズはやはり1.5m程で細めで小さい。危険なサメだと言う事はハワイのカメラマンの話で知っていたが、「こっちに寄って来たら持っているカメラでぶったたいてやろう!」ぐらいの気概で撮影開始。 不穏な雰囲気を漂わせながら、こちらを意識する彼の動きは俊敏そうで油断がならない!? ボート上からは「ワァー!」「オゥー!」の声が聞こえる中、ヨゴレザメの向こうに見えるこちらに向かってくる2頭のザトウクジラの影!! 「ヨゴレとザトウを入れて撮影できれば!?・・・・むぅふふ、こりゃ、チャンス〜!!」なんて思いながらもう少し距離をどうにかしようと泳ぎだした僕に後ろから忍び寄るヨゴレザメ! さすがにマズイ!っと感じる僕だが、せっかく寄って来てくれる2頭ののザトウも捨てがたい・・・・・馬鹿である(自爆)!! プロカメラマンが入りたくても入らない状況に入る事ももちろんだが、その状況下で「二兎を追う」なんて大馬鹿者である(泣)。 皆の心配も考え潔くボートに戻ろうとする僕の後ろを付いて来るヨゴレザメの最後のカットを抑え、ボート横後ろから「ここから早く上がって!」と叫ぶチーフのアツオさんの言葉に従いエキジット。皆から感想を聞かれ話す僕に何人かのカメラマンの一言、「もしかしたら衝撃的なカットが撮れたかもしれないのに(僕がヨゴレに咬まれる場面)!?」・・・・・むぅ〜、あの状況下で漁夫の利を狙うとはさすがプロなどと感心しながらザトウクジラの撮影に戻りました。 別のペアーと一緒になり5頭になったザトウクジラ達は止めてあるボートの真横で何度も上がり、水面から見えるぐらいの浅めの水深で戯れ素晴らしいシチュエーションなのですが、相変らずボートの周りをうろつくヨゴレザメ(泣)!! それらを船上で観察しながら、その日はゆっくりと時間が過ぎていきました・・・・・・反省。 船上から撮影したヨゴレザメを撮影している僕 クジラにもう少し寄りたいがヨゴレザメが不穏なので悩む僕 ヨゴレザメの向こうにうっすらぼんやり見えるザトウクジラ。フィッシュアイレンズなので遠そうに見えますが、10m程の近さにいます。 |
川本 剛志 1965年4月3日生まれ 福岡県出身 ガイド会所属 久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。 沖縄・久米島 DIVE ESTIVANT 〒901-3108 沖縄県島尻郡久米島町 比嘉160-69 Tel:098-985-7150 Fax:098-985-7151 www7b.biglobe.ne.jp/˜dive-estivant estivant@mrh.biglobe.ne.jp エビ・カニガイドブック(2) 川本剛志写真集 球美の海 川本氏へメールで申し込めば、代金先払い&送料着払いで送ってもらえるそうです。サインが欲しければこっちだね!(笑) BY 編集部 |