水温30度近い夏真っ盛りの久米島からです。生物達の繁殖の営みも盛んで、コガシラベラはグループスポーニング（乱交）に狂い、スミレナガハナダイの雄は雌に激しくアプローチし、その示し合わせたかのようなあちらこちらで放精放卵する様子はあたかも舞踏会が催されているようで、うっとりとさせられます。

さて、今回はモンツキカエルウオの雌が産卵を無事終え、受精した卵を雄が穴の中で孵化するまで守っている場面です。ギンポ・カエルウオ系は臆病者が多く、ダイバーが近づくと穴に隠れてしまい、隠れた穴に顔でも近づけようものなら、穴奥に隠れてしまいなかなか観察させてくれないのですが、卵を守っている期間の雄だけは素晴らしい根性で襲ってくる他の生物にも反抗します。写真は卵のある穴の入口に置かれた指を撃退しようと噛んでいるところです。もともと藻類などを主食としている彼等の歯は強くなく噛まれてもくすぐられる程度にしか感じないのですが、いつもと違う必死な顔がとても笑えるのです・・・・・笑っちゃいけないけど（反省）！？

普通に見られる生物達にも日々の闘いがあり、その生き様を思いがけない場面で気付かされ、改めて感動させられる海からでした。