期間限定 スペシャルトーク 豪海倶楽部  

エビ・カニインサイドストーリーから続く海の事色々! 第39回

カメラが進化し、デジタル化してからは、ソフトの使用やTTLの進化で露出やストロボ光に対するストレスが軽減されたように思えます。動き回る生物への距離を考え、ストロボの光量を考え、太陽光を考慮し、絞りやシャッタースピードを考えてた頃を考えると、「俺は一体、何をやっていたのだろう?!」っと、馬鹿らしくさえ思う事もあります。もちろん、その時の厳密なデータや考え方がデジタル一眼カメラに変わった今でも、多いに活用されている訳ですし、シャッターチャンスを逃す回数も減り、良い事だらけとは言いませんが、失うものより、得るものが多くなった事は確かなのですからポジティブに捉えればいいのですが、まあ、でも、人間は不思議なもので、何気なく撮った画像がきちんと撮れているとやるせなく思う気持ちも確かにあるのです(って、言うか俺だけか(泣)?!)。

以前から、そうですが、より一層、写真に対する姿勢が問われる時代なのではないか思います。若い時にありがちな欲張った画面構成、モチーフをより絞り整理させたほうが引き締まる写真になるのに気付かない。最近、よく思うのは、写真は足し算ではなく、まず引き算でシンプルかつ力強い画作りを心がけたほうがテーマがしっかりするし、下手にテクニックに走らないような気がします。だからと言って、ファインダーを覗いた時の安易なトリミングは避けるべきでしょうけど?!

僕らが切り取れる海の一瞬などは、ほんのわずかな、選ばれた点描のようなものにすぎない訳ですから、その写真を撮る為に観察し、待ち続けて費やした時間が膨大でも、少しずつ納得のいく写真点数を増やしていきたいと思うのは誰しも考える事でしょう。綺麗すぎる写真は冷たく感じられる時があります。もっと自分の思惑などぶっ飛ばすような、自分の感情を制御出来ずに持てあましてるような写真をいつか撮ってみたい。どれだけ感動する写真を撮れるかは、写真の上に写る作為や思惑など、こましゃくれた自分をどれだけ直視して、次に活かせるかにかかっているような気がするから!!でも、それって、人生そのものでしょ!!

今回は海の話でもない、面白みのない話ですみませんでした。まだまだ、望む写真ではありませんが、イイジマフクロウウニに棲むコールマンシュリンプの画像をお楽しみ下さい。大きい方が雌で、繁殖のシーズンですから、お腹に抱卵してます。・・・・・では、また、来月に!!


川本
川本 剛志

1965年4月3日生まれ
福岡県出身

ガイド会所属

久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。

沖縄・久米島

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BY 編集部