ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

祝・「日本の海水魚」出版♪

「豪海倶楽部」愛読者なら既にご存知、ゆうすけさんが新しい海水魚の図鑑を出してくれました。レグルスでも早速仕入れて、お店で販売しています。買ってねー。

もちろん、スタッフにも一人一冊、店内用にも二冊ほど。

今までの大きな「日本の海水魚」と比べて、ハンディなので小さくなっています。これなら海外ツアーにも持って行けそう。それに掲載されている写真が、全て水中写真なんですよね。釣った魚を調べるのなら標本写真や水槽写真でも良いのですが、ダイビング中に見た魚を調べるのなら水中写真でないと。

一番嬉しいことは、いっぱいいるのに図鑑に載ってない〜、という魚が新しく掲載されたこと。せっかく興味を持って、ログ付けの時にどれどれ…?と調べても、図鑑に載ってないとなると興味が半減したりして。

例えば294ページに載っているクロソラスズメダイ属の1種(Stegastes insularis)。英語名がアイランド・グレゴリーなので、いつもアイランドと呼んでいます。従来の「日本の海水魚」の462ページに写真は載っていたのですが、名前がフチドリスズメダイになっていました。逆に本当のフチドリスズメダイの写真が載っていませんでした。八丈ではとてもポピュラーなスズメダイなのですが、そっくりさんがいっぱいいるので、海の中で見比べた後、さあ図鑑で見直してみましょう!と言っても、訳がわからなくなるばかりだったのです。

目の周りがキンキンに光る金色で、卵を守っている時のオスは面白いほど勇猛果敢。地味だけど楽しい魚なのです。この写真を撮っている時も、カメラのポートにバンバン突撃していました。

379ページからのヘビギンポの仲間たちは、ずいぶんと種類が増えています。

八丈で見られるものとしては、キビレヘビギンポ、セグロヘビギンポ、ミヤケヘビギンポなど。ヘビギンポの仲間は、岩の側面に張り付いていて泳ぎ回らないので、比較的人気の被写体。種類によってはサンゴや海綿などの綺麗な場所にいてくれたり、鮮やかな婚姻色を見せてくれたりします。 写真はキビレヘビギンポ。顔の蛍光ブルーが素敵です。

今気が付いたんだけど、学名には瀬能先生の名前が付いていたんですねぇ。知らなかったわ。

えっ!? 地味なのばっかりじゃんって??
じゃあ、ちょっと人気種も出しておきましょうか。

新しい図鑑の79ページに登場した通称ピグミーです。海藻に巻きつくタイプは日本版ピグミー、略してジャパピグと呼んでいます。

正しくはタツノオトシゴ属の1種というのですね。ピグミーで呼び慣れてしまって、何だか変な感じ。いつか標準和名が付くとしたら、どんな名前になるのでしょうか?


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

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