ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

間違いだらけのコンデジ選び(2)

みなさま、明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。
早速ですが、年をまたいでコンデジのお話。
今月は Fuji FinePix F50fd で頑張っています。

そもそも、ダイバーがデジカメを買おうと思い立ったとき、どういう場合にイチデジではなくコンデジを選ぶのでしょうか? コンデジにする理由は、いくつか思いつきます。

コンパクトで軽いから
値段が安いから
カメラの知識がなくても撮れそうだから

一方、イチデジだってどんどん小さく軽く、そして値段の安いものが発売されています。私が使っているイチデジはCanonキスデジXで本体重量は510g、コンデジはCasioが125g、Fujiが155gです。今後女性客をターゲットにして、さらに軽いイチデジが開発されそう。値段もどんどん下がっていますね。カメラだけでなく、ハウジングの方も価格破壊が起きているようで、10万円台のものがちらほら。コンデジ買うなら、本当に小さくて安いものを買わないと、コンデジ買った意味がなくなりそうです。

そして、最後の理由である「コンデジは簡単に撮れそうだから」は、本当にそうでしょうか?

先月号で書いたように、私が購入した Casio のコンデジには「オート」や「水中」を始めとして、「花」、「風景」、「動物」などの被写体別の撮影モードが「ベストショット」という名前で41個も登録されていて、さらに自分で作った撮影モードも登録できるようになっています。ところが、自分で作れる撮影モードには限界があり、ちょっとカメラの知識がある人なら誰でも自分で設定してみたくなるシャッタースピードや絞り値は変えることができません。

一方、親方の購入した Fuji のコンデジには、撮影シーンが14個とオートなどの数個の撮影モードしかありません。しかし、この撮影モードの中に「絞り優先」、「シャッタースピード優先」があるのです。

Casioの「水中モード」では、いくら手振れ補正機能があると言っても、どんなにカメラを動かさないよう固定しても、甲殻類やウミウシならともかく、泳ぎ回る魚をビシッと止めた状態で撮るのは至難の業でした。ストロボ撮影ではシャッタースピードが60分の1に固定され、どうしても「ぶれ」が写りこんでしまっていたのです。

これがFujiの「シャッタースピード優先」で、シャッタースピードを100分の1以上に設定して撮ると、綺麗に止まった写真が撮れるのです。

しかも、この設定のままで白いものを撮っても、なかなか白飛びしない。

黒いものを撮っても、なかなか黒つぶれもしない。

もちろん、必要に応じてプラス・マイナス補正もできますから、万が一飛んでしまったりつぶれてしまったりしても大丈夫です。コントラストが強いものでも、まあまあ撮れてしまいます。

ここまで書くと、じゃあ Fuji の方が断然良いじゃんっ!と思われるかも知れませんね。実は落とし穴というか、条件があります。ストロボを使ったオート撮影の場合、放っておけば、大概のデジカメはシャッタースピードを60分の1に設定します。これを敢えて100分の1に速めて撮っているわけですから、水中で何も考えずに撮っていると、みんな真っ暗な写真になってしまうのです。これまで載せた写真は、どれもこれもマクロモード、それも相当近寄って撮っています。泳いでいる魚になんて近寄れない!と思ったら、もう撮れません。

では、マクロではない写真を撮る時にはどうしたら良いか。

ここで、初めて「水中モード」が登場します。そう、Fujiのコンデジにも「水中モード」があるのです。どうして今まで使わなかったかと言うと、1つは、「水中モード」ではシャッタースピードが変えられないから。よほど明るいところでないと、水中では60分の1もしくはそれに近い値に設定されてしまいます。さらに悪いことに、ISO感度も変えられないのです。ISO感度は、数字が大きくなればなるほど感度が良くなって暗がりを撮るには適していますが、どんどん画質が悪くなってしまうのです。

暗がりにいるテングダイを「水中モード」・ノンストロボで撮ったら、こんな風になってしまいました。

なんと、ISO800にまで上げてくれちゃっています。明るく撮れていますが、なんだかガサガサで新聞に印刷した写真みたい…。 他に「マニュアルモード」というモード(通常のマニュアルモードと違ってシャッタースピードや絞り値がマニュアルで設定できるわけではない)があって、それであればシャッタースピードは変えられないものの、ISO感度は可変です。もしかしたら、このモードでもう少しましな写真が撮れたかも知れません。

それはまた別の機会に。
すっかり長くなっちゃったので、今月はこの辺で。
最後まで読んでくれた??
今年も年末までよろしくね〜!


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

レグルスダイビング

〒100-1511
東京都八丈島八丈町三根1364-1
Tel/Fax:04996-2-3539

http://www.edit.ne.jp/˜regulus

レグルス