八ック謎ナゾ生命体 豪海倶楽部  

ピンチヒッター

ピンチヒッターの44です。

3月の確定申告。経理担当のみいさんは、後ろで頭抱えて唸っております。相手にされないココちゃんは、不満そうにみいさんを睨んでいます。 可愛がっている飼い猫さえ相手にできない状態なので、短期連載?のコーナーは私が替わりに書くことにしましたので宜しく♪

みいさんのコーナーのタイトルは「八ック謎ナゾ生命体」ですが、何ですかこれ?意味が分かりません。とにかく八丈島の謎の生命体を紹介すればいいんですよね。

八丈島に棲む謎の生きもの、ってことでまずは哺乳類といきますか。

レグルスの隣に住むギンポおやじは…、おっと、こちらは謎でもなんでもない人間でした。ちょっと変だけど。いつも上空を飛ぶカラスに怯えながら車道を行き来するイタチくん…、おっと、こちらは人間が持ち込んだ外来種だから八丈島本来のほ乳類ではないですね。それにイタチは結構お馴染みの生きものなので謎ナゾちっくではありません。

それでは、こんなのはどうでしょう?

八丈島には日本で2番目に長い風穴があります。その中に入っていくと、段々と狭くなっていき中腰で歩くと、アタタタタッ、腰に悪いです。我慢して奥へ進むと、途中に大きな広間のような場所があります。

足下がなんかフワフワして、獣臭くなってきました。よく見ると、コウモリの糞が地面いっぱいに広がっているのです。天井にはスヤスヤと眠るコキグガシラコウモリたちが島民、いや冬眠しているのです。

このコキグガシラコウモリは、八丈島唯一の在来の哺乳類です。謎ナゾっぽいですか?

コウモリはよく知られているから謎ナゾっぽくないのでダメですか。

それでは爬虫類といきましょう。ヘビ好きの私としては爬虫類=ヘビです。在来のヘビといったらマムシかな。というか八丈島の在来種はマムシしかいませんでした。

ところが人間が住めば、生活するために外からいろいろなものを持ち込んでしまいます。

温暖な多湿の島は、南の島々からいろいろな観葉植物が持ち込まれ、栽培され売買されます。八丈島というとフリージアやハイビスカス、ストレチアがとても有名ですが、みんな外から持ち込まれ、栽培されるものから自然繁殖するものあり、今では立派な八丈島の花たちとなっています。 そんな植物の鉢の中に時々様々な生きものたちが隠れている場合があります。

一度ハブが入り込んでしまった事もありましたが、さすがのハブくんでも八丈島の厳しい冬の寒さで死に絶えてしまったようです。八丈島の厳しい寒さも平気というよりも、八丈島って暮らしやすい♪と、爆発的に増えたのは、アオダイショウくんです。

まぁ無毒だし、野ねずみを食べてくれるから益獣になるのかなぁ〜。アオダイショウが増えて困るという苦情はあまり聞かれません。でも八丈には様々な野鳥が棲んでいるので、アオダイショウの増加で野鳥たちが減らないかと心配です。

どうです、謎ナゾっぽいですか?

本州ではごく普通に見られるアオダイショウだからダメに決まってますよね。それではこちらはどうでしょう。

ブラーミニミミズヘビです。名前の通りミミズのような大きさで目は退化していて地中で生活しています。

この子の凄いところはメスしかいないこと。オスがいなくても卵を産んで子孫を増やしちゃうことかな。自分のコピーをどんどんと増やしちゃう単為生殖ってやつです。これは間違いなく謎ナゾ生命体っぽいでしょ。どこから来たのかは分かりませんが、トカラ列島中部以南の南西諸島から植木と一緒に来た可能性もあります。この種類、単為生殖であるが故に環境が合えば爆発的に増えるんだけど、環境が合わなければ絶滅してしまうという、極端な繁殖力。急激な環境変化に弱い種だってことです。

今のままの環境が続けばブラーミニミミズヘビたちが、その後も安心して八丈島で暮らせます。環境が変わらないといいなぁ〜。

ちなみに彼らの食べ物はアリや白アリなどの小さな生きものたちです。レグルスの周りにたくさん棲み着いてくれないでしょうかね。

ではもう一丁!

かっこいぃ〜♪ 日本にもサソリがいたんですね。と思ったら毒針なしのサソリによく似ているサソリモドキという種類でした。もちろん八丈島の在来種ではありません。おそらく南西諸島の島々から植木と共にやって来たものだと思います。

毒針の代わりに酢酸を吹き出す管があり、危険を感じたときにこの酢酸を吹き付けてその強烈な匂いに怯んだ隙に逃げて身を守ります。日中は石の下や岩の隙間などに隠れじっとしていますが、夜になると活発に動き回り大好きなサツマゴキブリやヤスデなどを捕食しています。

いやぁ〜ますますかっこいぃ〜♪ 一度でいいからサソリモドキVS巨大ヤスデの戦いを見てみたいものです。

写真の子は日中に見つけて、寝ぼけた状態の時に撮ったものです。サソリ似にているんだから、やっぱり毒針部分に似た管を立てていないとかっこよくありません。ちょっと失礼と指で刺激して怒らせちゃいました。手には酢酸の吹き付けられた後が…。

怯むどころかそんなこと気にせず思う存分撮影したのでした。ちなみにこの酢酸、かなりの刺激物で、人によっては皮膚炎を起こしたり、目に入った場合は角膜炎を起こす恐れがありますのでよい子は真似をしないようにお願いします。

えっ、私ですか? ご心配なく。カツオノエボシを素手で触っても平気な強靱な皮膚をしていますから。あはっ!

「八ック謎ナゾ生命体」、いかがでしたか。

おっともう一つありました。

八丈島のレグルスの上の交差点の角にあるお店のおばさんは、煙草を1カートン買うと100円ライターをサービスしてくれます。 ところが、おじさんはレジの前に陳列してある100円ライターを全部持って行けと言うんですよ。40個近くある100円ライターをもらって一体なにするんですかって感じ。

ある意味、このおじさんが一番「謎ナゾ生命体」だと思います。


水谷
水谷 知世

昭和40年代生まれ
兵庫県出身

一見、負けず嫌いで男勝りというイメージだが、実は繊細な女性らしい一面を持つ、頭の回転はレグルス一番!!の頼もしい存在である。(レグルス親方・談)

伊豆諸島・八丈島

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