ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ | 豪海倶楽部 |
第四話 案内(ガイド)の意味を考える(前編) 「不案内なもので」という、良く分かっていない事を表現する言葉があります。しかし、精通していたり、理解している時に「案内です」とか「案内なもので」とは表現しません。 逆説的には、上記の表現でも可能だと考えますが、何故そう言わないのか?これは、通じている(理解している)場合には、それをそれとして主張しない、ある種の婉曲的な話法の一つではないかと考えられます。つまり、案内を必要としなかったと思ったが、実際にやってみたら上手くいかなかった、実は理解していなかったことの結果表現が「不案内」に集約されているのだと思います。 しかもここには、字は違いますが「不安」という要素まで含まれています。安心できないこと、それは確固たる裏付けやしっかりとしたデータに基づいていないことを指し示します。ちなみ、案内の「案」は、安心の「安」の下に「木」があり、安心を支えるものは、大地に根を張った木の存在(イメージ)が不可欠だという漢字の成り立ちがうかがえます。これは、その場所に長く留まり、成長して、周囲を見渡せる高さにまで成長しなければ、案内をすることは難しいという、ガイドの基本に通じます。 以前にも書きましたが、ある程度の経験を積んだガイド諸氏であれば、他の場所に行っても、かなりの短期間で、そのポイントをガイドすることは可能です。しかし、それは案内ではなく、安内の域でのガイドに過ぎません。要は、安全の内にダイビングを終えることのできるレベルでのガイドです。これは、必要不可欠な要素ですが、本来的なガイドとしての面白み(ガイドする方も、されるゲストにとっても)に欠けます。 画像は、南の海で見られる海藻の代表格とも言える「ラッパモク」の仲間です。どうしても、温暖な海ではサンゴについつい目がいってしまいますが、海の中の循環には、サンゴだけでなく海藻も大きな役割りを果たしています。 もっと視点をマクロにすれば、珪藻も光合成をバンバンして、酸素の泡を海中に放出しています。陸上では可視化しにくい光合成の仕組みも、海中では簡単に紹介する事ができます。誰ですか?かき集めて、高濃度ナイトロックスで加速減圧を目論んでいるのは? |
鉄 多加志 1965年生まれ 清水出身 生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。 通称「視界不良の魔術師」 静岡・三保 ダイバーズ・プロ アイアン 〒424-0902 静岡市清水区折戸2-12-18 Tel:0543-34-0988 Divers Pro IRON blog.goo.ne.jp/under-w blog.livedoor.jp/diverspro_iron ameblo.jp/g-iron iron@if-n.ne.jp |