新しい船
パラオに新しい船が来ます。
先月、僕はそのために、ほぼ1ヶ月日本にいました。
パラオ入港の予定は10月2日で、10月8日から運行の予定です。僕は毎日書類との格闘で、9月はほとんど海潜っていません。(涙)
なので今月は海の写真ではないのですが、ご勘弁ください。
11月号では、少し掘り下げて書けたらいいなと思っています。
茜色の海
日が沈んだ後に港へ帰るボートから水面を撮った。
空が紫色に変わる前の数分間、茜色を映した海はなんとも言えない雰囲気になる。ずっと見ていると色を波に乗せてまるで幾何学模様アートのようにも思えてくる。海に出ていてもこの色はなかなか見られる機会は少ない。なぜなら、この色は本当に暗くなる直前にしかならないから。空の色が赤くなる天気も必要で、コンディションとタイミングが大事。僕はこれほどいい条件にあったのは今までで一度しかなかった。
そして話は変わるが、デイドリームはこの秋から新しいクルーズを就航する。ここ数年はカタマランヨットであるTIDA again を使って冬季限定のクルーズをしていた。僕らの中でその発展形がこのクルーズとなる。オーナー下田の構想は実に10年。長かった。これでパラオの南西諸島まで行けるようになる。
いままで難しかった場所へリーチしやすくなるのはもちろんだけど、これからはいつも海の上に居られるようになることが嬉しい。
いつかまたこんな海の色を見られるだろうかと、自然と期待をしてしまうのであった。
7月は結局ほとんど海に行けなかった
7月は結局ほとんど海に行けなかった。1日から21日まで日本に帰国していたのもあるが、パラオに戻ってきてからも新しいプロジェクトの準備でバッタバッタしながらドッタバッタやっていたので気がつくと結局5日しか海に出ていないことに今、気がついた。もしかするとこんなに海に出る日が少ないのは今までに無いかもなぁ・・・なんて思いながらも、それを探ったり調べたりするのは面倒だからやらない僕なのであった。
と、そんなことを書きたかったわけではありません。
近年、でもないけどペリリューへ行ってたころの数年、僕はマクロレンズを持つことがほとんど無かった。考えてみるとずっとワイドばっかだった。それ以前はかなりの頻度でマクロレンズも持って海に行っていたのだけど、これもペリリューという海のせいなのだろうか。決してペリリューの海がマクロな奴らが居ない訳でも見れないわけでもないのだかが、ワイドで撮らなきゃand撮りたい群れが多かったのが事実だ。
あと、もう一つの理由がDXフォーマットと105mmというセットと僕の相性。フィルムの時はフルサイズに105mmだったんだけど、ニコンは当時1.5倍のDXフォーマットしかなかった。で、この105mmマクロと1.5倍のDXレンズのセットがなんとなく使いにくくていつの間にか使わなくなってしまった。60mmに入れ替えてみたりもしたんだけど、なんかやっぱりちょっと使いにくくて・・・。
でもね、最近とうとう、っていうかやっとフルサイズが僕のところにやってきて、久しぶりに水中で105mmを使ってみている。うひ、やっぱりこの距離感覚が僕に合っている。手ごろなところでイバラカンザシを一枚撮ってみた。最初は逆さまに撮っていたので気がつかなかったが、見ているうちにこのイバラカンザシがだんだん人の顔に見えてきた。
って、ここまで書いて、そういえば以前 似たようなことを西表の要が書いていたようなことを思い出した。が、もう書き換えている時間がないし、ここまで書いてあげた783文字が可哀想なのでこのままアップすることにするのでした。
ではまた来月。
夏前
パラオは夏前、乾期最後の天気が続いています。
今月は写真だけですみません。
次の時代を担う子達へ
この5月の2週末、合計4日間にわたってこっちの高校生をダイビングに招待した。これはパラオへの社会貢献活動の一つで、今回はパラオハイスクールの生徒を対象にして体験ダイビングを楽しみましょうというイベント。
数ヶ月前から企画書を作り、パラオハイスクールの事務局へ持ち込むところから始まった。事務局、教員、そして父兄説明を行い、イベントへのGOサインがでる。参加するのは高校生だから親権者の同意も必要。学校公認のイベントとするため踏まなければならないステップは多かった。担当のスターはかなりの回数を学校との往復をしていた。大変そうだったけど、でも楽しそうだったのが印象的だった。
そんな苦労もあって、受付は順調だった。最初の受け入れ枠は1日10人で、4日で40人。募集開始から2日間で全ての枠が埋まった。そのスピードに生徒たちのダイビングへの興味の高さを知った。実際4日間で参加できたのは20名程度だったが、この2週末は僕らにとっても熱い日々となった。
はてさて、なんでこんなことを僕らがしているのかというと、僕らがこの国に暮らして、ここで商売をして、なにかしらこの国にお返しをしなければならないと考えたから。何かパラオのために、パラオの人たちのためにしたい、と思ったから。
税金払ったり、寄付をしたり、既存のボランティアイベントに参加したり、やり方はいろいろとあると思う。もちろんそういう協力もしているけど、僕らは僕らの強みであるダイビングで何かしたかった。磯遊びや水泳は子供たちから皆やっているが、意外にも海の中を見たことがない子がほとんど。これだけダイビング天国に生まれても、この国にはこの海の中を知らない子が沢山いるのだ。
僕らは体験ダイビングというプログラムを通して、パラオの若い世代に自分の国の海の素晴らしさと、パラオの観光産業の大きな柱の一つであるダイビングを見てほしかった。もし彼らがここから何かを感じてくれて、そして将来のパラオのダイビングシーンを担う人材が出てきてくれたらこんなに嬉しいことはない。
ショップに戻ってきて解散前、いつの間にかデイドリームの車を全て洗車してくれていた。そんな彼らの気持ちが嬉しかった。「写真撮ろうよ!」と声をかけて記念撮影をする。少しシャイな、でも素敵な笑顔をみんな見せてくれた。
「また、いつか一緒に潜らせて!」
最後にそう言って握手をしてきた彼らの目に、パラオの将来が少しだけ見えた気がした。
真夜中のペリリュー
GWが終わって一息ついたらもう今期のペリリューステーションの営業もあとわずか。
お客様も少ない時期に入って最近は余裕が出てきたので真夜中にちょこちょこ潜っています。
ペリリューの南の港から一歩外に出るとそこはすぐ外洋真っ只中。
昼間は現れない深海性のハダカイワシやウキエソの仲間が夜になると水面下まで上がってくるのです。
これはウキエソの仲間。お腹の下にずらり並んでいるのは発光器です。真下から見ると夜間の空港滑走路みたいでかっこいいですよ。
ライトの周りをずらりと囲んだマツカサ達が光の輪から外れた稚魚や甲殻類を片っ端から食っていくのですがウキエソやハダカイワシの鱗は剥がれやすいので彼らが食われると鱗が飛び散ってきらきらしてキレイなんです。不謹慎極まりないんだけどやっぱキレイなので見入ってしまうんですよね・・・
そして各種稚魚幼魚たちも夜になると姿を現します。
この見慣れない魚はエキオドンと呼ばれるナマコカクレウオの仲間の幼魚。
長く伸びた背鰭のところどころにぼんぼりがついているのがおしゃれですね。
ちなみにこの背鰭とぼんぼりがないタイプもいます。
この魚はテンジクダイの仲間の稚魚です。
広げた腹ビレがまるで花火のようなので勝手に花火テンジクダイって呼んでますがボウズギスモドキ系の稚魚のようです。
昼間は全く姿を現さない彼らが主役になる夜のペリリューもまた今まで知らなかっただけでペリリューらしい海の表情なのでしょうね。来期のペリリューステーションでは正式なメニューとして登場する予定ですので興味のある方はぜひリクエストしてくださいね。
さて、私事で大変恐縮ですが5月のペリリューステーションのクローズを持ちまして一旦陸に上がりたいと思っております。パラオが恋しくてまたすぐ戻ってくることも十分にありえるのですがけじめをつけるためにもここで一旦筆(!?)を置かせて頂きます。
毎回毎回素人丸出しの稚拙な文章と写真にお付き合い下さいましてありがとうございました。
ペリリューステーション自体は秋野の指揮の元、来期も継続してまいりますので今度ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
癒しの水面
5月、パラオはGWさえ終わってしまえば静かな季節となる。ポイントも空いていて、ブルーコーナーなんか僕らだけなんてことも珍しくない。冬のピークとは比べ物にならないほど快適。そして海は乾期のラストスパートって感じにコンディションはGOODとなる。
パラオの各ショップがカヤンゲルなどへロングトリップをするのもこの時期ということからも、その加減が分かろうというものだ。
そんな5月のある日、水底からふと見上げると、水面がさざなみ一つ無いまっ平らになっていた。空や雲まで見えて、まるでここが水中ではないような錯覚すらするほど。ぼーっと水面を眺めていると、なんだか日常の面倒くさいことがどうでも良くなってくる。こんな日は本当にダイバーでよかったなぁと感じるのである。まさに癒しの水面だ。
ジンベエ
何でか知らないけど僕がペリリューに来てからの3年間、4月と5月のどちらかでジンベエを見ている。
別に僕に限ったことではなくて、秋野の時代も同じようにこの時期に出ているからたぶん理由があるのだろう。
真っ先に思いつくのはサンゴの卵を食べに来ているというもの。確かに4、5月はサンゴの産卵が一年のうちで最も激しいらしく、その点では辻褄が合うのだがペリリューよりもむしろコロールエリアの方がサンゴは多い。
と、いうわけでこれは×。
じゃあイレズミフエダイとかバラフエダイの産卵に合わせて集まってきて卵を食べているってのは?
と、考えたのですが、確かにジンベエが出ているのは満月前後や新月前後。彼らの産卵も同じような時期な訳でして、おまけに大西洋のある地域ではフエダイの産卵に合わせてジンベエが卵を食べにやってくると言う調査結果が出ていることからこの線は結構イケてるかも知れませんね。
でもね・・・
イレズミフエダイやバラフエダイが産卵しているのはペリリュー島の南端の潮が外洋に向けて払い出している場所であって一旦払い出した潮がその周辺に戻ってくることはありえないんです。
産卵したいるそばからジンベエがバクバク卵食べているのなら話は別ですが、そういうシチュエーションにはいまだかつて誰も遭遇していないので、この線もやっぱり薄いかな??
おまけにイレズミフエダイはともかくバラフエダイは毎月産卵しているから4、5月に出現が集中するというのも話が合わないんです・・・
あとはペリリューに多いオカガニの産卵に合わせているって線ですが、これは確か満月の頃のはず。今回は新月一日前に出ているから・・・
そんなことを考えながら潜っているうちが楽しいんでしょうね。
今回出てくれたジンベエはロウニンアジの群れを引き連れて神々しささえ漂っておりました。
5月も出てくれよ〜
バードアイランド
先日カヤンゲル島へ行ってきた。
カヤンゲルには4つの島があって、一番北に本島がある。人が住んでいるのはこの本島だけで、他の3島は無人島。環礁の内側に沿うように島が並ぶ。その無人島の2つ目が通称バードアイランド。
オレンジ色の綺麗なビーチがある景勝地で、カヤンゲルへのダイブツアーがあると可能な限りこの島へ立ち寄ることにしている。以前は所有者の利権争いの舞台となって、近づけない時期もあったが、現在は許可を得れば誰でも行くことができるようになった。
ここのビーチは干潮時になると数百メートルもの渡り廊下のような砂の道が隣の島へ向かって出来る。ほとんど人なんて来ないのでビーチには足跡なんて無粋なものは一つも無い。ボートを降りて足跡をつけることが悪いことのように感じられ、どこを歩いたらよいのか迷ってしまう。
数百メートル続く砂の回廊の先端はアジサシたちの休憩地になっていて、オオアジサシやクロアジサシ、エリグロアジサシなどが数百羽の数で羽を休めているのを観察することができる。
ゆっくりと驚かさないように近づくと「ギッ、ギッ、ギッ」と警戒音を鳴らしながら頭上を飛んでいく。そんな嫌がらなくてもいいのに、と思いながらも歩を進めると、先端近くで突然群れたちが飛び立つ。オレンジの砂、青い空と海、そして飛び立つ白い鳥たちは「ギーギー」言いながら僕らの回りを飛び去っていく。完璧すぎて非現実ってぽい風景が目の前に広がる。何度見ても素晴らしいと思う瞬間。
この島に来ると僕はいつもそう感じさせられてしまう。
だからなのだろう、何回も行っている島なのにまた行きたくなってしまうのは。
イレズミフエダイ
春になるとこの魚がやってくる。3、4、5月限定のイレズミフエダイだ。
昨年NHKで放送されたからご覧になった方も多いと思いますが、多い時には10万匹を越える群れを作るこの魚、初めて見たときにはその群れの規模の大きさに圧倒されてどこをどう泳いでアプローチしていいものか途方にくれたっけ・・・
正確には秋にも群れるのですが秋は数が少ないのでイマイチ。本当は一匹いたって大騒ぎするくらい貴重な魚なのですが何でまたこんなに大きな群れで一箇所に押し寄せるのか本当に不思議です。
パラオ内で群れる場所は現在確認されているのは3箇所だけ。一番有名なのはペリリューですが、実は北にあるテールトップリーフの方が圧倒的に数が多いのはあまり知られていません。
と、いうのも遠すぎてめったに行けないしおまけにコーナートップ-50mを越える深さなのでなかなか手を出しにくい場所なんですね。と、言うわけで比較的手軽に狙えるペリリューの方がメジャーなんです。最近では一気に知名度が上がったせいかイレズミフエダイが出ている時にはコロールからの遠征の船も多く、群れはバラけ気味になってしまっているのが辛いところです・・・
まあ、バラけてはいても彼らの行動パターンが読めていれば先手を打つことはできるのでそれはあまり気にしていないのですが問題は安全面。
イエローウォールで出ている時にはまだ安全面で問題は少ないのですがエクスプレスで産卵中の群れを狙う場合は時として激流。それでも多くのグループが潜っている光景は正直不安を感じます。
ここまでイレズミフエダイとその産卵シーンを有名にしたのは秋野を始めとした我々だという自負がありますがそのせいでペリリューがメジャーになり、ここで潜ることの敷居が下がったと勘違いされている現状はいつか大きな事故に繋がるのではないかと危惧しています。
いっそイレズミフエダイなんていなくなってしまったら・・・
いやいやいや、それはやっぱ困るでしょ
冬の風物詩
今年もようやく冬らしい冬になってきた。連日の快晴。風の弱い空には“わた飴”のような雲ができ、凪ている水面は濃い青の光を反射する。ボートを走らせても、水中に入っても、弁当を食べてもあくびをしてても、とにかく何をしてても絵になる冬のパラオがやってきた。ようやくシーズンが来たという実感に思わずボートの上で一人ニヤける。昨年秋ぐらいからずっとスッキリハッキリしない天気だったからなお更、この天気に感動をしてしまっている自分がおかしい。
そんな冬のパラオでは普段群れない魚たちが群れを作る。冬の風物詩とも言われる“ツノダシの群れ”もそのひとつ。繁殖のために群れるのだが、普段見られない光景は何百本と同じポイントを潜っている僕らガイドでも楽しみなもの。以前からその群れが居ることは分かっていたけれど、それがどこに、そして何時にその群れが一番大きくなるか?までは意外に知られていない。
潜って潜って潜り込んで、データを集めていくと面白い事実が見えてくることもある。月齢と潮と時間を計ることで見えてくる行動や生態がある。今まで分からなかったことや知られていなかったことが解き明かされるのはとても面白い。まだ集めなければならないデータというか、ツノダシに関しては疑問点を一つずつ減らしていく作業がもう少し必要だけど、近い将来 ツノダシなら何月何日の何時にどこに行けば・・・という状況になればきっと楽しい。その先にはきっと何かある。その先にたどり着くために今がある。そんなことを考えながらパラオの冬の風物詩を眺めている。
巨大怪獣
満月が近づくとわくわくします。
と、言うのも満月近くになるとロウニンアジの数が増えるしバラフエダイが産卵のために群れるから。
ロウニンアジはもともと1000匹くらいは常に見れるんですが、満月前後は5000匹以上にもなるのでアプローチしやすく迫力満点です。そして迫力ではそれ以上を行くバラフエダイ。
多い時は1万匹以上になりますがすごいのはその密度。
普通の状態ではただ単にすごい数が群れているだけなんですけれども彼らを追い込んでいくとやがて群れは巨大な一つの生き物のようになって竜巻状に水面に向かって伸びていくんです。
イメージはゴジラとかそんな感じの巨大怪獣ですよね・・・
この塊を目の前にするといつ見ても言葉を失います。
はるか太古の昔から毎月毎月満月直前になると決まって集まってきては産卵を繰り返す彼ら。
人間が文明と引き換えに捨て去った何かとても大事なものを彼らは大事に受け継いでいるんでしょうね。
顔リーフ
今年の1月はどうも天気がすっきりしなかった。雲が多く、時には雨風もあったりと、とても乾季だと思えない日が続いた。去年、2009年の夏はパラオは台風の影響がしっかりとあった。こういう翌年は冬の乾季がパリッと乾季らしい天気になるのが常だっただけに、やはり季節がすこし後ろにズレているのかなぁ・・・と考えずにはいられない。と、まあそんなネガティブな書き始めになってしまったが、2月はきっと大丈夫だろうと思います。と、あまり根拠のない楽観的な見方をしている。
さて、そんな曇りがちな1月に5日間ほどポイント開発のためにパラオの北リーフを潜っていた。ヘリを飛ばして目ぼしいリーフにGPSマークをつける作業をした後に、実際にボートで現場まで行って潜るという作戦だ。ヘリでの作業はパラオを南北に分けてそれぞれ2時間ずつを1日で飛んだ。さすがにお尻が痛くなった。でも、片っ端からリーフの写真を撮っていたら、気になるポイントがいくつもあったので成果はあった。流石だ。
今回では潜りきれなかったポイントも沢山あるので、今後も水中リサーチを継続していくことになるが、それにしても、規模というか範囲が広すぎて一体どこから手をつけようかと思うほど、パラオはまだまだ可能性があるのだと思う。気の遠くなるような話だけど、手前から少しずつ、一つずつ地道にやっていくしかない。
そもそも新しいポイント探しなんて砂浜でダイヤを探すようなもので、滅多に当たるもんなんかじゃない。何十本、いやそれこそ何百本と潜ってようやく新しいポイントが一つあるか無いかってレベルなんだから。それでも続けている理由は、やっぱり自分たちがそれをやっていて楽しいからなんだろうと思う。
そんなことを考えながら、リサーチポイントを決めるため写真を見て気になるリーフのGPS位置情報を書き留める。そんな作業をしていたときにこの写真があった。じーっと見ていたら、じーっとリーフを見ていたら、なんだかピカソ系の絵のような人の顔に見えてきた。それも笑っている顔だ。一度そう見えはじめてしまうと、もうそれにしか見えてこない。こうなると真面目な写真もネタとなってしまう。あなたにもこの写真の顔が見えるだろうか。
冬の満月前
パラオには四季がない。
いや、あるにはあるのですが日本のそれのようにはっきりとしたものではなく、それゆえに「ああ、もうこんな季節か」と感慨にふけることもめったにないことなのです。
が、海の中となると話は違ってこのツノダシのように毎年冬の満月前に大群をなす光景を見られるのが唯一季節を感じられるイベントなのですよ。
ペリリューから狙いやすいのはブルーコーナーで、今回は最大3000匹くらいの群れで現れてくれました。
群れていても割りとめいめい好き勝手にエサをついばんだりしているんですけど、ロウニンアジやネムリブカなどに襲われた際に一斉に向きを揃えて駆け回る様子は、いつ見てもため息が出るほど美しいものです。
一属一種からなるこのツノダシは産卵のために大きな群れを作っているのは明らかなのですが、いまだにその産卵形態はよく分かっていないということ。
一度普段よりも密になった群れが沖に出っ張ったりまた元に戻ったりを繰り返すうちに、出っ張りの途中で切れてそのまま球形の群れが沖にフラフラと出て行って消えてしまった場面を目撃したことがあるのですが、そのまま沖で産卵しているのではないかと思わせる行動でした。
普通はこの手のリーフフィッシュは流れが払い出すリーフの際などで産卵することが多いのですが、彼らの産卵形態はどうも違っているようですね。それゆえに分布域が広いのではないかと勝手に考えているのですが、誰かご存知の方がいらしたら教えてくださ〜い!!
ちなみにこのツノダシ、1〜2月が一番大きな群れを作るので、来月もお勧めですよ〜。
ただし、普通にブルーコーナーを潜っても1000匹超の大きな群れに当たる確率はそれほど高くないので、ツノダシ一本でしつこく粘って同じ場所に潜り続けることがいいシーンにめぐり合うためには必要です。
と、言うわけで来月の満月前には、ペリリューコーナーそっちのけでブルーコーナーにまた通ってきま〜す。
謹賀新年
2010年も皆様にとって素敵なダイビングができる年でありますよう、青い空が見える碧い海の中から願っています。
本年もよろしくお願いいたします。
皆様あけましておめでとうございます
2010年は寅年ということでここはペリリューらしく一発タイガーシャークの写真で!って、スミマセン、持ってないのでトラフザメでご勘弁を・・・
でもこのトラフザメ、英名だとレオパードシャークかゼブラシャークになっちゃうわけですから厳密に言うと寅年にはふさわしくないのか? いや、タイガーシャークだって和名はイタチだからどっこいどっこいか・・・
まあ、そんなことはどうでもいいんですけどね。
ペリリューではどちらも見られるサメですが、さすがにタイガーはそうそうお目にはかかれずうまく出会えたら嬉しさ半分恐怖心半分といったとこでしょうか。
昔6mオーバーの個体にすり寄られた事があったけど心臓止まりそうになったっけ・・・
ちなみにこの原稿を書いている時点ではまだ丑年だからというわけではないですが残り少ない丑年を惜しむかのように最近はブルシャーク(ウシザメ)が連発しています。
ペリリューの顔的な大型のサメといえばやはりこちらのウシザメの方。メタボな体型が親近感を与えるせいか愛着が湧くのですよ。
とは言っても立派な人喰いなのであまり親密になりすぎてもちょっと・・・何事も程々がよろしいようで。
今シーズンは水温がやはり低いようなのでブルシャークはコンスタントに出てくれそうですよ。
お好きな方はぜひどうぞ。
ガイドのつぶやき
- 三浦半島・葉山から
- 真鶴半島・湯河原から
- 伊豆半島・伊東から
- 伊豆半島・川奈から
- 伊豆半島・伊豆海洋公園から
- 伊豆半島・大瀬崎から
- 伊豆半島・平沢/静浦から
- 伊豆諸島・八丈島から
- 静岡・三保から
- 紀伊半島・尾鷲から
- 和歌山・串本/古座から
- 高知・沖の島から
- 鹿児島・屋久島から
- 沖縄・本島から
- 沖縄・久米島から
- 沖縄・西表島から