第六話 ガイドの技(第1編)
明けまして、おめでとうございます。
今年は「虎」年ですね。
昨年後半は、干支にちなんだネタが、よくリクエストされたり、喜ばれたりしました。
...っと言う事は、もぉ今年は喜ばれないっつ〜か、見向きもされないって事なんですね?(涙)
来年の干支にトラわれず、今年もいろいろなネタにトラいしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
では、ガイドのお話しも、いよいよ佳境です。お楽しみ下さい。
(第1編)既知差異認識
ネタをリサーチする場合、そのもの自体を見つけ出そうとしても、なかなか見つかりません。
もちろん、見つける対象がハッキリしている場合は、そのものズバリを求めるので、このサーチパターンは必要ありませんが「何か?」を見つけなければならない場合は、自分のイメージに実像を投影して、その差(違い)が何であるか、それがネタとして成立足るものなのか?を、時には風景として、またある時にはホスト(宿主)などの個別の生物や擬態する背景と比較して得るのです。
そんな事は、当たり前のことで、取り立てて明文化する必要がないように思われるかも知れませんが、これは先に挙げた確固たる自分の「イメージ」が出来ていないと投影をした際、実像のインパクトに引っ張られてしまって、差異を認識できないのです。何千何万回となく、風景や物体を自分のイメージとして刷り込み、普遍のアルバムを形成しなければ、この方法は使えないのです。
ガイドが季節ごとデフォルトとして持っているネタだけでなく、次々に新しいネタを生み出すのは、この感覚が形成されているからなのです。
画像は、ヤギについたアズマケボリの幼貝です。
外套膜の突起が、ヤギのポリプに似ていて、見事な擬態です。
大きさは2mm程度です。
ですから、見える訳がないのですが、上記の感覚さえ備われば探せます。
鉄 多加志
1965年生まれ
清水出身
ガイド会所属
生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。
通称「視界不良の魔術師」
静岡・三保
ダイバーズ・プロ アイアン
〒424-0902
静岡市清水区折戸2-12-18
Tel:0543-34-0988
Divers Pro IRON
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