第四話 索餌行動の考察と謎解き(前編)
トゲモミジガイの時間帯による水深分布傾向を調べる事で、索餌行動が明らかにされ、そこから何を食べているかが分かり、その胃内容物に毒化原因餌生物が含まれていないか? 索餌された物質が年間を通じて変化していないか? その変化が毒量に影響を与えていないか? などが分かります。
分かります!と簡単に書いてしまいましたが、実際は、6〜7年も掛けて調べていますが、未だに分かっておりません(苦笑)
上記の手順で研究を進めれば、間違いなくトゲモミジガイの毒化のメカニズムは解明される(糸口が見つかる)はずなのですが、面白いもので分からないのです。
この紐解きというか、ジグソーパズルのピースを見つける作業と言うのが実に面白く、福山雅治ばりに「実に!興味深い!!」と唸ってしまうのです。
ここで、何に(あるいは何処で)躓いているのかを言ってしまうと同業研究者からバカにされる(笑)恐れがあるので伏せておきますが、まだ誰も到達していない「謎」に挑戦するのは、有意義で楽しい時間です。
なので、僕の崇高なる研究を目撃して、あっ!また遊んでるぅ〜とか言わないで下さい。(笑)
僕は、トゲモミジガイと言う、見てクレが悪く、誰も見向きもしないようなヒトデを通じて、生物の歴史を遡る旅に出ようとしているのです。
えっ?どんな旅だって?
それを語り始めると年内どころか、下手すると年度末までその話しになっちゃいそうなので次回、ほんの触りの部分だけをお話ししますね。(終われば良いけど)
" 第四話 索餌行動の考察と謎解き(前編) " へのコメント
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ren: 2011年9月7日 11:33 AM
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鉄: 2011年9月19日 10:39 AM
renさん
コメントありがとうございます。
最近は毒化よりも、何故?毒を持つのか?と言う方に興味が傾いて来ています。毒の産生菌は、各研究機関がいろいろな生物でやり始めたので、面白味が無くなったというか...(笑)
鉄 多加志
1965年生まれ
清水出身
ガイド会所属
生まれ育った環境が、都市部?の港湾地域に近く、マッドな環境には滅法強く、泥地に生息する生物を中心に指標軸が組み立てられている(笑)この業界では、数少ない芸術系の大学出身で写真やビデオによって、生物の同定や生態観察を行う。
通称「視界不良の魔術師」
静岡・三保
ダイバーズ・プロ アイアン
〒424-0902
静岡市清水区折戸2-12-18
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実に興味深い(笑)
やはり餌は貝類が多いのですね
ネジガイとか出てくるのが実に興味深いです