フサギンポの幼魚
先月、北の海のスター、フサギンポを登場させた。久しぶりに北海道で、幼魚図鑑に使えるスター2世を探したのはいうまでもない。これが意外に多くて、成長段階も5パターンぐらい撮れたからうれしい。その中でも1番小さなやつがこれ。7cmぐらいだったかな・・・
バリ島のお面を思わせるこいつは、水深2m程の海底の石の上にちょこんといた。
だいたいは、石のすきまにいるようなので、ラッキーである。見つけた時、かたまったね。フリーズだ!
その他オオカミウオの子供とか、アツモリウオの子供とか、楽しい日々であった。短い夏の北海道は、外は暑い、水は冷たいで、ドライスーツだから、汗で大変だったけど。
だが、羅臼の撮影で1番大変なのは、この写真左下にある海藻。ウルシグサ。こいつが大量にそこらじゅうに、切れて漂っているのだ。ファインダーを覗いていて、被写体手前に漂っていると、人間の素晴らしい目と違い、ピントがないので気づかないわけだ。
まー大量に写真がダメになるポジだったら撮影枚数が限られるから、実際失うものが多かったはずだ。時間を多少ずらしながら、大量に撮影することのできるデジタルだから損害少ないけど。
というわけでこの海藻、カメラマンの間では、ウルセグサと呼ばれている。ホントか?
ちなみに、こいつを乾燥させると、亜硫酸ガスかなんかが出るそうで、ポンと部屋の隅になにげて置くと、おだぶつになる危険な奴なのだという。
こんなん、あるんですね。自然界には。ウルシグサ殺人事件とか、TVドラマになりそうな・・・
吉野 雄輔
1954年生まれ
東京出身
海と海の生物すべてを愛する写真家。
大学卒業後、アジア、南太平洋、南北アメリカ、カリブ海、インド洋など世界の海を放浪、1982年にフリーの海洋写真家として活動を開始。世界80か国ほどの海を取材、《吉野雄輔フォトオフィス》を主宰。
2009年から日本全国をキャンピングカーの旅をスタート、1年の半分以上は海に潜って撮影している。
吉野 雄輔/photojournalist:
happypai.wix.com/kaitei
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- 2020.8:海とは違う美しさ
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- 2020.6:種不明の魚
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