南国通信 楽園からのらくがき 豪海倶楽部  

アンガウルツアー2007

アンガウル島へ行ってきた。アンガウル島と言っても分からない人も多いと思う。ちょっとだけアンガウルについて説明すると、アンガウル島はパラオ諸島の一番南の島で、コロール島から南に65kmほど行った大洋島。パラオを取り囲むバリアリーフのさらに南側に位置する場所にあり、島民200人程度でとてものどかな雰囲気がある。

昨年の豪海倶楽部のバックナンバーで書いている「アンガウル島探検記」のでそちらも参照いただきたい。

このダイブトリップは、お客さん8人とスタッフ4人+OWSガイド2人の総勢12名の大所帯。水中はサメの当たりまくりで9種も見られた。特筆すべきは熱帯域で最も危険とされるブルシャーク(オオメジロザメ)とジンベエザメ。

ジンベエは正直全く期待していなかったのでとても驚いた。パラオではジンベエザメの目撃例は極めて少なく、何年もここでガイドをしていても見たことないという人だっているくらいレアな魚なのだ。現に僕だって、つい最近まで見た事がなかった。そんな魚だからもちろんお客さんも大喜びだったが、でも誰よりも喜んでいたのはスタッフだった。海の中のことはDayDreamのトピックスにあるのでここでは割愛したい。(4月21日“「一生の思い出」の日”〜4月22日“The other story of ANGAUL”)

去年のツアー同様、今年も陸のツアーはOWSにお願いした。OWSの顧問でもあり、パラオ暦ウン十年の倉田先生とネイチャーガイドの上杉君。2年目だから気心も知れていい感じだ。前日に上杉君だけペリリューに入ってもらい、先生は翌日から同行してもらった。昨年は天気に恵まれずツアー中ずっと小雨が降っていたが今年は違う。快晴、快晴、大快晴である。港に上がると、芝生の公園に大きな木がいい感じで木陰を作っている。いよいよアンガウルツアーの始まりだ。

最初はOWSのビジターセンターで1時間ほどアンガウル島の説明を受けた。ツアーブリーフィングをしている普段は「なんとなく優しい青年」というキャラである上杉君が凛々しく見える。やはり男の仕事するときの顔はカッコいいものである。さて、そんな上杉君に関心している間にいよいよフィールドへ出発である。2台の車に便乗して島の西側から回り始める。1日目のコースはリン鉱石貯蔵庫跡〜灯台跡〜〜マリア像まで。

主な移動手段は車で、たまに徒歩で移動しながら観察をするスタイル。1日目の移動中には野生のサルをよく目撃した。アンガウルに生息しているサルは小型のカニクイザル。ドイツ統治時代に持ち込まれたのだそうだ。アンガウルには野生化したサルが250匹以上いるのではないかといわれている。島民が200人だから人間よりもサルの方が多い島ということになる。とにかくとても“すばしっこい”ため、見つけられるのだが写真に撮ることは出来なかった。

2日目は倉田先生が合流。島の南から東海岸側へ自然観察をしながら進む。途中から滑走路を抜けて旧東北港から西港へ戻るコース。マングローブの湿地帯を抜けながらこの島の特異性を説明してくれる倉田先生。なんでも湿地にマングローブであるヒルギの群生が出来るような環境は世界的にあまりないのだそうだ。その後島で一番のガジュマルの木を見学。皆で木の下をくぐったり、少しだけ登ってみたりして遊んだ。考えてみるとこういう体験ってしたことない。

ビーチコーミングをしてムラサキオカヤドカリの大捜索。森に入ればオオトカゲに遭遇したり、パパイヤガラスの鳴き声の聞き分けかたを教わったりと興味は尽きない。倉田先生とこの島を歩くと、ただのアンガウル島が宝の島に思えてくる。でも一番の宝物かなと思ったのはこの島の子供達の笑顔。ギラギラの太陽よりも明るい笑顔だった。

今回のツアーはOWSの協力無くしてはあり得なかった。この場を借りて謝意を表したい。

OWSとアンガウル州立自然公園については下記をご参照いただきたい。

アンガウル州立自然公園
OWSアンガウル州立自然公園プロジェクト
特定非営利活動法人OWS

もっともっとこの島のことを知りたくなった。また来年も来なくてはならない。そんな気持ちにさせられたアンガウルツアー2007だった。


秋野
秋野 大

1970年10月22日生まれ
伊豆大島出身

カメラ好きで写真を撮るのはもっと好き。でもその写真を整理するのは大キライ。「データ」が大好物でいろんなコトをすぐに分析したがる「分析フェチ」。ブダイ以外の魚はだいたいイケルが、とりわけ3cm以下の魚には激しい興奮を示し、外洋性一発系の魚に果てしないロマンを感じるらしい。日本酒より焼酎。肉より魚。果物は嫌い。苦手なのは甘い物。

ミクロネシア・パラオ

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