デジタル談義 その6 | 豪海倶楽部 |
【こ】 | ダイフェスがありましたが・・・ゆーすけさん、その時期ひどい風邪をひいていたのでは? |
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【ゆ】 | ハジメのとこのパーティーでもらいました。ダイフェスで水中映像祭の宣伝をする係でしたが、さぼりました。 |
【こ】 | 自分は会場にいたのはわずかな時間でしたが、初日、2日目の夜、某所やら某所やらで飲んでて、何人かには自分とここのつながりがバレていて・・・「少し難しいけど、あれ以下のモノはどこにでもある」という励ましがありがたかったです。 |
【ゆ】 | うん、たまには今回みたいに、易しいのも入れましょう。 |
【こ】 | さて、ダイフェスでは、イノン、シーアンドシー、ネクサス(五十音順)と、新しいハウジングが出展されていました。ゆうすけさんもかなり注目のEOS 5D用も、シーアンドシーとネクサスから出ていましたね。 水中写真のデジタル化も本当に進んできそうですし、いろいろと悩んでいる人も多いかと思うので、今月は新ハウジングを中心に「一刀両断」しましょうか。 |
【ゆ】 | さんせ〜〜イ! |
【こ】 | まず、総論なんですけど、極端に言えば銀塩の場合、カメラボディは最終的な写りにはほとんど影響がない(=レンズとフィルムが写りを決める)わけなんで、F801でもF5で撮ってもレンズとフィルムが同じであれば、大きな違いはなかった・・・一方、デジタルの場合は、ボディの中身が写りを決める重大な一要素になっている・・・つまり、単に入れ物の出来の良さだけでハウジングを決められなくなっています。 もちろんストロボだけではなく、レンズ・ポートも含めて、ですね。 しかもカメラボディのモデルチェンジは最短で1年半(笑)。まあ、今はモデルチェンジした途端に、旧モデルが全く色褪せて見える、ということはないんですけど。 |
【ゆ】 | でもね、こまるね。3年はみんな使いたいだろうね〜 |
【こ】 | そうですよね。ハウジング+カメラで、現状どんなに安くても20万は超えてしまいますし。 あとは、デジタル化と共に(実際にはその前からですが)いわゆる旧来のストロボの「TTL調光」が使えなくなっており、水中写真では、水中専用ストロボを使う関係上、原則自動調光ができず、マニュアル調光で撮らなくてはいけない状況でしたが、ようやくそれがなんとかなってきそうな感じです。 |
【ゆ】 | これは、みんなうれしいだろうね〜 |
【こ】 | 自分は「マニュアル調光推進派」(笑)なんですが、すごく需要の声は大きいですね。 ただ、それらに対する取り組み方は3社3様で、
となっています。 |
【ゆ】 | う〜〜ン、精度の問題もあるので、俺にはまだ何とも言えん・・・ |
【こ】 | 陸上で使っている限り、「そこそこ」のレベルではあると思いますが、結局微調整が必要なら、最初からマニュアルでもと思うんですけどね。少なくとも旧来のフィルムの単純なTTLよりは精度は上がっているはずですが。 |
【ゆ】 | マニュアルで撮ればいいわけですね。 |
【こ】 | 結論はそうです(笑)。 あるいは、もう完全にオートに頼り切って、露出がずれているものはRAW現像時になんとかできるであろうことを期待するか、です。意外とある程度は行ける気がしますけど。 さて、カメラ別にハウジングを見ていきましょう。まず、ゆうすけさんも注目のキヤノンEOS 5Dですが、シーアンドシーと・・・・アンティス(ネクサス)からハウジングが出ています。 詳細まではわからないですが、ネクサスはひとこと「今までどおり」ですね。ファインダーに関してはD70と同様に選択制になるんでしょう。視度調節など自分にぴったりのものを探すのは手間ですけど、ぴったりはまればいいものでしょうね。 中のカメラは、初めての「何とか普通の人の手が届きそうな価格」のフルサイズ機で、欠点らしい欠点は水中ではほぼ不要な連写スピードとかです。ハイライト域の描写も「相対的には」かなりいいようですし。 |
【ゆ】 | いまんとこ、5Dがいいね、陸でも使うとなると、ボケ味とか遠近感とかが、いままでとおなじようなわけで、過去の資産という意味では、機材よりこちらが大きいかもね。 |
【こ】 | ただ、今までキヤノン対応品はラインアップされていなかったので、ギアとかポート類も同時に商品化してくれないといけないわけです。 一方、シーアンドシーですが・・・同社のデジタル一眼用ハウジングは材質的には第1世代は「樹脂+樹脂」(ABSとポリカーボネート)、第2世代は「アルミ+樹脂」だったんですが、このモデルは総アルミになっています。 |
【ゆ】 | なんでだ?高級感かな? |
【こ】 | 実は先日パラオに行った時に、第1世代に属する自分のDX-10Dをカタログ上の耐圧深度(-60m)程度まで持っていったのですが・・・ダイアルなどがかなり固くなったするんですね。全くの撮影不能ではないんですが。 で、ダイフェスでシーアンドシーの技術者とその話しをすると、やっぱり樹脂は「面」の部分が多少たわむらしいです。 |
【ゆ】 | それはあるな〜金属でもたわむけど・・・60とかいくなら、ま〜金属のがいいかも。 俺のは樹脂だけど、かなり作るのに気をつかうから、金属でいくのもわかる。水中重量が心配だけど。 |
【こ】 | 総アルミになってカタログ上の耐圧深度がどう変わるのかわからないですが、このあたりもう少しマージンが欲しいと思います。 あと、ファインダーですが、「66%のピックアップファインダー」で四隅までほぼ見える、とのことですが、ピックアップ部分はハウジング内側にねじ山を切ってねじ込んでいるだけなんで、簡単に外して「素通し」にできます。もちろん水中ではできないですが。 |
【ゆ】 | こりゃ、いいな。 |
【こ】 | いいですよね。欲を言えば倍率の違うピックアップファインダーをあと1〜2種類出してくれれば、なんですが。 で、この2つのモデルの比較なんですが、写真に写っている範囲でわかりやすい違いを指摘すると、「(メイン)電子ダイアル(シャッターそばのほうのダイアルです)・・・をどう操作するか」というところで、わかりやすく違っています。S&Sは中身のダイアルのある位置に付けただけ、一方、ネクサスはギアを幾つか介して、シャッターレバーのすぐそばまで持ってきています。 操作性から言えば間違いなくネクサスに分があります・・・が、セッティングの容易さ、シンプルゆえのトラブルの可能性の低さという点も大切なことですよね。 |
【ゆ】 | メインを絞りにわりあてると、ネクサスのがよさそうだけど、ストロボの方で露出調整をする人、オートで撮る人なら、そんなにいじらなくてすむからね・・・ |
【こ】 | あとはジリオンが出していますね。 http://www11.ocn.ne.jp/˜zillion/EOS5D/ ここのハウジングはとてもコンパクトで軽いのが特徴です。ポート・ギア類もアテナのOEMのものが一通り揃っていますし。 |
【ゆ】 | 軽いね、さわってきた。 イノンのポートがつかないから、(過去の資産)俺的にはちょっとつらい。今の3台のハウジングと、いろいろ共通のがありがたい。自分で作るしかないかな? デジは1台水中入れるだけだから。 |
【こ】 | 自分はマクロはシーアンドシーのハウジングにイノンのポートを使っているわけですが、それにあたって、「ポートコンバーター」なるものをかましています。 ポートの取り付け部の口径>ハウジングの口径、の場合はちょっと無理が出てきますが、検討の価値はあるかと思いますよ。 さて、ニコンD200・・・これもシーアンドシーとアンティスから出るようです。ハウジングの特徴は5Dのものとほぼ同じ感じです。カメラ自体は「縞々問題」で一部で大騒ぎです・・・若干、「重箱の隅をつつきすぎ」の感もあるんですが、ニコンの対応もオソマツで・・・。 あと、結果的にずいぶんとロングライフモデルだったD100の後継機としては「売り」がないんですよ。せいぜい画素数と「まし」なファインダーくらい? 驚異的な電池の寿命を誇ったD100に対して、相当電池の減りが早いようですし。まぁ3ダイブぐらいは持つんでしょうが。 |
【ゆ】 | 能力があがると、電気くうんだろうね〜D100持ってる人は、D200の次ぐらいねらえばいいかもね。デジでは全部おえないよね・・・ |
【こ】 | あと、ダイフェスとは関係ないですがニコンの105マクロがモデルチェンジしましたね。フォーカシングによって鏡筒が伸び縮みしない「インナーフォーカス」はそれだけポートをコンパクトにできるんで、水中では大きな利点ですね。 |
【ゆ】 | そうそう、マクロだってデジ用開発してほしいよね。マクロは影響少ないかもしれないけど・・・ |
【こ】 | キヤノンはAPS-C専用のEF-S60mmマクロ(換算96mm)がありますが、フルサイズで50〜60mmに相当するマクロは、オリンパスが「35mmマクロ」(換算70mm)を出しているだけですね。 さて、ハウジングの最後はコンセプト発表より足掛け3年、後継機の30Dが発表されてしまった、イノンのEOS 20D用(10D用も最初だけオーダー可)ハウジングです。 一番目に付くのは「ファインダー」ですが・・・。 カメラのファインダー像がそのままの大きさで見れる、というのが売りですね。中身はガラスの塊り・・・つまりカメラの「ペンタプリズム」をもうひとつ付けた感じです。重いです。ハウジング単体(とカメラ)ではほとんど中性浮力らしいんですが。 しかも上45度から覗き見るスタイル・・・イノン曰く、あおって撮るのに便利とか、はいつくばって撮らなくてもよくなる、と言っています。 |
【ゆ】 | あとで、このペンタが無いのも出るらしい・・・一見、いろいろファインダーにつけない派の僕には、何台も運ぶので、このペンタだけで、スペースとりそう。はずれるのかな。 あと、この角度だと、慣れがいるんだよね。泳ぎ方、魚のおいかたそのものが違うんだ。むかし、ペンタのLXに外国製でこういう角度のがあったんだけど、俺には使えなかった。 たしかに、ハゼをゆっくり撮るとか、川にはいいんだけどね〜 |
【こ】 | ビデオカメラやコンパクトデジカメで液晶を自由な角度に設定できるものが多いじゃないですか・・・実際それを使ってみなさんも「動きモノ」を追ってみてください。見ている方向と実際の動く方向に角度が付いていると・・・簡単にはまともに追えません。「慣れ」かもしれないですが。 当面はこのファインダーの仕様のもののみの販売で(取り外しては使えない)、ごく普通のファインダーのものは少なくともしばらく売らないみたいです。 |
【ゆ】 | やっぱ、そうでしょう。ちがう次元になっちゃうんだ。これではじめればいいかもだけど。 |
【こ】 | あと、この大きなファインダーのせいで、液晶画面がものすごく見にくくなっています。撮影直後の、特にヒストグラムのチェックがしずらいのは・・・個人的にはありえません。 |
【ゆ】 | なるほど〜 |
【こ】 | ファインダー以外では・・・材質はアルミの削りだし、他社の鋳物とは違った高級感と強度ですね。特筆すべきはダイアル類の操作性の良さです。とてもコンパクトでもありますし。 あと、今回「ES-S60マクロ」のポートが同時発売のようですが、そのほかには特に発売がないようです。非常に評判のいいワイドレンズ「EF-S10-22」に対応する気はないみたいですね。 |
【ゆ】 | イノン、いいんだけど、何かひとつ、ひっかかるね。 |
【こ】 | そうなんですよ・・・ストロボの端子も、光接続のほうは初めっから「4つ」(!)ついているそうですが、シンクロ接続の端子は「後から改造で対応」だそうです。ファインダーも含めて「あとさき」がどうもこんがらがっていると言うか・・・「ユーザー不在」でしょう。あのファインダーではなく普通のファインダーならば、値段も結構下がると思うんですけど・・・。 20D用はネクサスからも出るようなんで、シンプルなのを望むならそちらですね。 またネクサスからは富士フィルムの「ファインピクスS3PRO」用ハウジングも出るようです。レンズマウントはニコンFマウント。ダイナミックレンジの広さが売りのカメラなんで、ワイドを中心の人は一考に値するかと思います。 さて、ハウジング以外ですが、目に付くのはS&Sのストロボ「YS110」と「TTLコンバーター」です。 「YS110」は「DS-TTL」と題してプリ発光方式のカメラにつないで「TTL調光」ができる、とうたっています・・・が、カタログをよく読むと、調光が可能なのはイノンのD-2000シリーズと同じ「内蔵ストロボにスレーブさせた場合」なんで、特に画期的なものとは言えないですね。リサイクルタイムが今までのモデルよりカタログ上は1秒速くなっていますが。 |
【ゆ】 | このへんのデータもチェックしないと。もともと4秒だったのが、3秒なら上等だけどね。 |
【こ】 | ただまぁ、このあたりの「メーカー発表値」はあまりあてにならない、というのはゆうすけさんが実感されているようですし、きちんと検証が必要ですね。 一方、「TTLコンバーター」ですが(上のDX5Dの写真に写っている、アームについたパーツです)、先にも言ったように「メーカー純正ストロボの制御回路をほぼそのまま持ってきて、カメラとストロボの間に取り付けストロボをコントロール」するもので、ニコン用・キヤノン用両方が出るようですね。 |
【ゆ】 | 邪魔だけどね〜それでもオート精度がよければ、みんなにはいいんだろうね。 |
【こ】 | 確かに邪魔ですねぇ・・・ただ既存のストロボを流用できるので、ストロボを買い換えたり、「純正ストロボを結構高価な専用ハウジングに入れる」というようなことはしなくて済みますね。 自分は基本的にマニュアル調光で十分と感じていますが、これだと手元でTTL(と調光補正)とマニュアルが切り替えられるので、少々心が動きます。 ただ、調光補正は±1段・・・せめて2段は欲しかったですが。 |
【ゆ】 | 2段ほしい〜〜使ってみる価値はあるかもね。 |
【こ】 | 後はアテナのドームポート関係で新しいものが出ています。 http://www.athena-opt.com/kougaku.htm 自分も使っていますが、なかなかの品質です。特にいまだにドームポートがアクリルのS&Sでワイドを撮ろうと思ったら、ここのポートが必須ではないでしょうか。 |
【ゆ】 | イノン系の人はいいけど、そうだね。ガラスのがいい。 |
【ゆ】 | 今月のまとめ |
写真提供:アンクルMさん http://homepage2.nifty.com/unkle-M/ 感謝! |
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