ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ 豪海倶楽部  

ヘビギンポ偏愛(3)

[婚姻色の魅力]

ヘビギンポというと地味な印象を持つ方がきっと多い事だろう。。。でもヘビギンポがただの地味な魚だったら、僕もこれほどの興味は持たなかったと思う。

ある程度潜りこんで、いろいろな魚を見てくると、小さなもの、もしくは地味なものやマニアックなものに走るダイバーが多いが、僕のヘビギンポ好きはその流れでは来ていない。

なぜなら、実はヘビギンポは綺麗で派手な魚だからだ。(笑)多くのヘビギンポの仲間(オス)は、メスに求愛したり、オス同士で牽制し合ったりする時、婚姻色(or興奮色)と呼ばれる派手な体色となる。種類によってその婚姻色は様々だが、普段の体色からは想像もつかない妖艶な色となる。

しかし、このヘビギンポたちがずっと綺麗な色や模様の魚だったりしたら、どうだろう。。。? 逆にこれまたあまり興味は湧かなかっただろうと思う。ヘビギンポの一番の魅力は普段の体色と婚姻色(or興奮色)、その”落差の激しさ”にあると思う。

しかも多くのヘビギンポはその婚姻色が知られていないから、初めて見た時の驚きと感動はかなり大きい。この驚きと感動を求めて、今日もヘビギンポの婚姻色個体を探すのだった。。。

【ミヤケヘビギンポ】
それまで真っ黒な婚姻色をあらわす、いわゆる「Theヘビギンポ」の婚姻色しか見た事がなかった僕は、このミヤケヘビギンポの婚姻色を見た時、スグには信じられなかった。突然、真っ黒になる「Theヘビギンポ」の婚姻色も初めて見た時は驚いた記憶があるが、まぁ何となく想像はできた。

でも、ミヤケヘビギンポのこの赤(オレンジ?)はさすがに想像できない。。。だって普段の体色はこんな感じだもん!(笑)

僕のヘビギンポの婚姻色(or興奮色)に対する興味はここから始まった。

ミヤケヘビギンポは伊豆諸島南部を中心に分布するヘビギンポで、「伊豆諸島ならでは」の魚と言える。三宅島や八丈島などに行ったら探してみてください。でも、ガイドさんには「-3m以浅のタイドプール」をリクエストしてくださいね。しかも早朝で!(笑)

薄っすらと短い海藻が生え揃った岩の上部なんかにいます。この綺麗な婚姻色はゴールデンウィーク前の春先の早朝に見られます。


原崎
原崎 森(しげる)

1970年8月26日生まれ
山梨県出身

八丈島から屋久島へ。。。
巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。

鹿児島県・屋久島

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