ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ | 豪海倶楽部 |
ヘビギンポ偏愛(5) [極浅のヘビギンポ] ヘビギンポの仲間はそのほとんどが-5m以浅の水深で見られるわけだが、先月紹介したクロマスクが最も浅い環境で見られるヘビギンポである事は多分間違いない。なにせ水面直下数cmでピョンピョン跳ねているのだから。。。 でもこのクロマスクは、エントリー口付近の岩場や外に突き出た根(岩)の潮間帯を覗いてみると通常のダイビングでも十分に見る事ができる。 ところが通常のダイビングではなかなか見られないほど極浅の環境を好むヘビギンポもいる。水面直下から-5m程度の水深まで割と広い範囲で見られるクロマスクに対し、水深自体が-1m程度しかないようなタイドプールやちょっとした水溜りのような場所でしか見られないヘビギンポがいる。 ここまで極浅だと「タンクを着けて潜る」というよりは、体は外に出して「顔を水につけて見る」ウォッチング方法が正しい。。。(笑) つまりダイビングでは見ることのないヘビギンポだ。 【クサギンポ】 最干潮時なんかはほとんど水が無くなってしまうような場所で逞しく生きてる。普段は-1m程の水深がある場所でも干潮時はせいぜい-10cm程度の水溜りが点在する程度まで引いてしまう事がある。そんな水溜りは太陽光で温められ、夏場ならお風呂のような状態になってしまうが、そんな劣悪な場所で生息しているのが驚きだ。 でもなかなか頭のいいヘビギンポで、干潮時でも絶対に海水が無くならない場所というのを心得ていて、そんな場所に産卵床を構え、メスに卵を産ませる。 地味なヘビギンポも婚姻色になると派手派手な体色になる種類が多いが、このクサギンポは婚姻色も地味だ。(笑) 真っ黒い婚姻色は綺麗な黒ではなく、写真のようにかなり汚らしい婚姻色だ。(失礼!) 浅いが故になかなか良い写真が撮れず、今も機会をみてはクサギンポの婚姻色を狙って-1m以浅の水溜りに顔だけつけて撮影する怪しいダイバーと化している。(笑) |
原崎 森(しげる) 1970年8月26日生まれ 山梨県出身 八丈島から屋久島へ。。。 巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。 鹿児島県・屋久島 屋久島ダイビングサービス 「森と海」 〒891-4205 鹿児島県熊毛郡屋久島町 宮之浦1559-1 Tel&Fax:0997-49-1260 http://mori-umi.net/ info@mori-umi.net HARAZAKI.NET http://harazaki.net/ |