ガイドのつぶやき 海辺のエッセイ | 豪海倶楽部 |
ヘビギンポ偏愛(21) [名前と識別。。。その違い] ヘビギンポは見つけても図鑑にあまり種類が載っていない上に、研究もあまり進んでいない事もあって、「早く名前を知りたい!」という方や「名前が解らないと興味が湧かない。。。」という方には辛い種類かもしれない。 でも、ちょっと待って! 「名前」なんてどうでもよくね? 所詮、「名前」はあとから人間が便宜上付けたものであって、自分さえ解れば「ゴマちゃん」でも「テングちゃん」でも、「ヘビ太郎その2」何でもいいと思う。 重要なのは、これとこれは別の種類だ、と識別できる事だと思うし、これを生態観察から見出す、その過程がフィッシュウォッチングの醍醐味であって、楽しい♪ 僕的には図鑑やWebで名前を調べる作業の方があまり興味が湧かない。。。(笑) 【ゴマフヘビギンポ近似種(ヘビギンポ属の一種5)】 通常体色のオス / 八丈島 このヘビギンポ、「日本の海水魚」(山と渓谷社)などで調べるとゴマフヘビギンポ?となるわけだが、標本を精査してみるとどうもゴマフヘビギンポ(学名:Enneapterygius hemimelas)とはかなり違いが見られるらしい。 つまり、Enneapterygius hemimelasとはまた別の種類になるようなのだが、これが既知の種類なのか、未記載(新種)なのかは、まだ不明だ。 婚姻色のオス / 八丈島 ここに出ている写真はすべて八丈島で撮ったものだが、同じようなヘビギンポが北は伊豆大島から南は沖縄の各島まで広く見られているようだ。僕のフィールドである屋久島で最も多く見られるヘビギンポも実はこの種類だ。 メス / 八丈島 しかし、これらがすべて、今回紹介する「ゴマフヘビギンポ近似種」なのか、それともまたまた別の種類なのかは、今のところまったく分かっていない。さらに、そんな中にはいわゆるゴマフヘビギンポ(学名:Enneapterygius hemimelas)が混じっているかもしれないし。。。 産卵中のオス&メス / 八丈島 少なくとも、今回の八丈島で撮ったオスの通常体色&オスの婚姻色&メスは、すべて同じ種類で、ゴマフヘビギンポ(学名:Enneapterygius hemimelas)ではない、という事が観察&標本精査から分かっている。 生息水深は-10m以浅、繁殖期は初春だ。 参考:ヘビベース! - Triple-Fins Photo DataBase |
原崎 森(しげる) 1970年8月26日生まれ 山梨県出身 八丈島から屋久島へ。。。 巨木と苔の深〜い森を抱える島で、あえて海に潜る。 鹿児島県・屋久島 屋久島ダイビングサービス 「森と海」 〒891-4205 鹿児島県熊毛郡屋久島町 宮之浦1559-1 Tel&Fax:0997-49-1260 http://mori-umi.net/ info@mori-umi.net HARAZAKI.NET http://harazaki.net/ |