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エビカニガイドブックインサイドストーリー 第5回

皆さん、こんにちは。久米島の川本です。ザトウクジラも順調に出始め、この原稿が掲載される頃には、ウオッチングシーズン真っ盛りで、僕はといえば、子供がヒーローに夢中になる如く、きっと毎日クジラ達のパフォーマンスに胸躍らせてるのでしょう。ハンマーヘッドの群れなす光景はは相変わらず圧巻で、マクロの生物達ももちろん面白く興味深いのですが、やはり大きいものには心躍らされます。

さて今回は、アカホシカクレエビの仲間達で、和名は勿論、学名もまだ付いていない新種と思われる近似種を2種紹介しましょう。

(1)のアカホシカクレエビに比べ、(2)のホンカクレエビの1種Aは第3腹節の背面の模様が特徴で、頭胸甲や腹節に山吹色の紋が散在します。(3)のホンカクレエビ属の1種Bもやはり第3腹節の模様が明らかにに違い、(2)がハート型なのに対して(3)は三つ葉というか1本突起が多い模様です。ただ(1)のアカホシと(3)の1種Bは一緒のハナギンチャク類に共生している事があり、同種の雌雄差や成長過程の変化かとも考えましたが、両方とも抱卵していたり、成長過程を見てもどうもそうではなさそうなので、やはり別種なのだろうと考えてます。そして極稀ですが、(2)と(3)も同じハナギンチャクに共生している事もあります。同種の個体差なのか、それぞれが別種なのか分類学的に研究が遅れている2種のホンカクレエビ属の1種です。(3)はかれこれ10年程前から確認していますが、(2)はここ4・5年程前に確認したものですから、「まだまだこれらの近似の新種が発見されるのでは!?」と、楽しみに探しています。今回は固い・ちょっとオタクぽい話になりました(このコーナー自体がオタクという声が聞こえてきそう)。次回は、いつも通りもう少し砕けていこう!?・・・どうなるやら??

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川本
川本 剛志

1965年4月3日生まれ
福岡県出身

久米島でダイビングサービスを営むかたわら、ライフワークである、冬に訪れるザトウクジラや各種の魚類、サンゴ、ウミウシ、甲殻類の生態を写真に収め続けている。多数の図鑑雑誌に写真を提供し、エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-等の著作を持つ。

沖縄・久米島

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BY 編集部